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(第2章完結!)女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで異世界を成り上がる  作者: エルティ
第2章 女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで英雄になる
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第27話 コンブーメ討伐戦! マーコちゃん、ちょっと黙ってて!

 翌朝、ホテルの前に俺たちは集合した。


 いや、マジでいろいろありすぎて眠れなかったわ。


 でも、今日はそんなこと言ってられない。コンブーメ倒すんだからな。


 「さあ、景気づけに朝ご飯を食べに行くわよ!」


 マーコちゃんの号令で、俺たちは冒険者の酒場に移動した。


 朝飯を食べ終わった後、俺はみんなに作戦を説明した。


 「いよいよこの後コンブーメの討伐に向かう。作戦を言うから、よく聞いてくれ。まず、パワーは『ためる』を使って、コンブーメを水面ごと叩いてくれ」


 「まかせるだぁ! おらのパワーを見せるだぁ」


 パワーはそう言いながら、マーコちゃんの方を向いてる。


 多分、いいとこ見せたいんだな。


 「パワーが水面を叩いたら、パワーに触手が向かうだろうから、そこでマジョは最強の妨害魔法をかけてコンブーメの動きを止めてくれ。ファンはパワーのそばにいて、パワーに向かってきた触手をなぎ払ってくれ」


 マジョは余裕の表情だ。


 「フフッ。マウスちゃんにそう言われたなら、本気を出さないとねぇ。任せたまえよ」


 ファンも、気合いに満ちた表情だ。


 「わかりました。パワーと、マーコ様は僕が守ります!」


 「よし。俺はパワーが注意を引いた隙に、水に潜ってコンブーメの本体を叩く。多分、俺は何度も行かなきゃ行けないし、本当に嫌だけどコンブーメの攻撃でヌルヌルまみれになってしまうはずだ。そんなときに、プリンは俺に最強の支援魔法をかけてくれ。やばいときは『あっち』も頼む」


 プリンは、覚悟と思いが混じった表情だ。


 「わかった。クエスト達成のため、そしてラックの安全のためなら何でもできることするから」


 俺の安全のため、か。いいこと言ってくれんじゃん。


 「最後に、ジーヤとガードは、マーコちゃんに万が一がないよう守っていてくれ。ジーヤは魔法での後方支援も頼む。マーコちゃんは下がっててね」


 すると、マーコちゃんが明らかに怒っている。


 「ちょっと! このクエストはラック達と私たちの競争のはずよ? ラック達がメインだから指示されるのは受け入れるわ。でも、私の役割がないじゃない。ありえないわよ!」


 しまった。マーコちゃんだけレベルが低いから、守ってもらうことしか考えてなかったわ。


 えーっと、どうしよう。


 「フフッ。マーコちゃん、君はこのクエストのいわば秘密兵器なのだよ。私たちが戦ってコンブーメが弱ったら、そこが君の出番だ。最強のファイアボールをお見舞いしたまえ。だから、最後まで魔力は取っておくんだよ、いいかい?」


 すると、マーコちゃんの目がキラキラ輝いている。


 「やっぱりマジョは私のことを分かっているわね。私は最後の秘密兵器ってことね。分かったわ。その役目、やってあげる」


 うーん、マジョって超変人だけど、こういう子の扱いは本当にうまいんだよな。ありがたいわ。


 「よし、確認はできたな。じゃあ、アイテムを補充して向かおうか」


 「おう!」


 全員の声がこだました。最初はどうなるかと思ったけど、案外いい討伐メンバーじゃないか?




