表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/102

23:走り屋と暴走族の違いがわからねぇ………

短めです。

多少強引ではあるが、俺は拾ってきた女の人を家に泊める事にした。

んで、あまりに汚れてたんで風呂に入ってもらう事になり、妹が着替えやら寝床の準備をする中、俺は食事の準備に取り掛かる。

彼女が家に泊まる事が決まった瞬間、これまたきれいに聞こえたんだよ、腹が鳴る音が。


「お風呂ありがとう」

「飯、出来てますよ」


買い出しに行ったばかりなので、材料には事欠かない。口に合うかどうかは定かじゃないが、とりあえず焼き豚チャーハンとワカメスープ、それにサラダを作ってみた。


「い、いただきます!」


お口に合うといいんだが………


「………美味い!」


よかった。あ〜ホッとしたよ。

よほどお腹が空いていたらしい。チャーハンを食べる手が止まらない。

ものの数分で―――


「ごちそうさま!美味しかった!!」


完食。お粗末様でした。


「ユキ、焼き豚を入れた分、塩はもう少し抑えたほうがいいと思う。ワカメは火を通し過ぎ」


凜、お前、1時間前に飯食ったよな?


「……次から頑張ります……」

「あ、アタシはちょうどよかった!」


妹君の酷評をフォローしてくれてんだな。でも、慣れてますから……。


飯を片付けた後で、女の人から自己紹介された。

名前は獅子神紗姫ししがみ・さきといって、年は18歳だとか。地元で30人ほどの仲間で“走り屋”をやっているとか、名字がそのままチーム名になってるとか。

んで、今日は隣町のチームと乱闘したとかで、背後から木刀で殴られて、その後は袋叩きにされたらしい。あの場所にいたのは無意識のうちに、だそうだ。

ちなみにだが、現在獅子神さんは、俺のTシャツとジャージを着ている。下着は凜から借りたが、服は妹のサイズが入らなかった。

だって、身長が176ある俺とあんまし変わらないから。汚れた顔の時は気付かなかったが、輪郭は逆玉子型で、目付きは鋭い感じの“キツメ美人”だ。風呂に入った後、綺麗に櫛で梳かれた栗色のショートカットな髪型が、実によく似合っている。

Tシャツ姿だからそこまでは感じないのだが、走り屋をやってるのが勿体ないくらい、スタイルが良い。


「いや、今日は本当に助かった。まだきちんと礼も言ってなかったな。本当に、ありがとう!!」

「あ、い、いやいや!」


さっきまでの強情っ張りが嘘のようだ。素直に感謝の意を言葉にした獅子神さんに、俺のほうが慌ててしまった。











あまりに話し込んで(主に俺のお節介について)いたので、夜もだいぶ深くなってきた。

獅子神さんは妹が用意した寝床で寝るのだが、準備されたのが、妹の部屋だった。


「……ダブルベッドだから、広々安心」

「あ、アタシは寝相悪いから床で………」

「大丈夫、私のほうが寝相悪いから」


うん、理由になってねぇよ凜。とはいえ、凜は前から“お姉さん”をご所望だったから、一緒に寝たりしたいのだろう。綾館姉妹が来る時とかは、何となくご機嫌だったりするからな。


べ、別に悔しいとか、そ、そんなんじゃないんだからねっ!?


あぁ………自分で言って不毛だと気付かされた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