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73:参加種目決め

 俺の通っている嶺桜高校ってのは、”前身”が女子高だったということもあり、生徒数は男子よりも女子のほうが多い。

 その名残もあってか、前年までは男子がプログラム参加に占める割合も少なかったんだが、年々男子生徒の入学者も増え、今年はプログラム(競技種目)にも変化が。


「やっぱり男といえば、【力競技】よね!」


 生徒会長の一言によって、今年のプログラムに【俵上げ】【混合リレー】【全学年合同ダンス】が追加されたのを知っているのは、おそらく生徒会役員と教師、そして(臨時)役員だった俺だけだろう。

 その案件がまとまり、各学年ならびにクラスで発表があったのは、俺が(臨時)役員を解任されて2日後のことであった。



⇒⇒



 昼休み・掃除を終えて午後の5・6時限の授業がHRになっていた水曜日。それこそが今年度の体育祭の予定およびプログラム参加を決めるクラス会議になっていた。

 今年は男子と女子が合同参加となる【混合リレー】や【合同ダンス】が追加された上に、力自慢の表舞台となるであろう【俵上げ】なんかもプログラムに追加されたため、予定表が配布されると、いつもは冷ややかな我がクラスも少しざわついた。

 中でも健一は


「【合同ダンス】ってことは、女の子と手を繋ぎ放題じゃん!!」


 邪な妄想を膨らませたがために、クラスメイトの女子全員から、冷凍ビーム(冷視線)を送られていた。



⇒⇒⇒



 まぁ若干暴走(妄想)気味の健一バカは極端な話だが、それでも浮かれない男なんていないんじゃないだろうか。実際にクラスの少数男子からは淡い期待に満ちた言葉が小さく漏れているし。

 女子は……どうなんだろう?


 多少話は逸れたが、今は種目競技に出場するメンバーを決めている最中だ。前半戦の目玉は【合同ダンス】。ちなみに自由参加で、1曲毎にメンバーは入れ替わり、それが3曲分ある。ま、自由参加だから俺は出るつもりもない。

 着実に競技に参加する人間が決まっていく中で、俺は最初の競技である【100m走】と【男女混合リレー】【200mハードル】をチョイス。走る種目ばっかだ。

 いいわけがましいことだろうが、【男女混合リレー】にエントリーする気はさらさら無かった。健一バカが勝手に推薦したのだ。まぁメンバーの女子に如月・湊・結城の3人が混じっていたので、あまり気兼ねする必要も無かったのが救いだが。


 んで、あとは全員参加型の玉入れに出場するくらいだが、プログラムの後半に【応援団競技】というものがある。普通の高校では3年生の先輩方が主立って、改造された学ランや袴なんぞを着込んで自団をアピールするものだろうが、ふざけたことにこの学校では2年、1年生が主立ってやることになっている。 まぁ有志を募るので強制参加ではない。


「由希、やろうぜ!」

「寝言は寝てから言え。だからお前はバカなんだ」


 この目立ちたがり野郎(健一)は、こともあろうに俺を引き込もうとする。ただ俺とて目立つことは嫌いなんで丁重に断ろうとしたんだが----


「由希、俺も出るから出てみないか?」


 まさかの河南までもが参加を表明!


「たまにはド派手にいってもいんじゃない?」

「……(こくり)」

「アッキーの言うとおりにゃぁ~…すぴぃ~……」


 そして如月・湊・結城の女性陣までもがっ!!って、結城は寝言か?それに周りからも「相澤でいんじゃね?」「つか早く決めろよな」などとの声が囁かれている。

 かくして【相澤包囲網】なるわけのわからん(俺もわからん)雰囲気で、俺は退路を絶たれ---


「わかった!やってやろうじゃねぇか!!」


 やけくそで受諾。翌日からの激しい練習が待っているとも知らずに---

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