 アイテムの買い出しを終え、俺たちはコンブーメ達の生息する運河の合流地点に来た。


 相変わらず、コンブーメが大繁殖している。


 これは、俺たちが討伐して食ってやらねーとな。


 「じゃあ、配置について。行くぞ!」


 俺の声を合図に、全員が予定の配置についた。


 まず、パワーは運河の少し手前で、「ためる」を使って力をためている。


 パワーの横には、パワーのライバルことファンが剣と盾を構えている。


 その後ろでは、マジョがいつでも妨害魔法が放てるように構えている。


 その更に後方に、ジーヤとガードがマーコちゃんを守っている。


 頼むから、マーコちゃんを前に出さないでくれよ。下手すると死んじゃうからな。


 運河の反対側には、俺が隙を見ていつでも飛び込めるよう、両手にメタルの短剣を構えている。


 俺の後ろにはふわふわのかわいい防具を着たプリンがいる。


 「おらの『ためる』がたまっただぁ!」


 「行け、パワー!」


 俺の言葉を合図に、パワーが水面に近づき、メタルのこん棒を振り下ろす。


 すると、それを察知したコンブーメ達が、パワーに殺到する。


 「マジョ、頼むぞ! ファンも、触手を切ってパワーを助けてくれ!」


 「フフッ」


 そう言うと、マジョが本気の、今まで俺が受けたことがないような妨害魔法を放ち始めた。


 「オールダウン」「オールフリーズ」「オールウィーク」「オールポイズン」


 桁違いの魔力で即座に無詠唱で放たれた妨害魔法が、コンブーメの触手達をつつむ。


 するとたちまち、触手の動きが極端に鈍くなり、水の中に戻ろうとする。


 「いけ! パワー」


 パワーがこん棒を振り下ろすと、弱った触手もろとも水面を叩いた。


 ドン!


 すると、ものすごい水柱が上がる。


 パワーの本気の一撃を水圧ごと浴びた触手達が消え去っていく。


 やっぱコイツの一撃はすげーわ。


 当然全員水浸しになるが、気にしても仕方がない。


 「パワー、気にせず続けろ! お前の攻撃が確実にコンブーメに効いてるぞ」


 「まかせるだぁ!」


 水面の衝撃を受けて、触手がパワーを目がけてさっきの倍以上出てくる。


 「フフッ。実験台になってもらうよ」


 それを見逃さず、マジョが妨害魔法を一気に放つ。


 パワーが、動きの弱った触手達を水面ごと叩く。


 ドン!


 水面ごと、触手達のほとんどが消滅した。


 しかし、一部の生き残った触手がパワーを捉えようとする。


 パワーは今回の作戦の要だ。触手まみれになってもらっちゃ困る。


 「頼んだぞファン!」


 「任せてください」


 そう言うと、ファンはパワーの前に立ち、近づいてきた触手を切り払う。


 「よし、じゃあ俺も行くぞ。プリン頼む」


 「わかった。頑張ってね。『オールサポート』」


 プリンのオールサポートは強力で、運以外低すぎる俺のステータスに明らかにバフがかかった。


 それを確かめて、俺は水の中に入る。


 水の中では、次の触手達がパワー目がけて伸びているのが見える。


 こっちには気づいてないな。よし。


 広い合流地点の底、3メートルぐらいの深さに潜ると、コンブーメの本体と思われる根っこが見えてきた。


 中央に一本、両壁際に2本。合計三本を切れば、足場がなくなって浮き上がり流れていくはずだ。


 俺は一度水面に上がり、大きく息を吸って再び水に入った。


 狙うは、左側の壁際の根っこだ。


 近づくと、気づいた触手達がこっちに向かってくる。


 その瞬間だった。


 ドン!


 パワーの攻撃が水面を打った。


 ものすごい波が起こり、俺は体勢を崩した。


 しかし、触手達は衝撃の方に向かっていった。助かったぜ。


 俺は意を決して根っこに近づき、メタルの短剣を振り回す。


 「クリティカル 20ダメージ クリティカル 20ダメージ クリティカル 20ダメージ クリティカル 20ダメージ クリティカル 20ダメージ」


 プリンのバフのお陰で、5ダメージから10ダメージに成長した俺のクリティカルダメージは2倍になった。


 息が切れそうだ。水面に向かって上がろうとする。


 「ぷはっ!」


 息がギリギリだった。


 100ダメージ与えたけど、いくら与えれば倒せるのか分からない。


 根っこは半分近くがちぎれていたな。


 「マウスちゃん、どうだい? いけそうかい」


 息を整えている俺にマジョが聞いてくる。


 「ああ、プリンのバフのお陰でクリティカルダメージが倍になったからな。お前も俺にバフをくれよ」


 すると、マジョはにやぁ、と笑う。


 「いいのかい。バフ付きの妨害魔法は超強力だよ」


 「このままじゃらちがあかない。一瞬でいいから強いの頼む」


 「バフポイズンマスター」


 マジョが呪文を唱えると、ものすごい力が湧いてくるのが分かる。


 同時に、ものすごい勢いでHPが減っている。いってえわ!


