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(第2章完結!)女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで異世界を成り上がる  作者: エルティ
第2章 女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで英雄になる
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第34話 王都エイガーに到着! マジョの家族って、やっぱマジョの家族だよな

 ページを開いていただきありがとうございます。


 「女神ガチャに外れた俺が、運だけで異世界を成り上がる」第34話です。


 今回は、王都エイガーに初めて入ったラック一行が、マジョの実家であるマジョリティ公爵家にお邪魔します。


 強烈なマジョの両親、そしてかわいいマジョの弟が出てきます。


 また、ロッキーロード伯爵家の問題についても話題に上がります。


 どうぞ、お読みください。よろしくお願いします。

 俺たちは王都エイガーに向かって馬車を揺らしながら進んでいた。


 秋から冬に変わろうとする季節は、北に進めば進むほど深くなっていく。


 「王都はもう結構寒いんじゃないのか?」


 俺がそう言うと、マジョは頷いた。


 「そうだねぇ。ずいぶん寒くなっているんじゃないかい。戦争の影響で魔族の技術が入りづらくなっているから、豊かな王都民も寒い思いをしているはずだよ」


 プリンは、気になる様子でこっちを見ている。


 「あのさあ、占い師とヴェネッツのアークラーツ伯爵家を調べるのは分かるんだけど、それだけじゃ多分ロッキーロード家の借金問題は解決しないよね? 不正を見つけて告発するとか?」


 「まあ、それも不可能じゃあないが、ゲッケはともかくアークラーツ家を正面から告発するのは簡単じゃあないだろうねぇ。せいぜい、うまくいったとして不正の証拠を突きつけて、借金をなしにさせるぐらいだろう。まあ、うまくいけば、の話だがねぇ。うちの両親にも相談してみようじゃないか」


