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46:刺激的な二日目!?

R指定がかからない程度に、ちょいエロあります。…が、期待する程のものでもありません。なんせR指定にかからない程度ですから。

素潜り漁の結果、美雪先輩はアワビ・サザエを各10個前後。獅子神さんはイセエビ3尾とワタリガニ・イシガニを2匹づつ。魚類を任された俺は、未知(鮫)との遭遇により、断念。代わりといっては何だが、岸に戻る直前に、中々のサイズのタコを発見、そして捕獲。


「よし、後でリリナ姉様に調理してもらおう!」


ということで、一度別荘近くの岩礁帯に出来たタイド・プール(岩のくぼみに出来た海水の水溜まり)に、獲ってきたばかりの魚介類を活かしておくことに。


「相澤、なんか顔色悪いけど…大丈夫か?」

「…え、ええ。大丈夫っす!」


獅子神さんが心配してくれるのも、無理ないか…。おそらくだが、俺の顔色は真っ青だろう。水深5メートルから一気に急浮上した結果、水圧で体調を崩したようだ。吐き気はするし、頭も痛いし、体全体が怠い…。


「…よし、相澤!」

「…え?なんす…おわぁっ?」


別荘から今いる“岩礁帯”は、50メートルもない近場だが、不意に身体が“浮いた”のは、獅子神さんが俺を“お姫様抱っこ”で抱え上げたから…。

その際に俺の脇腹近くが獅子神さんの、形の良い胸に密着するという嬉しいハプニ…ゲフンゲフン!…つまり動揺。


「お?顔が真っ赤だ…大丈夫か?熱でもあるのかっ!?」

「だ、大丈夫!大丈夫だから、お、降ろして…じゃないと―――」

「貴様ぁ!ユキが弱っているのをいいことに、お姫様抱っこだと!?胸を密着させるな破廉恥ヤンキー!!」


…ほら、やっぱり。美雪先輩だっているんだし、あまり大胆過ぎる行動はご遠慮願いたい…。


「誰が破廉恥ヤンキーだコラァ!毎度毎度相澤ん家に襲撃かけるようなテメーにゃ言われたくねぇ!!」

「ユキ、離れてろ…コイツとは一度、決着をつけなきゃならん…」

「いや、無理」


だって力出ねーし。バタバタ暴れたら、岩礁帯で腰を打つ可能性大だし。

…別に獅子神さんの胸が密着してるのが嬉しいからじゃない。もう一度言うが、断じて違う!!


「ほれ、お子様は散れ散れ!」

「くっ…」

「獅子神さん…できれば降ろして…」

「相澤、年上美人のお姉さんの言う事は、素直に聞きなさい。わかったか♪」

「……はい……」


有無を言わせぬニッコリスマイルな獅子神さんは、俺を抱き上げている手に力を入れている。則ち、下手な抵抗は余計に体調を悪化させるぞ、って事らしい。











50メートル弱の道程だが、俺は島に来ている仲間から、好奇の視線を向けられ、獅子神さんの隣からは、殺気の篭った視線を送られていた。

…ああ、なんという羞恥プレイ…


その後、別荘に到着した俺は、獅子神さん・美雪先輩からの騒がしくも手厚い介護を受けた(いっそ放っておいてほしかった)ので、昼食前には体調も回復。

程なくして、リリナさん・凜を除く他のメンバーも、海から帰ってきた。


「河南んとこは、釣れたか?」

「バッチリにゃ〜♪アッキー、見せたげるにゃ!」


ほぉ、えらく自信満々だな結城は。河南は…あ、あれ?表情暗い?


「…これだ」

「ん、どれど…うおぁっ!?」

「げっ!」

「………」

「気持ち悪っ!」

「まじかよ!?」

「ほぉ…」


どれもこれもが、あまり評判の良い言葉じゃない。青バケツを前に差し出した河南の表情が曇ったのは、これが理由か……


「ウツボにゃ!」


そう、ウツボである。岩礁帯の“ギャング”でもあるウツボは、バケツの中でとぐろを巻いている。


「ウツボは美味しいにゃ!高知県じゃ普通に売ってあるに!」


へぇ、そうなんだ。朝も思ったけど、世の中ってグロい奴程、美味いものが多いんだな。


「後でリリにゃんに料理してもらうにゃん♪」

「お任せ下さい。ウツボはタタキにしていただきましょう!」


颯爽とリリにゃ…じゃなかった、リリナさん登場!相変わらず水着姿が抜群のプロポーションを際立たせてる。


「けっこう大きいのが狩れたわ」


凜も登場。コイツは普段、無表情か眉間に皺を寄せてる表情しか見せないが、今回は機嫌が良いらしい。

つか、狩ったんだ、やっぱり…。


「二人じゃ引き揚げられないので、お手伝いをお願いしたいのですが」

「大川健一、立候補します!」


健一…“何を”引き揚げるのかわかってんのか?


