第五話(アリサとの記憶)
memory 恋愛系です
ポプラの樹の根元で彼等は休息を取る
テツヤはケイタに語りかけた
「そういえばお前坂下とはどういう関係なの」
坂下とは坂下アリサの事である
「馬鹿言ってんじゃないぜ。聴きたいか。聴きたいのか?」
「ああ。少しな」
「何故だ」
「特に意味は無いけど…」
「お前意味分かんないな。でも今の所は友達見たいなもんかな。うん」
「…そうか」
テツヤ顔から軽い笑みを溢れた気がした。
ケイタは答えた
「何笑ってんだよ」
「いやいや。気にするな。でお前好きなのか坂下の事?」
「アリサとは幼い頃からの付き合いだ。その気持ちは何時でも伝える事は出来るぜ」
「面白い奴だ」
「お前がまさかそんな事考える奴だったとは。不覚だぜ」
ケイタは昔の事を思い出しつつあった。学校で居残りをしていた時の事だ。
その日ケイタは学校の課題学習を忘れていた為放課後一人居残り学習をしていたんだ。教師もいた。
「森野君サボらないように。少し用事出来たから」
そういうと担任は出ていったんだ。教室に一人残された。
「ちくしょー菅崎ミーナ先生」
黙々と時間だけが過ぎていったんだ。足音がしたんだ。結構急ぎ気味で。誰か教室にやって来る。教室の扉が開かれた。それがアリサだったんだな。空気少しだけ重くなったんだな。「何してるの」
「居残り学習さ」
「分かるの?」
「多分。分かる。すぐおわる」
「一緒に帰ろ」
「いいよ。これ終わったらな」
「どれどれ。」
そういうとアリサは俺の横まで来ると一緒に課題を手伝ってくれたんだ。少し距離が近い。この時ばかりは冷静を欠いたよ。それを察知してかアリサが
「変な事考えてない」
「馬鹿言うなよ。そんな事考えて…ない」
少し笑うとアリサは課題を進めていった。俺の頭では疑心暗鬼のパントマイムが行われた。
数十分間後だったか
「出来たぁー」
「…よし。サンキュー。」
「じゃあ一緒に帰ろうね」
結局この後担任帰ってくるまで待ったが帰って来なかった。薄暗くなってから一緒に帰ったんだ。だから少しあの時は緊張したんだ。
「ルンルン。」
「…」
実はこの時の記憶あまりないんだ。気が付いたら別れる間際だったんだ。アリサは切り出した
「また一緒に帰ろうね」
「…ありがとう。また明日な」
「また明日ね」
俺はアリサを見送ったんだ。そういうと俺達は家路に帰った。少し風が寒かった日の出来事
ポプラの樹には僅かな光が反射して緑の光沢が散りばめられている。