 「マジョの言う通りだな。これは簡単じゃないから、とりあえずはエイガーのマジョん家行こうぜ」


 やがて王都エイガーが見えてきた。当然ながら王都は厳重な警戒ぶりで、屈強な門番が常に門を守っているようだ。


 「その馬車止まれ! 何者だ」


 「おい、マジョ頼んだぞ」


 「フフッ。大丈夫だよ」


 そう言うとマジョは馬車を降りた。


 「どうも。私はマジョリティ公爵家のマジョと申します。研究のため各地を転々としていましたが、今日は実家に帰ってきた次第です。一緒に乗っているのは研究仲間です」


 まあ、研究仲間ってのは間違ってないな。ていうか俺は実験台だけど。


 それにしても、マジョっていざとなったらちゃんと話ができるんだな。いつものマッドサイエンティストな話し方が消えてるし。


 「何と、マジョリティ公爵家のお嬢様ですか。どうぞお入りください」


 マジョが身分を明かすと、簡単に王都に入ることができた。


 マジョが得意げな表情で馬車に戻ってくる。


 「どうだい? 簡単だろう」


 「お前、ていうかお前ん家ってやっぱすげーんだな」


 「公爵家って、大貴族ってことよね。マジョと普段接してるとそんなの全然感じないけど」


 「大貴族? めし腹一杯食いたいだぁ~」


 それにしても、窓から見えてくる王都エイガーの景色はすごいの一言だった。


 ヴェネッツほど高い建物があるわけでもなく、派手な電飾があるわけでもない。


 だけど、立派、とういうか豪華絢爛なな建物がずっと続いていて、人の通りもヴェネッツより多い。


 歩いている人の身なりも、上品というか、ヴェネッツとはだいぶ着てる服が違う。やっぱり貴族とか上流階級が多いんだろうな。


 今進んでいるのは住宅街って感じの場所だけど、奥を見ると王城が見える。


 あれが勇者を呼んで、魔王を倒そうとしている王がいる場所か。


 馬車はどんどん王都の奥に進んでいく。また門があった。さっきよりも強そうな門番が立っている。


 しかし、さっきと同じようにマジョは顔パスだった。


 そして、王城のすぐ近くに来たときに、その建物はあった。


 「ここが私の実家だよ。さあ、行こうか」


 「お、おい。これが、お前の実家だっていうのかよ」


 目の前には、とんでもなくでかい建物が建っている。


 それも、ただの建物じゃない。どう見ても、半分以上が工場というか研究所みたいな見た目をしている。

 煙突もあれば、でかい機械? みたいなものも見える。この世界の中じゃ相当近代的な建物のはずだ。


 「おいおい、お前ん家何やってんだ? どう見ても怪しい人体実験なんかやってそうなとこじゃねーか」


 俺がそう言うと、マジョは大笑いした。


 「はーっはっはっは! 人体実験かい。当たらずとも遠からずと言ったところだが、これはただの魔法の研究施設だよ。魔法の、ね」


 プリンもかなりドン引きしている。


 「えっと、マジョのお父さんって公爵なんだよね? 仕事は何をしているの?」


 「仕事かい。うちの父は筆頭宮廷魔術師をしているよ。母は神聖魔法協会の会長だねぇ。だが、そんな雑事に2人とも興味がないのさ」


 「筆頭宮廷魔術師と神聖魔法協会会長って、多分めちゃくちゃ偉いだろ。それを雑事って言うのかよ」


 「ああ。そんなものは彼らにとっては片手間だよ。本来の生業は魔法の研究、創造なのさ。さ、入ったらどうだい」


 マジョに言われるがままに俺たちはでかい研究所みたいな家に入っていった。


 「お帰りなさいませ、マジョ様」


 玄関の先にはメイドと執事、護衛が並んでいる。おいおい、何人いんだよ。


 「やあ、久しぶりだねぇ。父上と母上はどこだい?」


 「はい。公爵様は現在研究所にこもっていらっしゃいますが、マジョ様が帰られたらこちらにいらっしゃるとのことです。奥様は神聖魔法協会の会合を会議室でなさっていますが、中断してこちらにいらっしゃるそうです」


 いかにも優秀そうな老執事はすらすらと述べた。


 「なるほど。では応接間で待てばいいかな? シーツ」


 「は。では、皆さんをご案内いたします」


 俺たちはメイド達が頭を下げている中を歩いて行った。


 1人、護衛と思われる屈強な男が、ブルブル震えている。鎧が揺れてカチャカチャ音を立てているからすぐに分かった。


 「心配しなくても、君で実験はしないよ、ゴール。新しい実験台を見つけたからねぇ」


 それを聞いたゴールと呼ばれた護衛は、ブルブルが収まらなくなり膝から地面に落ちた。ものすごい冷や汗をかいている。


 そういえば、以前は護衛に妨害魔法をかけて実験してたって言ってたな。確か、1時間ぐらい動けなかったって。かわいそうすぎるだろ。


 「シーツは代々我が家に仕えている一族でねぇ、非常に優秀なんだよ。お父様やお母様が全く興味がないから、我が家の領地経営なんかは全て彼が取り仕切っているのさ。まあ、優秀すぎてこれまで何度も横領をしてきたんだが、そのたびに父や母にこっぴどく実験材料にされてねぇ。今は心を入れ替えて、一生懸命働いているよ」


 「それって命があっただけましってことじゃねーか。みんな逃げ出さないのか?」


 マジョは楽しげに笑う。


 「まさか。ここでは他家の倍の給料を出しているからねぇ。皆優秀だし、出て行く者などいないのさ」


 そんな話をしていると、とてつもない広さの応接間に着いた。


 促されて俺たちは座った。


 すると、奥の扉が開く。


 「いやあ。久しぶりだねマジョ。婿殿を連れてきたというのは本当かい?」


 「元気そうねマジョ。あらあら、そちらが、あなたのパーティー? 婿殿はどなた?」


 入ってきた2人は、明らかに普通の貴族(って言ってもあんま知らんけど)の姿とはかけ離れた様子だった。


 マジョのお父さんは床まである長い白衣を着て、頭は爆発したのかというくらいチリチリの、現代で言うアフロの髪型だ。マジョと同じく変な、○と△の眼鏡をかけている。見た目は40代といった感じだけど、どう見ても浮世離れした科学者といった見た目だ。ただ、顔はさすがにマジョの父親といった感じで、キリッとしてかっこいい。


 マジョのお母さんはスタイリッシュな服装をしているが、色使いといいたたずまいといい明らかに普通の人じゃない。カラフルな白衣? をまとっている。やはり、マジョと同じ変な○と△の眼鏡をしている。そして、ものすごい美人だ。マジョと同じく、赤黒い髪の色をしている。


 ん? 婿殿を連れてきた? どういうことだ?


 「フフッ。お父様、お母様、気が早いさ。今は、最も興味深い存在だ、と言ったはずだよ。彼がマウスちゃん、いや名前はラック。私の大事な実験台だよ。実験台になる代わりに、マウスちゃんがこの世界で望むものは全て私が実現すると約束しているんだ」


 マジョがそう言うと、マジョの両親は一瞬で一気に俺の前まで来て、俺の手をつかんだ。


 え、ワープかなんかかこれ? 怖いんだけど。


 「どうも、マジョの父のアインです。いやあ、マウスちゃん、うちの娘がとーってもお世話になっているねぇ」


 「私が母のキュリーです。ああ、うちの娘が男の子に興味を持つなんて、何てうれしいの? 魔法にしか興味なかったのにね。ママも、マジョくらいの年齢のころは魔法にしか興味がなくて男なんて眼中になかったけど、パパに出会って変わったのよね。ねー」


