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14:明日?予定があります

変態姉妹はさておけ…………ない。


「ドキドキ密着作戦が失敗した!!」

「まぁ!ならば新しく対策を立てねばいけませんね……」


おい。だだ漏れだ。


「あ、ユキ様。夕食の方は勝手ながら準備出来ております」

「え?何から何まですみません!」

「……美味しかった」


もう食ったのかマイ・シスター!あれほど俺には「ご飯というのはみんなで食べた方が美味しい」とか言ってたくせに。


「さて………では美雪様、私達もそろそろ帰りましょうか」

「えぇ〜!?」


お、今日はリリナ(メイド)さんが俺の味方に!?


「さすがに使用人達を家に待たせてばかりではいけませんよ………それに、当人の前で明日以降の作戦を練るのは上策ではございません」


余計な一言さえ無けりゃなぁ………


「む、確かに。仕方ない、ではユキ!また明日!!」

「いや、明日は……」


予定が………という前に、さっさと帰りやがった。つかいつ居たんだ白ベンツっ!!











疲れを湯舟で霧散させ、部屋着に着替えてリリナさんの作った夕食を食う(カキフライ・エビフライ・シーザーサラダ・コンソメスープ)。美味い!実に美味い!!が、こんな材料を勝った覚えも無い……。

後から聞いた話だが、わざわざ白ベンツの運転手に運ばせたらしい。

ヘッ……金持ちはやる事が違うな(厭味)。




さて、飯を食い終わるまでの間、我がシスター様はテレビをご観賞なさっていたが、おもむろに立ち上がり、俺の対面に座り直す。この場合、あんまり良い報告ではないのだが、今回ばかりはどうも違うようだ。


「ねぇユキ、リリナさんって良い人よね……」

「なんだ突然?」

「……ユキと美雪お姉様をデートヘ連れ出したのは、リリナさんの計画よ。それに、私と二人っきりになって色々と相談されたわ」


リリナさんの計画というのは、わからなくもない。あの人は先輩の軍師だからな。……ただ、凜と二人っきりで相談というのが、どうも引っ掛かる……。


「私はユキの妹としての立場……リリナさんだって、お姉様と血は繋がっていなくても“姉妹”なんだもの。妹である美雪お姉様との接し方とか、呼び方とか、色々と相談されたの」

「……成る程。で、何て答えたんだ?」

「な〜んにも」


は?


「………しいて言うなら、練習した」

「何を?」

「呼び方。やっぱり姉妹なら“様”を付けるのはどうかと思ったし」


まぁ、それは同感だが。


「で、私をお姉様に見立てて、呼び捨ての練習をしたくらい。まず、それだけを改善すれば言葉遣いも接し方も、自然と変化するだろうと思ったし……」


一理ある。呼び捨ての後に敬語を使うっていうのは、見た事も聞いた事も無いしな……。


「あれだけ妹想いなんだから、応援したくなったの……」

「そうだな」

「あ、ちなみに相談に乗ったんだから、見返りとして昼食と夕食は最上級の食材を取り寄せて、作ってもらったの。……お昼の伊勢海老のグリルはとっても美味しかったわ。私は冗談のつもりで言ったんだけど…………ねぇ?」


我が家に鬼が居た。可愛い容姿で近付き、容赦ない見返りを求める鬼が……。

この時ばかりは、本当に妹に恐怖したね、マジで。











飯食って、食器を洗って、自室に篭る………というより、寝る準備だ。明日は妹も友人達(部活仲間)と一緒に空手の稽古があるし、俺も先輩より優先すべき用事がある。

そんなわけで、多少の時間を潰した後、俺はベッドに潜り込んだ……。

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