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66:マコ姉=???

 またゲーセンでの話になります。

 意識の暴走により綾館美雪は《猛獣》と化した!しかしそこに現れた正義のヒーロー《相澤真琴》の秘孔術により猛獣は倒され、相澤家に平和が訪れたのだった……。


 という一連の出来事により、鎮静化した美雪さんは記憶まで吹っ飛ばされていた。 その後「暑さで意識が遠のいたのですよ」とリリナさんがフォローを入れ、俺達も口裏を合わせて納得していただいた。

 おそらく我が家史上最大の《記憶の捏造》だと思う。


 まぁそんな事もあったのだが、やはり矛先は「この女は誰だ!?」と言われたマコ姉に向けられ、正直に「従姉妹です」と言ったマコ姉に対し、掌を返したような態度の美雪さんは、誰の目から見ても滑稽に映っただろう。

 ともあれ、我が家に平和が訪れた事に変わりない。……俺はわかりきった失恋を経験したんだが。



 そんなことはこの際永久に触れないでおくとして、マコ姉が突然我が家を訪れた理由を尋ねたら「この近くにとても大きなゲームセンターがあると聞いて来た」という始末……。


「ま、まさかそれだけのために車を走らせてきた訳じゃないよ…………ね?」

「ユキは失礼だな」

「だ、だよね〜!」

「八割はその通りだが、残りは残暑見舞いというやつだ」


 あ〜ぁ……聞かなきゃよかった……




 とりあえず、マコ姉を案内する形でゲーセンへと車を走らせる。当然……


「ゲームセンターって、どういう場所なのでしょうか?」

「私もあまり詳しくは知らんが、やはり名の通りゲームが沢山あるのだろう」


 ここに二人ほど《初心者》がいた。って、俺も好んで行くタイプの人間じゃないが、俺の周りって意外と《ゲーセン初心者》が多いらしい。

 とまぁ無駄話もそこそこに、到着しましたゲームセンター。建物はビル四階建てという規模だが、いかんせん“ゲームセンター”というまんまのネーミングはいかほどなものか。


「うむ、やはり噂通り大きいな。たしかUFOキャッチャーのコーナーは二階だった」


 噂になるほどか?つか下調べ万全だなマコ姉。もっともUFOキャッチャーオンリーかよ!

 と、ともかく大勢いるんだし、楽しまねば……







 まぁ諸々のメンバーではあるが、やはり《好み》には違いがある。凜はさっさとネットゲームのコーナーへと三階へ。

 リリナさんは「スロットは以前経験したことがあります」と言って、美雪さんを置いて一階へ。おい、メイドという仕事はどうした?

 そして残された俺・美雪さん・マコ姉の三人は、まぁ付いて行くがままに、二階のUFOキャッチャーのコーナーへ。


 まず思ったのが、盆にマコ姉と行った田舎のゲーセンとは比べるまでもなくデカイ!!ということ。

 そして種類(景品)が豊富ということで、くわえて人も多い。


「ゆーふぉーきゃっちゃ〜というのはどれだ?」


 美雪さんは無知の無状態。目の前に広がる幾種類のUFOキャッチャーを眺めながら、ボケた(というかマジっぽい)


「ふふ、美雪さん。ひらがな表記ではなく《UFOキャッチャー》というんだよ」


 つい最近までひらがな表記で《ゆーふぉーきゃっちゃ〜》と呼んで、掬うではなく《救う》と連呼してたマコ姉よ、そんな胸を張って言うほどじゃない……って羨望の眼差しかよ美雪さん!!

 そういや、UFOキャッチャーって掬うんではなくて、正しくは《掴む》んじゃないのか?


「なるほど、箱に入ったぬいぐるみをこのアームで救うのですね?」

「正しくは《掬う》んだよ」


 いや、多分どっちも違うと思うよ二人とも。







 おそらくだが、マコ姉と美雪さん……似てるのは口調だけではないらしい。

 まぁ普段の「ユキィっ!マイスウィートダーリン(はぁと)」って感じで接してくる美雪さんはケイ姉とそっくりなんだが、初のゲーセンでの美雪さんは、まんまマコ姉である(考え方がという意味で)。


「真琴お姉様、この機械が動かないんですが」

「ははは、この《投入口》に百円を入れるんだよ」


 これってデジャヴってやつなんだろうか?まんま盆の時の俺とマコ姉の会話を、別角度から眺めているというなんとも表現しがたい気分だ。

 うぅむ、それにしても美雪さんは、いつの間に「真琴お姉様」と呼ぶようになったんだろうか?

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