イカサマ麻雀大会編 前編
初投稿です、なかなか酷い文だと思いますが
楽しんで頂いたら幸いです
※この作品はフィクションで出来ています。
また、コメディ要素を含んでおります。
この作品内で麻雀を扱ってはいますが、
麻雀を知らない人も読めるように、
麻雀のゲーム部分の描画は省いております。
■軽く自己紹介をさせて頂く
「麻雀が、打ちたいな……」
おっと、独り言がでてしまったか……
僕の名は並木浩一、ごくごく普通の大学の2年生だ。
麻雀が打ちたいというのも、よくある大学生の時間潰し……
と言いたいところだが、実はそうではない。
僕は実は、大学にある「数学的ゲーム研究同好会」という
同好会に所属している。
そして、僕はそこで麻雀の研究をしている。
コンピューターで、シミュレーションを重ねて、
最近ようやく勝てるような計算方式が出来上がってきた所だ。
なので、早く実践したくてたまらない。
さて、「数学的ゲーム研究って何だよ」って思う人も多いだろう。
少しだけ説明をしよう。
■数学的ゲーム研究 初級編
数学を使ってゲームに勝つ事が出来るのかという疑問を持つ人も居るだろう。
例を一つあげよう、カジノで実際に使われた「カードカウンティング」という手法だ。
ブラックジャックというカードゲーム、ルールを大まかに言うと、
・プレイヤーが、カードの山から、カードを引いて、
そのカードの数字を足していき、数字を21に近づける。
・カードは何枚でも引いて良い、ただし21を超えるとゲームオーバー。
・全てのプレイヤーがカードを引き終わった時点で、
21に一番近いプレイヤーが勝ち
という遊びだ。
で、このゲームで数学を使うと、何ができるようになるか?
もし、【今、どれだけプレイヤーに有利な状態か数字で表す事】
が出来るとしたら、どうだろう?
プレイヤーが勝てると思わないだろうか?
さて、どうやるか、実際のやり方だが、
これがまた、非常に単純なやり方で出来たりする。
「有利なカードが出た枚数をカウントしていく」
これだけでOKだ。
ブラックジャックの場合、絵札やエースが有利とされている、
これらが場に出たらカウントしていく。
有利なカードの枚数は決まっている。
すると、残りのカードの山の中にどれだけ有利なカードが残っているか分かる。
残りのカードの山が少なくなったときに、
その山の中に、有利なカードが多く残っているときは、
プレイヤーに勝てるチャンスが高い状態にある。
そして、プレイヤーが勝てる時に、大金を掛け大勝負をする、そうすれば勝てるという算段だ。
この手法は、実際にイカサマとして、カジノでは禁止されているらしい。
これがバレると、良くてカジノへの出入禁止、下手すると半殺しの目に会うらしい。
特に目立った事をする訳ではないので、
イカサマだと見破れなさそうだが、そうではない、実は簡単にバレてしまう
勝てる確率が多い時に、大金の勝負をかけるという行動は、
一見問題がなさそうに見える、しかし
「今まで少額しか掛けてこなかった、おとなしい客が、
いきなり大金をかけ始めて、しかも勝ちまくる」
という不自然な客としてカジノ側には、写ってしまう。
結果として、この手法を使うと、すぐにバレてしまい、廃れてしまった。
■数学的ゲーム研究 応用編
先ほど説明した、
「カードカウンティング」という手法は、すぐにイカサマだとバレてしまう欠陥があった
そこで僕は、この【自分に有利な状況かどうかを数字にする】
という点に着目し、麻雀に応用できないかどうか模索を始めた。
まず、実践の前にコンピューターで簡単なシミュレーションをしてみることにした。
幸い、麻雀に関しては、ある程度のゲーム論が確立されているようで、
シミュレーションに使えそうな、基本的なプログラムが公開されていた。
僕はそこに自分の論理を書き加えて、検証を進めていった。
そして、ある程度の形に出来ることに成功した。
と、ここで、内容だか、気になるだろう?