「おっしゃ!力仕事なら任せな!!」

「もちろん、姉様の頼みとあれば私も手伝おう!」

「俺も!」

「私も!」

「…(こくり)」

「アッキー、一緒に手伝うにゃ!」

「ああ」


多分、俺・美雪先輩・獅子神さんの三人以外は“何を”引き揚げるのか知らないだろう…見たらびっくりすんだろうな。











「うわっ!」

「デカッ!!」

「怖っ!」

「マジ!?」

「ほぉ!」

「へぇ…」

「イタチザメにゃ〜!」

「すごいな…」


全長4メートルはあろうかという大物。そして…


「こ、こいつ、海底で見た鮫だ!」


俺にぶつかったり、関心無く悠々と泳いで行った、あの鮫だ…。


「この辺りは、海洋資源にとても恵まれており、鮫は人間を襲う必要も無いのですよ。海洋資源に乏しい環境であれば、おそらくユキは……お腹の中から出てきたでしょう♪」


サラっとすげぇ事言いやがった!


「この鮫は結城様の言う通り、イタチザメ。英名をタイガーシャークと言います。なぜタイガーをイタチと呼ぶのかは存じませんが、茶色の縦縞が、由来だと思われます」

『へぇ〜』

「鮫はヒレを乾燥させたフカヒレが高級食材として知られておりますが、その身も美味しいものです」


はぁ。リリナさんって博識だな。何でも知ってるみたいだ。


「…とはいえ、こちらの鮫は“さる漁協”からの依頼によって狩ってきたものです。残念ながら、皆様のお口には入りませんが…」


へぇ、リリナさんって漁協とかにも顔が知られてんのか…あ、って事は!


「リリナさんがよく家に持って来てくれる食材って…」

「察しの通りですユキ」


なるほどね…。


「姉様は農・畜・水産の関係者からも一目置かれた存在だ。今では姉様の贔屓処ひいきどころは、“一流”だと言われている」


すげぇなリリナさん!

って事は、リリナさんが家に持って来る食材って、全て一流って事か。











さて、リリナさんを含め全員で鮫を引き揚げ、某有名テーマパークのセットみたいな感じで記念撮影。

その後、鮫はリリナさんの手によって念入りに処理され、クルーザーの特大冷蔵庫に。

昼食は予め用意されていた食材から、俺・美雪先輩・獅子神さんの獲ってきたタコ・カニ・エビ・貝に、結城達の釣ったウツボをリリナさんはテキパキと捌き、また調理してゆく。


「できました〜!」


サザエとアワビの網焼きに、イセエビは刺身、タコはリリナさんお手製ドレッシングを使ったカルパッチョ、カニは豪快にぶつ切りされて味噌汁に。そして結城の釣ったデカウツボは、丹念に骨を切り、タタキへと変貌した。


『いっただっきまーすっ!!!!』











昼食に舌鼓を打った後、リリナさんはクルーザーで“さる漁協”とやらへ。ちなみに凜も付いて行った。

残る8人はビーチサッカーやらサーフィンをやったりと日が暮れるまで遊び、日も傾きかけた頃に、リリナさんと凜も帰ってきた。


そして、前日から気合いの入っていたリリナさんお手製のお食事後、お風呂へ。前日同様に女風呂へ覗きを企てた健一は、これまた同様に河南から一撃を受けた。


しかし―――


バキャアアァァ!!


「「あ」」


お情け程度に仕切られた壁へと運悪く激突した健一のせいで、壁大破。

要するに…


「きゃあっ!」

「…!!」

「…エッチ」

「にゃあ!?破廉恥にゃっ!!!!」


女の子達の“あられもないお姿”が、湯煙越しにバッチリ見えてしまった。

当然、如月・湊・結城の同級生や凜は批判的に湯をバシャバシャ掛けられた。いや、不本意だが気持ちはわからんでもない。

しかしながら…


「む、とうとうユキに裸を見られたか…」

「アッハッハ!どうだ相澤、アタシもなかなかのもんだろ?」

「ふふ、ユキもなかなかの“モノ”をお持ちで…」


年上女性の寛容さってのは、如何なものかと思う。裸見られても堂々としてるし、むしろ俺は“モノ”を見られたという羞恥により、河南と一緒に、逃げるように風呂を後に。


そんな中、河南と一緒に健一を回収する際…


「パラダイスって、ホントにあるんだな…」


と、恍惚な表情で健一は鼻血を噴き出していた。


もちろん、俺を含む男子連中がなかなか寝付けなかったのは、言うまでもない…。

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