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07:宣戦布告!変態さん

リリア(メイド)さんの特製朝食(金華豚のベーコンと烏骨鶏卵の目玉焼き・完全無農薬栽培で育てたトウモロコシのコーンスープ・高級ホテル食パンのトーストなど)は、ひっじょーーーーに!美味かった!!!!

あの辛口批評でマイハートをズタズタに引き裂く我が妹君でさえ、黙して語らず。減らず口はなりを潜める程だ。


満足な朝食で心と腹を満たし、変態先輩からの執拗な下ネタ告白で神経を擦り減らす。もちろん丁寧にお断りしたので、告白が238回玉砕した事になる先輩は「な、なぜなんだあぁぁぁあ!!!!」と、朝もはよから大絶叫。しかし、今日は先回りしてラブレターという脅迫状をセットするわけでもなく、俺と妹と一緒に、のんびり茶を啜っている。

やれ、ぼちぼち学校ヘ行くとするか……。


「じゃ、俺らはそろそろ行くから。凜、戸締まりよろしくな」

「わかった。いってらっしゃい」

「では、私も行く」

「では私も」


へぇ………先輩が学校に行くのはわかるが、なぜメイドが?

あえて口には出しゃしないが、なんだろうな……この不安は?










意外ってわけでもないが、登校中はリリアさんがいなかった。いや、まぁ当たり前か。きっと先輩の家にでも戻ったんだろ。


ただねぇ……


「なぁユキ、やっぱりリリアのような格好が男としては“萌え”なのか?」

「少なくとも、俺は“萌え”ねぇ。人の好みはそれぞれあると思うし」

「べ、別にユキのためにメイドさんの格好をしようと考えたわけじゃないんだからねっ!!」

「俺はツンデレにも“萌え”ねぇ」


ギャップ萌えとかあるらしいが、少なくとも俺にツンデレ萌えは無い。ってかリアでツンデレとかいないだろ。


「じゃあユキの理想の女性って、どんな感じなんだ?」


理想ねぇ……


「まず、可愛いというよりも綺麗な印象で……」

「当て嵌まるな」

「次に、年上で……」

「きたコレ!」

「意思が強くて、堂々としていて……」

「……まさに私じゃないか!!」

「最後に、下ネタを言わない人ですね」

「…………………」


あ、黙った。


「私は思うんだ。女とて下ネタを言っても良いんじゃないかと!」

「まぁ少しくらいなら。毎日毎日言われたら、男としては、その人の事を異性としては意識しなくなるんじゃないのかと。俺はそう思いますが」

「……で、でも……」


うわぁ先輩泣きそう。


「もちろん、自分の性格なんて簡単に変わるもんじゃないし、上っ面だけを見せて相手と付き合うというのは、詐欺です」

「……うむ、ユキの言う通りだ」

「ですから、結論。諦めたら?」


俺はあくまで、自分の理想に妥協するつもりは無い。つまり、この“見た目完璧性格残念”な先輩と付き合うつもりは毛頭ないのだ。俺が先輩の告白を断り続ける理由は、それである。

先輩の性格を知った以上、先輩に無理しておしとやかなイメージを押し付けるつもりはないし、かといって自分を妥協させたくもない。先輩が俺の事を諦めて、早く自分を好きでいてくれる人を見つける事こそが、俺の願いであり、先輩にとっての幸せだと思うから………


「あいにくだが、私は絶対に諦めない!!私の願いは、ユキと二人で幸せを築いてゆく事だ!私は私の理想に妥協はしない!!」

「俺の気持ちは無視ですか?」

「要はユキが私を好きになってくれれば済む事。ユキに私を想ってくれる気持ちが今はなくても、いつか必ずユキを惚れさせる!そのために私は自分を磨く!!そこにも妥協は無いっ!!」


なるほど………嬉しい言葉だ。けど、俺も妥協するつもりは無い。先輩が折れるか、俺が折れない限り、どちらも一生報われないんだ。難儀だな………


「ユキ、これは私からの宣戦布告だ!私は必ずユキの心を掴む!!」


宣戦布告か。高らかと宣言しやがった。だが……


「俺も妥協はしない。先輩が俺を諦めるか、俺が先輩に惚れるか……まぁ先はわかりませんが」


そう、誰にも見えない未来……

けど、これだけはわかる……俺と先輩の迎える未来に、引き分けなど無い。


「俺も負けません」






あるのは、どちらかの勝利。どちらかの敗北なのだ………

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