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63:盆明けからハイテンション!?

 タイトル通りです。かなーり昔に登場した《あの娘》も再登場します。

 14日を自宅で過ごし、15日を母方の祖母の家で過ごした我が家一行だが、両親は早々に自宅を離れて、主に使っているアパートへと戻った。

 前に言ったかどうかは知らないが、うちの両親……父の転勤先と母が経営している会社が近いという理由もあって、同じアパートに住んでいるのだ。


 まぁ仲が良いというのはいいことなんだが、たまにはほっとかれてばっかりの俺らの事も考えてほしいと思う俺の気持ちは、甘えなんだろうか?

 ま、月一で生活費はちゃんと振り込まれているので何とかなっている現状を見る限りでは、支障という支障は無いんだが。


 さて、盆も明けて夏休みも残り二週間である。宿題なんてのは八月の始め頃に始末していたので大丈夫だが、これといった予定も無くて、ヒマを持て余している現実というのは、あまり好ましいとは言い難い。

 妹はさっさと出掛けたし、何すっかなぁ………


「そーんな時は、美人で性格も抜群な私とデエェェェエトッ!!!!」


 ……あ、洗濯物が少し残ってたし、せっかくだからまとめ洗いでも―――


「そんな私をスルーなユキもベリーキュート!寧ろ愛情の裏返し?」


 そういやまだ朝飯食ってねぇな。今日はちとガッツリ系でオムライスなんぞ作ってみるか―――


「あぁ!愛しいマイ・ダーリン♪なんだか身体が火照ってき―――」

「うるせえぇっ!!どっから湧いた!?つか脱ぐなあぁっ!!!!」


 なんで毎度毎度、あんたらは我が家に侵入してんだよ!!


「ユキ、お久しぶりです。お洗濯は済ましておきました!朝食の準備も整いましてよ」


 ぬぁっ!せっかくの暇つぶしを!!何してくれてんだ駄メイドッ!!!!







 やっぱ来たよ綾館姉妹。つか一週間も経ってないのに「お久しぶりです」は無いだろ。そして美雪先輩のテンションが、今日は普段の五割増しに高い……つかうぜぇ……。


「五日も会えなかったんだぞ!私は淋しくて、危うく死ぬところだったんだぞっ!!」


 どこぞの草食動物かよアンタは……。


「つか、どっから入って来た!?物音なんて全く聞こえなかったのに……」

「まさかのスルー!?「お前はウサギかよっ!!」ってツッコミは無しか!!??」


 あ、危ねぇ……口に出さなくてよかった!


「玄関から入るのは飽きたので、物置のカーヴから……」

「飽きんな!むしろ質が悪いから!!」


 やべぇ!リリナさんがこの会ってなかった五日間に70%くらい美雪先輩化してる!!


「まぁ何はともあれ、私は元気そうなユキを見る事が出来て嬉しいぞ!」

「私も美雪と同じ気持ちですわ」


 ……照れも無く、サラっと恥ずかしい事を言う。全く、全く―――


「……俺も、美雪さんとリリナさんが元気そうで、嬉しいですよ……」


 むしろ、言葉を返す俺の方が赤面ものだっての!




◇◆◇




 なんやかんやと言っても、やっぱし憎めないこの《姉妹》。本質では、この二人って本気で嫌な事はしないからな。

 とはいえ―――


「だからなんで俺が《下着コーナー》に行かなきゃなんねぇんだっ!!!!」

「え?だって《恋人》たる者、やはり《彼女》に「こんな下着を着けてほしい」という願望が―――」

「恋人じゃねぇし!」

「むしろ婚約者―――」

「なおさら違うわっ!!」


 あぁ……ダメだこの姉妹……。俺の話を全く聞いちゃいねぇよ。

 つか思ったそばから強烈な嫌がらせだから!!



 俺が思わず「ヒマだ」とぼやいてしまったがために、連れて来られたのは電車で2駅先にある《中央センター街》の服屋。その名も《ELICE》。

 俺の幼馴染の親が経営してる店だが、覚えているだろうか?


「あっははは!相澤のツッコミレベルが上がってるし!!」

「まったく嬉しくねぇよっ!!」


 幼馴染の旗沙織は、相変わらずである。


「美雪さんメイドさんお久しぶり!」

「うむ、旗殿も元気そうでなによりだ」


 なんで言い回しが古風なんだよ美雪さん。

つか沙織、リリナさんって名前だから!本名がメイドじゃないから!!


「あ〜……沙織、悪いんだけど、美雪さん達の下着を選んでやってくれ。俺じゃ対応出来ねぇ……」

「任せて!」

「ユキ、私がいないからって迷子になるなよ?」

「ならねぇよ!!」


 俺はそこまでバカじゃねぇっ!!!!

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