表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/102

33:開戦!

ユキ→美雪→獅子神→ユキの視点になります。内容の表現がごちゃごちゃで、読みづらいかもです(謝)。

今日の占いは最下位で、知らず知らずの内に、事件に巻き込まれるかも?…………なんて不吉な予言が的中し、囚われの身となっている俺だが、そんな不幸な出来事の中でも、それなりに“救い”のある事もある。まず一つ目。俺を縛っているものが、鉄製のチェーンではなく麻縄のような細い紐だという事。

二つ目。柱を中心に後ろ手に縄を縛ってある、という事。

そして三つ目。柱の角が腐食し、錆びてギザギザになっていた事。


これらの三つの点が、俺自身を自由にさせる。気付かれないように、微かに縛られた手首を上下に動かし、縄を削る。


「んだぁ、トイレにでも行きたくなったかぁ!?」

「ええ、まぁ………」

「悪ぃなぁ、そのまま垂れ流してくんねぇかぁ?こっちもおめぇに逃げられでもしたら、計画が台なしだかんよぉ。ギャハハッ!!」


ふぅ……なんとかバレずに済んだな。さてと、いい感じに縄が削れてきた。後はどのタイミングで縄抜けするか…………だな。




ヴーーーヴォンヴォン!!!!




「………来たなぁ!」


工場の外で、雨音を割って聞こえた爆音。その音に反応したのは、リーダーらしきスキンヘッド野郎だ。


「いいかぁお前らぁ!!」

『うおおぉぉ!!!!』


連中の数は総勢20前後。その全てが、各々に角材やら鉄パイプやらを手にしている。


ガッシャアァァンッ!!!!


窓ガラスを突き破って飛び込んできた一台のバイク。ってか、登場カッケーなぁ!!


「あん?んだぁ、かっわいぃ援軍連れてんなぁ!たしか俺らは、お前一人で来いっつたんだがなぁ?」

「あぁ゛?こいつは関係ねぇよ、ただの観客だ………テメェらが地べたに這いつくばる姿を見てえんだとよぉ!!」


バイクから降り、髪を掻き上げる仕種を見せながら、獅子神さんは威勢のいい声で、スキン野郎以下、不良連中を睨んだ。

一方で、ヘルメットを被ったままでバイクから降りてきたのは、顔こそ見えないが、同じ高校の女子指定制服に、見慣れた背格好。ああ、だいたい誰か見当はつく…………。


「ユキッ!」


メット(フルフェイス)被ってるから声が通らねぇ!!くぐもってるよ美雪先輩っ!!


「相澤、大丈夫かっ!?」

「ま、なんとか……」

「すまない、アタシのせいで………」


気にする事ないですよ、と言わんばかりに手を振った。………そう“手”を。


「なっ!?テメェ、なんで縄が!?」


驚くスキン野郎と以下不良連中。ってか、そこの獅子神さんも驚いてる。メット先輩は手をバタバタさせてるから、多分驚いてるんだろうな。


「もう少し、縛るものとか場所とかを考えた方がよかったですね?ハゲてるから、髪の毛と一緒に知能も抜けたのかな?」

「んだとテメェ!!その口すぐに塞いでやらぁっ!!お前ら、やれぇっ!!!!」


軽い挑発に簡単に乗ってくれるってのは、こちらとしてもありがたい。


「ユキ!加勢するぞ!!」

「おっしゃあ!縛るものが無ぇなら、存分に暴れてやるぜっ!!!!」


だ・か・ら!メットで声がくぐもってるよ美雪先輩。そして獅子神さん、なんか生き生きしてますね。

周りは凶器を手にしてるし、こっちの二人は素手。俺としても、素手で大勢を相手は少しキツイな。ま、手には縄もあるし、なんとかなるだろ!んじゃ、俺も暴れさせてもらおうか!!










むぅ………ヘルメットを被ってると、視界が狭まる。というより、狙いが私ではなく、ユキやヤンキー女に集中してる。

とりあえずヘルメットを脱ぐか。


「うぉっ!すっげえ美人!!」


ふふん!中々の反応だ。

ただ、腐れ不良連中に言われても、嬉しくはない。


「だめだよぉ、こんな所に来ちゃあ!ギャハハハッ!!」


っ!ユキすらまだ私の手を握っていないというのに!!………その汚い手を


「離せ下郎!!」


バキィッ!!


「ぎゃあっ!?」

「おっと、すまんすまん!」


少しやり過ぎた。メットが頭に直撃してたし。ま、これで少しくらいはまともな頭になるだろう。逆に感謝しろよ、下郎。










うぉっ!あの生意気(美雪)女、強ぇ!ってか、メットで殴られた奴、哀れだなぁ………


「よそ見してんじゃねえぞ!」

「っ、危っ!!」


あと少しで鉄パイプの餌食になるところだった。つか、威力は充分なんだろうが、いかんせん………


「的外れなんだよ!おらぁっ!!」


ドフッ!!!!


「ぐぁっ!!」


他愛無ぇなぁ!鳩尾に一撃!で、倒れやがった。さってと、こっちは闇討ちされた借りも返してぇところだし、いっちょ派手にいくぞおらぁっ!!!!










「おらぁ!!」

「っと!」

「しゃあっ!!」

「おっ!」

「死ねぇっ!!」

「ととっ!」


三人掛かりを相手にするってのは、ちとばかしキツイ。ま、不本意だが慣れてるんで大丈夫だけど。

今、俺の手持ちは俺を縛っていた“縄”だけ。とはいえ、これもけっこう使い勝手が良い。

というのも………


「まず一人〜!」


振り下ろされた角材に縄を搦め、グイッと引っ張りゃあら不思議!摩擦で角材が不良の手から離れ〜〜


「二人目〜!!」


縄でわっかを作りましょ!不良の頭に引っ掛けて〜


「ラストー!!」


鉄パイプ野郎の前にグイッと縄を引っ張れば、二人目の男が「ぐえっ!?」と言いながら足元に倒れ〜


「うわっ!?」


ドテっ!!


走り込んできたところに、いきなり障害物が出たとなりゃ、バランス崩してほら転倒!

地面がコンクリ地だから、こけたら痛い。さて、素手になった一人目の顎に蹴りを入れ、後は縄で縛るだけ。


「いっちょあがり!」

「「「きゅ〜〜」」」


おぉ!ヤラレキャラならではのボコボコにされた時に出る効果音じゃないか。

さて、とりあえず三人は片付いた。ちょっとばかし角材をお借りして、ちゃっちゃと終わらせるか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