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第九話(雄叫び)

a war cry

まずい

枝で皮膚が腫れ上がったワニ。軽く傷を負ってしまったのだ。ワニはその場に立ち尽くした。見知らぬ生物二人を前にしてある行動を取った。


「ガルゥゥ」


ワニは雄叫びをあげ始めたのだ。同じ種にしか分からぬ一種の信号である。一人では危険だと感じた。森にはその他の人喰いワニが潜んでいた。その信号をキャッチすると一斉に信号を送るワニの場所へ急いだ。ワニは懸命に雄叫びをあげ続けた。


一方彼等二人はテツヤの肩を借り足早に森を抜け出そうとしていた。しかし森を抜けるにはまだまだ距離がありそうだった。だがワニとの距離は相当離した。ケイタは考えた。


「奴と闘うんだ」


「まてまて逃げるのが先決だ」

「でも…」


「奴との距離を離さん事には何ともならん。」


ケイタはテツヤの言う事に従った。満身創痍していることは事実であった。ワニとは後方に見えない位までの距離を保った。彼等は出来るだけ静かに森を抜ける。


「ゆっくりと進めば大丈夫だ。位置は絶対に分からん」


霧は微かに揺らぐ。夕日の光は極僅かな樹木の角度から赤茶色に照らしている。




ワニというワニは主犯格のワニの元に集まり初めていた。全てのワニの数を数えると8体ものワニが集まった。ワニ同士にしか分からない独自の周波数で発っせられる言語での会話を始めていた。


「ガルゥ」


「ガルゥゥ」


「ガリゥゥ」

目の前に兔が通りや否や見事な速度で反応し貪る様喰い出した。それらの食事が終わるとワニは一斉に奴等二人を探し回った。

「ガルゥゥゥ」


「ガルゥ」


森を一斉にウネウネと駆け抜けた。





少しケイタは頭痛がしていた。例のあの現象が起ころうとしていた。視界が曖昧模糊してくる。頭の中で声がする。


───


(速く…めろ)


まただ


(速く目覚めろ。不味い事になってるぞ。)



(ワニはどうした?)

大丈夫いない


(うろたえるなよ。ワニを甘く見すぎだ。特に人喰いワニは臭覚が鋭いんだ。)


だから


(背中の血を元に追跡してくる。悪い…時間だ。テレパシーは余り使いたくないんだ。精神力が大幅に減少されるんだ…)


───


記憶が戻る


「おい。ケイ何してんだ」


「不味い事になったぞ。テツヤ」

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