ごく簡単な概要だけ、説明してあげよう。
トランプでは、スペード、ダイヤ、クローバー、ハートと柄あるように、
麻雀では、ソウズ、ピンズ、マンズという柄がある。
僕の理論を使うと、どの柄が、重要なのか、
相手の進み具合などを数字化できる。
自分の進み具合も数字化できる。
そこで、この数字を指標として、
今攻めるべきか、退くべきかを判断できる訳だ。
この方法を使うと、一つ、大きな利点がある、
指標の数字があるので、首を突っ込みすぎて、大負けしなくなる。
麻雀というのは少しの負けなら、なんとかできる事が多い、
そのゲームでダメでも、次のゲームの時に挽回できるからだ。
僕はこの数学的な理論のシミュレーションを重ね、
ある程度の形になってきた。
試しに、ネットの麻雀でテストをしたところ、
ほぼ勝ち越している、勝率およそ8割といったところだ。
この理論が正しいか、ネットでは無く現実で実践したい、
しかし、機会がなかなか巡ってこない。
そんな中、とあるサイトを発見する。
■イカサマ麻雀大会の告知
それは、麻雀を実践できる場はないかと、
昼休みに、検索をしていた時だった。
偶然、こんなサイトを見つけてしまった。
「ルール無用のイカサマ麻雀大会」
そこには、とある町内会で開かれる麻雀大会のサイトの告知があった。
普通の麻雀大会と違って、変わっているのは、
「ルール無用、イカサマ有り」と銘打ってるところ、
どうやら、バレなければ、何をやってもいいらしい。
厳密に言うと、この数学的ゲーム理論を使うと、イカサマに当てはまるが、
この大会では、イカサマが認められている。
「非常に興味深い大会だ。」
開催場所は、木林公園と呼ばれる公園内、
時間は、10時から16時まで開催
そして賞金が出る、優勝者には30万円相当のデパート券、
もしくは大手通販サイトのギフト券が出るらしい。
その他、準優勝者、他にも検討賞など10位くらいまで、
賞金が用意されていた。
しかし、参加費は5000円取られるらしい。
こんな大会に、一般の大学生が、参加したら良いカモにされるだろう。
だが、僕には数学的ゲーム理論がある。
また、僕の数学的ゲーム理論を使えば、
他者のイカサマをねじ伏せて勝つ事は出来るだろうか?
という疑問も浮かんだ。
もし勝ち越す事が、できるのなら、
僕の理論はプロとしても通用するんじゃないだろうか?
「これは、面白くなってきた」
この大会に勝てれば、他のどんな大会に出ても勝てる気がしてきた。
そんな事を思いながら、サイトを見ていたら、
とっておきの、【更なるイカサマ】を思いついてしまった。
ヒントは、何気ない大会中の写真、
そこに麻雀牌と、テーブル、麻雀セットが写っていた。
■更なるイカサマの仕込み
思いついた、更なるイカサマが成功すれば、勝ちは確定と言って良い。
まず、更なるイカサマが実現可能かどうか調べてみる。
ヒントは、大会中の写真に映り込んでいた、麻雀セット
麻雀セットを作っているメーカーは、そんなに多くは無い。
大手通販サイトで調べたら、写真と同じ商品をあっさりと見つけられた。
お値段は7000円ほど、そして、それをそのまま購入をしてしまった。
もちろん、これは更なるイカサマの仕込みの為である。
~ そして、一日が経過する ~
翌日になった、そして麻雀大会の写真に映り込んだものと、
同じ麻雀セットが、ここにあったりする。
肝心のイカサマのやり方だが、まず思いついたのは、
牌を持ち込む事だ、(トランプで言うとカードを持ち込む事に相当する)
しかし麻雀牌は同じ牌の枚数が決まっていて、4つしかない、
必要な牌を、他のプレイヤーが持っている時もある。
ここで、持ち込んだ牌を使って、他のプレイヤーが持っていた場合、
存在しない5個目存在する事になってしまう。
トランプにたとえると、スペードのエースが2枚出てくるような感じだ。
これでは、イカサマが簡単にバレてしまう。
そして、バレたときに、麻雀牌をたくさん持っていたら言い逃れが出来ない。
これは致命的だ。リスクが大きすぎて使えない。
僕が考えたイカサマはコレでは無い、
バレても何の問題もないイカサマを思いついた。
そのイカサマの手段とは、
◇◇◇手持ちのゲームで使える金額を増やす事◇◇◇
どうやって金額を増やすか、
やることは、紙幣の偽造と同じである。
公式なギャンブルでは紙幣など、金を直接やりとりすることは少ない、
カジノではチップに一度変換する、
麻雀だと点棒という、細長い棒が点数を表すチップの代わりを務める。
つまり、麻雀セットから点棒だけ抜いて、
自分の持ち点として大幅に増やし、ゲームに参加する。
一般的な麻雀だと、プレイヤーひとりのスタート時の持ち点は
25,000点~30,000点あたりになる。
そこに、点棒を持ち込むと、さらに120,000点が追加される、
圧倒的な点数差だ。
この点棒を持ち込む方法が、バレないか、調べて見た。
この大会では、参加者各自が点棒を持ち歩いて、
大会終了時に自己申告をするだけらしい。
セキュリティだが、町内会規模の大会なので、大がかりなチェックは無いと思う。
念の為、持ち込む時は、隠しポケットのある服を使う予定だが、
たぶん問題なく、通過できると思う。
賞金目当ての勝ち負けだけで言えば、
何もしなくとも大会終了まで時間が経過するだけで、おそらく上位の成績を残せるだろう。
もちろん、大会中、ある程度は、ゲームプレイしておかないと他のプレイヤーに怪しまれるが、
それでも最初の点数が、すでに普通のプレイヤーの4~5倍はあるので、
正直言って負ける気がしない。
しかも僕には数学的ゲーム理論がある。
これで、相手の状況が手に取るように分かるのである。
ゲーム運が悪かったとしても、賞金獲得圏の、上位には食い込めると考えている。
もちろん、最大の理由は、賞金ではなく、
自分で構築した数学的ゲームの理論の実践をしてみたい、
知的好奇心の為だ。
そのような理由で、僕はこの大会に参加することに決めたのだった。
後編へ続きます