表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

第七話(奴が遣ってきた)

wani come running

奴が来た


空想中に突如テツヤから呼び出される。


「おいケイ」


「…ん」


「おい。そろそろ帰ろう」


「…ああ、そうだな。痛っ」


「どうした」

どうやら脚が痛いらしい。さっき転けた箇所が悪化している様だ。捻挫か骨折かどちらかは分からない。しかし一大事には至っていない様だ。


「ああ帰ろう。帰ったら治療するか」

彼等は帰る支度を始めた。





奴だ…


奴がやって来たんだ


刻々と歩みを寄せながら。

少しずつ歩みを寄せながら。

吐息は消して荒くなかった。ただ微かな産声を複式呼吸で。隙を伺いながら。血を求めながら。緑色の煉瓦を身に纏い、木漏れ日の 光に紛れながら樹木の紆余曲折を経て、尚且つ直線的に進むのではなく蛇の様にうねりを上げながら…。膨大なる緑と一心同体を余儀無くされ、帰って其れが好都合であるかの様に…。


意思を持つのかそのワニは。機を待っているのか。




何故ケイタは脚に怪我を負ってしまったのだろう。そんな脚で大丈夫なのか。そんな脚で樹に登れるのだろうか。そんな脚で逃げ切れるのだろうか。そんな脚で全力疾走する事が出来るのか。


それは分からない彼等に聞かなければ分からない。分かるはずがない。



もし仮に石を投げたとする。しかしワニはそれらには反応を示さないだろう。何故なら瞳に映る彼等をキャッチしてしまってるから。標的は定まっているのだ。しかし直ぐには行かない。狂暴なあの性格なのに何故だ。答えは簡単。何故なら逃げられる。ついさっき覚えてしまっている。二度目は通用しない。確実に見据えると伺える。



世界は天変地異が起こっている 。普段ある一定の地域でしか見ないこのワニ。平穏な森に姿を現した。どうやって現れたか。ワニは自らの意思でやってきた。酷く荒んだ地域から緑が豊かなこの森へ住み着いた。


だから世界は危機に迫っている。森羅万象が崩れさろうとしていた。何れこの様な怪物はゴマンと現れるだろう。


どうなるんだ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