07
「ただいまー」
「おねぇーちゃんおかえりー!」
家に帰るといつもの弟。妹たちの出迎えでだ。
この子達の笑顔を守る為ならいけない仕事だとしても、それでも私は頑張らないといけないと思う瞬間…
そして、この子達まで我慢してほしくないから私が頑張るだけ・・・
栞「今日の夕食何?」
碧「何だと思う?」
栞「うーん、難しいよ~。教えて?」
碧「教えない~!楽しみにしててね!今日はみんなで作ったんだよ?」
栞「本当?亮たちも?」
亮「僕も作ったんだよ!」
家に帰って最初にすることは携帯を確認する事。仕事内容が書いたメールを万が一誰かに見られたら一環の終わりだからいつも家に帰ってから確認している。
携帯を見ると2通メールが着ていた。
【明日は9時にいつもの公園前に集合ね!】
という夏奈からのメールと
【栞ちゃん、仕事だよ~!OK?】
いつものお気楽なメールが入っていた。
夏奈には了解というシンプルなメール
仕事のメールには
【了解です。明日は絶対仕事いれないください。】
というメールをそれぞれに送っていた。
それに返事が返ってくるのは早く
【栞ちゃぁぁん。いつものところで今日が21時だよ~!明日の件は了解!】
基本中学生の私を考慮してなのか、前日までに予定を伝えておくと何でも許してくれる。この売春を取締まって私に連絡をくれるのは、宗吾さん。それが本名なのか通り名なのか知らないけどこの人のもと私は売春婦として、仕事をしてお金を貰ってる。会員制のところだから、もし変な奴が当たったら2度と私のところに渡らないように考慮してくれてたりする。まだ中学生の私に問題が起きないようにしてくれてるのも宗吾さんだったりする。だけど、それは私が高い値段で売れるから…。多分、それだけ。
弟たちとの食事を済ませ、お風呂、就寝準備の手伝いをしていると20時過ぎになっていた。
そこからは中学生には見られないように、薄すぎず濃すぎないナチュラルメイクを施し、出かける準備をした。
亮と希を寝かせると
「じゃー行ってくるね」
「…うん。行ってらっしゃい」
「今日は早く帰ってくるの?」
「……」
三者三様の様子で栞を見送っていた
「もう、そんな悲しそうな顔しないで?私は大丈夫だから」
「そうだけど…」
司は姉が今からどのような仕事かをなんとなく知っているのかどこか寂しそうにしている。
「希…多分今日も朝かな。ごめんね、みんなのこと頼んだよ」
「…うん。わかった。」
希はまだ姉が夜なにをしているか具体的にはわかっていないながらもこんな時間に出かける栞を心配している。
「翔。…行ってくるね」
「……うん」
翔の頭に手を乗せて言うと栞は仕事に向かっていった。
「この仕事もいつまで続くんだろ……」
と、栞は独言を誰もいない夜道の中言ったけど、実際はなかなか売春以外でお金を稼ぐことが出来ない事も分かっている。
親の借金と生活費のために売春をしていても家計はぎりぎりの状態なのだから…