11:デートをしましょ!マイ・ダーリン♪〜前〜
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「ご馳走様でした!」
「うむ、美味かった!」
「堪能しました」
「お粗末様です」
どうして我が家の食材を、こんなにも上手に、かつ最大限の美味に仕上げるのだろう。
我が妹ですら「堪能しました」と、俺には絶対言わない称賛の言葉を口にするほど、リリナさんの作った朝食は美味でした。
「さて、ユキには特別デザ「いらん!!」
「では美雪様の代わりに私がデザ「もっといらん!!!!」
やべぇ………リリナさんまで変態化してきてる。
「朝からお盛んね、変態ユキ」
「俺は何もしてねぇぇぇえ!!!!」
チキショー!!この家には俺の味方がいねぇ!!!!
◆
「………で、なんでスーパーマーケットなんだ!!」
「知るか!つかなんで居る!?頼んだ覚えはねぇ!!」
スーパーである。我がシスター様が成長期であるかどうかは知らんが、我が家の最近の食材消費がはんぱなく早い。なので買い物に来ているのだが、先輩までいる。全く必要ないのに………。
「普通デートといえば遊園地とか水族館とかだろう!!」
「デートしてるつもりはねぇよ!!!!」
「何ぃ!?普通、赤の他人……まして年頃の男女が二人っきりならデートしかないだろう!!!!」
「勝手に付いて来たくせにデートなわけねぇだろうがあ!!!!」
もうやだ……誰かこの勘違い・妄想・変態と三拍子揃った女をどうにかしてくれぇぇぇえ!!!!!!!!!!!!
「……ん?待てよ………この所帯じみた感じは、もはや恋人を超えて夫婦じゃないか!!」
もうツッコミが追い付かねぇ………
◆
「ふんふーん♪ふふーんふん♪」
「……………」
特売日だったというのに、コイツのせいであんまし戦果を挙げられなかった。
人の波には飲まれるし、わけのわからん食材をカゴにぶち込むし、ちょっと離れりゃすぐ騒ぐし………。ほっときゃいいんだろうが、いかんせん顔見知りという立場である。
あれこれと世話を焼いてしまうのは、我ながら苦笑の一語に尽きる。
「ふふん♪ふーん♪ふふーん♪」
「……ご機嫌っすね」
こっちは目当ての牛ロース切り落とし(グラム80円)が買えなかったっつーのに……
「当たり前だ!ユキと二人っきりなら、たとえスーパーでも式場と同等!!」
式場って………
「結局、デートというのは好きな相手と時間を共にする事だった。場所なんて関係ないんだとな!それに……」
「それに……」
「なんだかんだといっても、ユキは私の傍にいてくれる。たとえそこに恋愛感情はなくても………だ。小さな事だと思うだろうが、私にはそれが嬉しいんだ」
照れは無い。だが、真っすぐに俺を見つめる先輩の言葉は、俺の心臓を高鳴らせるには充分だった。もちろん、そんな事なんて絶対口にはしないけど………
◇
「ただいま」
「お帰りなさいませ、美雪様、ユキ様!」
「なんでまだ居る!?」
帰宅早々に出迎えてくれたメイド(リリナ)。俺の言葉に「何言ってんの?」的な顔すんな!!
「侍従たる者として、姉として、主を、妹を出迎えるのは当然じゃないですか!!」
「……だってよ先輩」
「……うん。ただいま、姉さん!!」
仲睦まじい光景である。実にほほえましいのだが、せめて自分ん家でやれよ。
さて、帰宅したんだが、昼までにはまだ時間がある。何すっかなぁ……
「ユキ、せっかくの二人っきりだ!ナニしよう!!」
「ナニって言うなそして脱ぐな密着するな!!」
この色魔め!
「つか二人っきりじゃねーし!下の部屋に妹とメイド居るし!!」
「むぅ……ヒマだヒマだヒマだ!!!!」
「うっさい!!」
ヒマなら帰れ!さっき高鳴った胸のトキメキ返せ!!
コンコン!
「どぞ〜」
「失礼します。ユキ様、お昼は私にお任せいただけないでしょうか?」
「昼飯?いいよいいよ、さすがに朝飯作ってもらったうえに、昼飯まで作ってもらうのは……」
一応先輩とメイドは客人だしな。
「ああ、いえいえ。ユキ様と美雪様の昼食を作る気など毛頭ございません」
「「は?」」
さすがに先輩とハモったな。つか毛頭無いってなんだ。
「ですから、凜様はご自宅で昼食を食べたいそうですので、私が作ります。お二方はせっかくの休日ですので、デートでもしてきたら如何でしょう?」
「「デート?」」
「ええ」
デート………つってもなぁ、付き合ってもいないし、別に行く気も………
「これからデート……これからデート……デート………」
あ、嫌な予感。ここは一先ず退さ……ガシッ!!
「さあ行こうマイ・ダーリン♪」
やっぱこうなるかあぁぁあっ!!!!!!