40:別荘到着!
またまた短めです。
我が家から車で1時間、空港から飛行機に乗り、30分ちょっとを要し、割とでかい港から船に乗って20分…………幾つもの小島が点在する中央に、美雪先輩の言う“別荘”がある無人島に到着。
さて、ここまですんなりと説明出来たのは、大まかに言ったからであり、詳しく説明するなら、空港ヘ行くまでに使ったのは、綾館家所有の白いリムジン。空港から乗ったのは、自家用セスナ…………ここまでくれば、船も当然、自家用クルーザー。
あ〜あ〜金持ちの自慢ってやつですか、はっ、これだから金持ちは嫌いだ。
「うぉぉっ!スゲー!!」
獅子神さんは純粋に驚いて、ってか嬉しそうだな。
「俺、現地の美人女性ナンパしてくる!!」
健一はバカだな。ここは“無人”島だっつったろーが。
「あの岩場つたいから投げこんだら、イシダイとか釣れそうだにゃ!」
妙に釣りに詳しいな結城は。ってか、完全に語尾が“にゃ”に定着してる…。
「皐月、たまたま俺、釣り竿持って来てるんだが」
うわぁ………恋って人をここまで変えるんだ……。
「ありがとアキちゃん!」「た、たまたまだ……」
これが、バカップルってやつか。ポーカーフェイスな河南秋斗が、顔を真っ赤にしてる。
「奏、うちらどうする?」「………美少女を観察………もちろん、舞も……」
「あ、あぁそぅ………」
如月ぃ!そこで顔を引き攣らせんな!!
「まずは冷たい飲み物が欲しいわ」
「麦茶・アイスティー・アイスコーヒー・その他の飲み物も用意してありますよ」
どこ行っても女帝様だな凜は。リリナ先輩、あまり妹を甘やかさないで。
「各々、みんな喜んでくれてなによりだが、まずは荷物を部屋に運ぼう!」
「お部屋の鍵をお渡ししておきます」
ま、正論だな。
リリナさんから鍵を受け取り、まずは急拵えで準備したバッグを部屋の片隅ヘ。別荘と言っていたはずだが、俺が想像していたよりもでかい。大浴場を完備してるらしいし、宛がわれた部屋には、きちんとベッドやらテレビやら冷蔵庫が。
なんというか、旅館のような感じだ。
ガチャ………
「ユッキーー!」
「な、なんで入ってこれた!?鍵掛けてたよな!?!?」
まさかの事態を考慮して部屋に鍵を掛けていたのに、なぜか乱入してきた美雪先輩。
「ああ、私はユキと相部屋だからな!鍵は同じものなのだ!!」
「チェンジで!」
こんな所にまで来て、不法侵入されてたまるかっ!!
「むぅ……海だぞ!普通はもっと開放的になるだろ!!」
「美雪先輩が部屋に乱入してきた時点で開放的にはならねぇよ!!」
原因はあんただよ!
「ま、冗談はさておき………」
「鍵を持ってる時点で冗談に思えねぇ………」
「早く水着に着替えてこい。みんなで遊ぼう!なんなら、私がてつだ「出てけっ!!!!」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら指をワキワキと動かすな変態!!
どうにかこうにか変態を部屋から追い出し、サーフパンツを着用。ちなみに色は黒!
あ、男の水着なんて興味ない?そりゃ失礼!