 「ねー」


 えっと、何て言うか変わってるけど、何だかんだ仲は良さそうだな。


 「フフッ。のろけはそれくらいにしてもらおうか」


 「ちょっと、婿殿ってどういうこと? なんか、ラックってあちこちで婚約してない? サイテー」


 プリンが俺を軽蔑の目で見ている。


 「おいプリンちょっと待てよ。俺は、そんな約束なんてしてないからな。プリンのことも大事だって思っているから」


 「うわ。そんな色んな女に移り気なサイテー主人公みたいなこと言うんだ。サイテー」


 「ちょっと待てって。違うって」


 俺があたふたしている横でも、マジョは実に楽しげだった。この状況を楽しんでないかお前?


 「ところで、相談していた件だがねぇ、率直に言ってどうなんだい?」


 「相談?」


 「ああ、言っていなかったねぇ。うちの両親は魔族と共同開発で携帯式の魔法電話を開発したのさ。まだ試作段階の時に戦争が始まって開発は中断したけれども、試作品を私と両親、それに弟が使っているんだよ。だから、起こったことはその都度報告しているのさ」


 「携帯式魔法電話? それって」


 俺はプリンの方を見た。


 「そう、だよね?」


 つまり、現代のスマホと一緒じゃねーか。この中世くらいの文明で何てもんを開発してんだこの人達は。


 ん?


 てか、弟、って言った?


 すると、奥の扉から男の子が入ってきた。


 「お姉様、お久しぶりです!」


 そしてそのまま、マジョに抱きついた。


 「久しぶりだねぇ、シュタイン。元気にしてたかい?」


 「はい!」


 シュタイン、という名前の少年は、見るからに賢そうな顔立ちだ。


 服装も通常の貴族っぽいもので、変な眼鏡もかけていない。


 俺らで言ったらまだ中学生くらいだろうか。


 「おいおい、マジョお前弟いたのかよ。聞いたことなかったぞ」


 「いやぁ、別に聞かれもしなかったからねぇ。かわいい弟だよ、よろしく頼む」


 シュタイン君はこっちをくるっと向いた。


 「皆さんが姉さんのパーティーメンバーの方ですね。いつも姉がお世話になります」


 「すごいいい子だね。かわいいし。いいなー私も弟がほしかったなー」


 プリンが心底うらやましそうに見ている。確かに、シュタイン君はかわいいな。


 「あのー、姉さんの実験台ってどなたですか?」


 「ああ、婿殿かい? この方だよ」


 と、アインさんが俺を指さす。


 「ちょっと、俺は婿なんかじゃ……」


 すると、シュタイン君の目が怪しく光った。


 「へぇ、あなたが……。婿殿? 姉さんは渡しませんよ!」


 おいおい、こんなかわいい見た目して重度のシスコンじゃねぇか。やっぱシュタイン君も普通じゃねーじゃん。


 「フフッ。いいかいシュタイン。君にとって姉は私だけだ。後でゆっくりかわいがってあげるから、部屋に帰っていい子にしておくんだよ」


 「ほんとですか姉様? わかりました!」


 そう言うと、俺の方を向いてべーとした後にシュタイン君は自分の部屋に帰っていった。


 「あーあ。シュタイン君に嫌われちゃったね」


 プリンがいたずらっぽく、楽しげにそう言う。


 うーん、他の家族には異常なくらい気に入られたんだけどな。なんでだろ。


 てかこの家族って揃いも揃って変人だらけだな。やっぱマジョの家族はマジョの家族、ってことか。

 最後まで読んでいただきありがとうございました。


 第34話「王都エイガーに到着! マジョの家族って、やっぱマジョの家族だよな」でした。いかがだったでしょうか。


 マジョの両親は前から登場させたかった人物の1人(2人?)です。マジョと同じく研究しか頭にない非常に独特な人たちですが、心の中では魔族との戦争に走った王国の行く末を憂いている常識人です。


 また、当初の構想にはありませんでしたが、マジョの弟を登場させました。かわいいシスコンを書いてみたかっただけですが、シュタイン君がいるため跡継ぎは彼で、その分マジョは自由に動けるようにということです。これは、ロッキーロード家でも同じことが言えます。マジョもミッキーも当初は一人っ子の予定でしたが、いろいろあってこうなりました。


 次回は、潜入調査を経て、借金の根本的な解決のためラック達が動き出します。果たして借金解消のためラックが思いついた起死回生の策とは?


 次回は次週となります。お楽しみに。

 

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