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18:服を買いましょ!

短めです。

午後2時。突然お袋様が


「あなた、久々にデートしましょう!」


と、親父を連れて出て行った。

我が両親は結婚17年目でありながら、いまだにラブラブである。仲が良いのはわかるが、それを見せつけられる俺にとっちゃ、胸やけものである。


「ユキのご両親は仲が良いな」

「……帰ってくるたびに見せつけられるんすよ」

「とても良い事ですよ、羨ましいくらいです」


ま、他人はそう言うわな。俺はおろか、凜ですらたまにイラッとするけど。


「私とユキも、きっとあんな感じ………」


あー聞こえない聞こえない!











日曜だから、家に篭ってるのはいかん!どこか行くぞっ!!


てな具合の先輩に連れ出され、俺と美雪先輩とリリナ(メイド)の3人は、電車を使って市街地中央部のセンター街に来た。


「……で、何するんすか?」

「うむ、よくぞ聞いてくれたユキ!」


いや、聞かなきゃ話にならんし!


「実は姉様の事でな」

「私?」

「うむ。姉様は侍従服と制服しか持ってないからな。この際、色々と服を買い揃えたい!」


あ〜………ま、まぁわからなくもない。実際、今もメイド服(黒地に白フリ)姿だから、人目を引く引く!!絶賛注目の的だ。


「え?でも、私はこの方が落ち着くのですが……」

「姉様、その姿で街を歩いているのは、メイド喫茶の従業員とコスプレ好きな人くらいですよ」


あ、美雪先輩がまともな事言ってる!


「ね、姉様はきっと色んな格好をしても似合うはずだし、それに、お、お揃いの服とかを来て、一緒に遊んだりし、したい!!」

「……美雪……」


端から見れば、なんと美しい姉妹愛………なんだろうが、俺が来た(連れて来られた)意味なくね!?完全に蚊帳の外っぽくね!?


「わかった!美雪の言う通りね。私も、二人でお買い物したり、遊んだりしたい……」

「姉様……」

「美雪……」


帰ろっかな………


「んじゃ、俺はそろそ「そこでユキの出番だ!!」



どうやら、帰らせてはくれないらしい……。


「ユキ、私と姉様の服を見立ててくれないか?」

「……はぁ!?」

「見ての通り、私も普段から着るような服はコレくらいのものだ。そこで、ユキの好きそうな服とか、私達に似合いそうな服を選んでほしい!」


遅ればせな説明だが、美雪先輩の格好は制服姿だ。紺地に白線の、苓桜高校女子指定制服。

もっとも、美雪先輩の私服姿とか見た事はないが。

だからといって、俺が女の子の服を選ぶというのは、どうかと思う。


「なに、ユキが似合うと思った服で良いんだ!深く考える必要なんてない」

「私も、ユキに選んでほしいです」


そこまで言われたら……ねぇ。断る理由も無い。

なら、精一杯選んでみますか………。











「あり?相澤じゃん!何やってんの?」

「うおっ!?なんでお前がここにいんだよ!!」


再会っつーのは、突然にやって来るもんだ。けど、今回ばかりは………この再会を嬉しくは思えなかった―――

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