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62:翌朝

 またまた連日投稿。前話の続きなので、めちゃめちゃ短いです。

 次話からは、隔日もしくは二日置きの更新に戻ります。

 昨晩、成人をとうの昔に過ぎた大人連中は酒宴に盛り上がり、いつの間にか酔いを含んだ恵さんから「恵お姉ちゃんもしくはハニーと呼べ!」という無理難題を吹っかけられ、妥協の妥協の妥協という形で、恵さんの呼び名を《恵姉》に強制された俺。

 ドライバーである両親が酒気を帯びたという事もあって、その日はお泊りになった。

 翌日は実に清々し……くなかった。なんせ雑魚寝出来る部屋が無いという理由で、マコ姉の部屋で眠ることになったから……。

 ちなみに恵姉から「ユキ、一緒にねんねしよぉ〜!!」と熱烈にお誘いされたのだが、あの人の部屋に入って良かったという思い出は皆無。なんせプロレスの雑誌やらDVDを延々と見せられた揚句、興奮した恵姉から関節技をガンガンかけられた、痛い記憶があるからな。

 んで、そこに割って入った天の声。


「ユキ、私の部屋なら静かだから私の部屋で寝るといい」


 今考えてみれば、まったく天の声じゃなかった!だってマコ姉だよ!?俺の初恋のお姉ちゃんだよ!?!?

 風呂上がりに湯気を上気させて、ほっぺがほんのりピンクに色づいてたんだよ!布団こそ別々に用意してくれたけど、寝付けたわけねぇじゃん!おかげで目の下クマできたよ!!


 とまあ、そんな理由で絶賛不眠中である。


「おはようユキ、えらく早いな……ん?目の下にクマが出来ているじゃないか、寝てないのか!?」

「……枕が変わると眠れないタイプなんで」


 さすがに「マコ姉を意識しちゃって」とは言えねぇよ。







 翌日から父も母も仕事に戻らなくてはいけないようで、朝食を有り難く頂いた後、早々に家に戻ることになった。


「じゃあねマコ姉、けい姉!」

「ユキぃ、リン〜、もう帰っちゃうのぉ!?お姉ちゃん淋しいよぉ!」

「もう少しゆっくりしていってほしかったのだが、叔父さん達の都合なら仕方あるまい」


 まあ俺としても名残惜しくはあるが、家に帰ったらやる事たくさんあるし、これ以上、ご厚意に甘えるのも気が引ける。


「バイバイ」

「今度はうちにでも遊びに来てよ、歓迎するからさ。それじゃまた正月に!!」


窓から顔を出し、叔父さん家族に手を振る。「行くぞ」という父の言葉で窓から出した顔を引っ込め、我が家一行は、住み慣れた家へと帰った。

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