03:昼休み〜神出鬼没の変態さん
なんというか更新できました。次の更新未定。ぼちぼち頑張ります
「いつからそこに居たんだこの変態!!!!」
「む?いつからって、4時限が終わってからずっと後ろに居たじゃないか!」
じゃあ何だ?俺らが席をくっつけて談笑混じりに飯食ってた時、既に後ろで傍観してやがったのか!?
「だいたい、私という婚約者がいながら、他の女子生徒と仲良く昼食など……不純極まりない!!」
「誰が婚約者だ!!」
友達という関係なら考えなくもないが、いつから恋人関係すっ飛ばして婚約者になった!?これだから変態は………
「いいなぁ……俺もこんなに美人な彼女が欲しいぃぃっ!!!!」
「黙れバカ!!」
「ユキの友人はなんて素直なんだ!私はこういう反応が欲しいのだ。少しはユキも見習ったらどうだ!!」
変態はバカと意気投合してるし……類友ってやつか。…………つか、このクラスの冷ややかな反応。これだけギャーギャー騒いでんのに見向きもしねぇ。
そもそも河南も如月も湊もなんとか言え!結城は……………うん。期待はしてねぇよ。
「先輩!こんな愛想の悪い奴なんかホッとといて俺と付き合って下さい!!」
「全力で断る!!」
全力で断るんだ。あ、なんかこれ使えそうだ。
あーあ、バカ泣いて教室飛び出していきやがった。
「……つか、何しに来たんですか?」
さてと本題に入ろう。この変態は、一応《先輩》である。理由無く教室に来るなんて事は………
「決まっているだろう!我が愛する夫と食事を共にするために……」
「帰れ!!!!」
既に入籍済みの関係になってんじゃねぇかっ!!!!!!
「まったく……私は罵られるのは苦手なんだ……だが、これも愛の障害と思えば、なんの苦にもならないがなっ!!!!」
「威張るな大声だすなそしてまた俺の弁当のおかずを取るな!!」
「安心しろユキ!おかずならきちんとあるじゃないか………わ・た「全力で断る!!!!」
言わせねぇ……断固として言わせねぇ!!
「くっ!全力で断るだと!?………仕方ない、ここは一度引こう!さらばだ!!」
二度と来んな!
まぁ昼休みはこんな感じだった。二日に一度のペースでこんな感じだから、クラスメイトの反応が薄く(というか無視)なるのは当然か………
で、午後は物理の授業。数学に続き、嫌いだ。だが、まぁ……俺の好き嫌いは別にして、テストじゃ割と良い点が取れる。
なら、好きじゃないのか?いやいや、数字的な問題ばっかの教科が嫌いというわけで、嫌いだから勉強しないというわけじゃない。
と、今日はここまで。帰宅部である俺にとっちゃ、5時限授業はありがたい!
……なぜかって?家に両親がいないから、スーパーで買い物をしなくちゃいけないからだ。
だけど勘違いしないでほしい。死んじゃいない。お袋はそこそこの化粧品会社の社長で、今は海外に新店舗を出すために出張中。
親父はお役所勤務の公務員だから、現在は単身赴任で家にいない。
まぁ生活費さえ振り込んでくれりゃ、文句はないのだ。
ただ、まぁ……俺一人だけの生活というわけでもない。俺には一つ年下の妹がいる。名前は凜、相澤凜である。こいつは小柄でTHE・妹!って見た目だが、兄を兄とも思わない失礼な奴だ。ギャルゲとかならブラコンで「お兄ちゃん大好きっ!」って感じの兄ラブ!的なんだろうが(やった事がないので知らん)、俺の事を「ユキ」とか「オイ」と呼ぶ。
見た目が可愛い妹に対し、俺がシスコンにならないのは、そういった理由だからかもしれない。
無駄話が過ぎたようだから、本道に戻ろう。俺は今、徒歩で帰宅中である。幸いにも《変態さん》はいない。あれは部活やら生徒会とかで忙しいようだ。
先輩に対して(あれ)というのも失礼かもしれない。けど、実際に俺と同じ立場になってみれば、俺の気持ちもわかるってもんだ。
第一、あの《変態さん》以外の先輩には、それ相応の態度で接している。
で、家に到着。
「ただいま!」
「お帰りユキ!」
どうしてあんたが居るんだあぁぁぁあっっっ!!!!!!