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第十話(血の付着したシャツ)

bloodstained shirt

なんと


テレパシーの上限は一日二回迄と決まっていた。というより彼自身の中でのルールとして定めていた。二回以上のテレパシーは死と直結する。よってこれ以上彼からの音震源は絶たれる事になる。彼の千里眼によるテレパシーは今日の日は禁じられた。

「時間か。しょうがない。」


遥か彼方で呟く。



百鬼夜行が行なわれるか、又は双方が火花を散らすのかは終始一点、それは神のみぞ知る。



ワニは広い森の中駆け始めている。血を辿る。匂いを辿る。臭覚に意識を傾けた。僅かだが確かにする。空気中にその薫りが仄かに糸を引いてる。全てのワニ、八体は其々のルートを通ってケイタ達の後を追い始めた。


これは先頭をきっているいるワニである。素早く移動。停まる。素早く移動、停まるを繰り返しケイタの後を辿った。距離をドンドン詰めて行った。


しかし次第に匂いを辿るとそれは徐々に薄くなっている事に気付く。ワニは足早に進行を進めた。辺りはまだ夕日が差し掛かっている。


しかしおかしな状況に気付た。匂いが跡絶えた。


目の前に広がるのは


湖である。此処で匂いが跡絶えたという事は奴等は此処から帰還ルートとして利用したのは間違いなかった。


そうなのだ。水中に入れば匂いは途絶える。それを利用したようだ。しかし森の湖の半径はたかが知れている。ワニは湖の半径をグルグルと周り始めた。すると


或る


匂いの続きがあった。やはりあった。奴等は一度湖に入り水中を進むと別の地点から上がる。それから森の脱出を図ったのだ。


しかし


血の箇所がもう一つ増えている


何故か右と左から漂う。血の匂いが。おかしいのは間違いなかった。遠い箇所と近い箇所だ。ワニは少し困惑した。どちらを追うか迷った。紆余曲折の上近い箇所を選ぶと凄まじい勢いで駆け出した。何かあるが考える間も無かった。時ワニからしても想定外であった。彼等を見失う事は想定外であった。だがとにかく彼等を追わなければならんと考えた。


距離にして直ぐだった。

時間にしてもすぐであった。しかし其処にあった物は実に奇想天外な物であった。


“血の付着したシャツ”


が落ちていた。ただそれだけであった。ワニは状況が呑み込め無かった

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