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第八話(噛み付く)

I waz bitten by a wani

奴が

どうなるか。彼等はどうなるのか。


その時テツヤはある雑音に直ぐ様聴覚を聞き寄せた。後ろを振り返るや否や、顔が青ざめるとワニの存在に気付く。


真っ赤に開く口が目の前に広がる。唾液が口内からひたたり落ちる。すると瞬時に素早く閉じられた。


「痛ぇぇぇ」


ケイタの肩にワニの鋭く尖った歯が突き刺さる。ワニは無理矢理肉を喰い千切ろうとするが骨が邪魔をしてなかなかそれが出来ない。


歯が滑った


歯が滑って一部の皮膚が引き裂さかれた。その為ワニはケイタの肉を喰い千切る事が出来ずにいた。間を置いてから距離が離れた。テツヤは素早く逃げる。次いでに言い放つ。


「逃げろケイ。」


「ぐぁ」


傷は浅かった。よたよたとさせながらも身体を動かせる程度の余力はまだ残っていた。素早くその場から離れる。しかし追い撃ちをかけるかの如くワニは身体をウネウネとさせながら移動しケイタの後を追う。大きな口が開くと背後から噛み付くと試みる。しかし逃げるケイタ。スピードを上げて走る。


「糞野郎目ぇぇぇ。来るな」


スピードを上げる。逃げ惑うケイタ。焦る。ひたすら焦る。草原を駆ける。しかし次の瞬間あり得ない事態に気付く。


脚が動かない


さっき転んで傷付いた片足が鋭い痛みを増している。血は止血している。ただ脚が痛い。もう走る事は出来ない。もう脚を止めるしかない。


(駄目駄目。)


最後の余力を振り絞って走る。しかし不可能である事に気付く。ウネウネとうねりをあげながら追い掛けるワニ。


(駄目だって俺)


人間の再起不能の瞬間を垣間見るかもしれない。自分と言う人体実験を用意て

(駄目か)


歩みを止めた。背中の擦り傷が痛い。今日は汗を掻いた。温まった湯船にゆっくりと浸かりたいと目を閉じた。


次の瞬間


枝であった。腕サイズ程度の。鋭いスピードを保ったままのその枝が“ワニ”の頭部を正確には目玉付近に直撃した。テツヤの姿がそこにはあった。


「休むなよケイ」


「…テツヤか。」


「肩貸せ」


しかしその行為はワニをより冷静にさせた。

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