 俺は潜り、さっきの根っこに近づく。体中痛すぎるが、泳ぐ速度が段違いだ。


 あっという間に根っこまでたどり着き、俺は力を振り絞って短剣を振り回した。


 「クリティカル 50ダメージ クリティカル 50ダメージ クリティカル 50ダメージ クリティカル 50ダメージ」


 その瞬間、マジョの魔法の効果が切れた。体感5秒ほどだろうか。


 すると、コンブーメの根っこは完全にちぎれ、力なく水中を漂いだした。


 よし、コンブーメ(左)を倒したぞ!


 俺は急いで水面に戻ろうとする。


 すると、残りのコンブーメの触手が一斉に俺を攻撃し始めた。


 気づかれたか。まあしゃーないわ。


 そう思いながら俺は短剣を振り回すが、いかんせん数が多すぎる。


 水面について息をした瞬間、全身にコンブーメが絡みついた。


 「はぁっ。きもちわりぃ~。おーい助けてくれ!」


 「マウスちゃん、これで大丈夫だよ」


 「ラック、これで大丈夫だからね」


 マジョとプリンが同時に魔法を放つ。


 一瞬前にものすごい数の妨害魔法が俺の体をつつんだ。


 「ギヤー! 死ぬ! 死ぬぅ!」


 マジで溺れるって!


 その直後に、プリンの回復魔法がかかる。マジョの毒で半分近くなくなっていたHPが回復する。


 その時、妨害魔法が切れるとともに、俺の体にまとわりついていた触手が動かなくなる。


 俺は何とか岸に上がり、ヌルヌルまみれになって倒れ込む。


 「ラック、大丈夫? 怪我はない?」


 プリンが顔をのぞかせて心配してくれている。


 「大丈夫……。触手がキモいだけ……」


 「そっか。なら大丈夫だね。次も頑張ってね、汚れ役」


 笑顔で残酷なことを告げるプリン。


 誰の影響でこんなこと言うようになったんだ?


 俺がヌルヌルを取っている間、パワーは休まず水面を攻撃し続け、マジョも休まず高レベルな妨害魔法を打ち続けていた。


 俺も、ゆっくりはしてられない。


 「プリン、もう水に入るわ。バフを頼む」


 「うん。頑張って。『オールサポート』」


 支援魔法を受けて、水の中に入ろうとしたその時だった。


 「ちょっとラック! 私の出番はまだなの? 待ちくたびれたじゃない。敵も弱ってるから、前に出て私の必殺の魔法を打つわよ。ジーヤ、ガード、前に出なさい!」


 ちょっと! 何言ってんの。 


 ちょうど今攻略うまくいってるんだから、ちょっと黙っててくんないかなマーコちゃん。


 マーコちゃんが言葉を発したことで、パワーとファンの意識がマーコちゃんに行ってしまった。


 まずい。


 このままじゃ、今までの連携が崩れて負けてしまう。


 「わかった。マーコちゃん少し前に出て、魔法でコンブーメの触手を攻撃してくれ。ただし、絶対にジーヤとガードの前に出るんじゃないぞ。ジーヤとガードはマーコちゃんを必ず守るんだ」


 マーコちゃんは満足そうだ。


 「やっと私の力が分かったようね、ラック。私の必殺魔法でコンブーメなんて一撃よ」


 マーコちゃんが満足したことを確認して、俺はパワーとファンに指示を出した。


 「パワー、ファン! マーコちゃんにいいとこ見せたいなら、そっち見てる場合じゃないぞ! 前を向いてさっきと同じように敵を倒すんだ!」


 「分かっただぁ! おら、マーコちゃんにいいところ見せるだぁ!」


 「負けませんよ、パワーさん。マーコ様最推しは私だけです!」

 

 2人が前を向いたのを確認して、再び俺は水の中に入った。


 残る根っこは2つ。


 真ん中はどう見ても周りから総攻撃を受けるから一番難しいはずだ。


 俺はパワーが攻撃している側の右の根っこに向かった。


 こっちはパワーの攻撃が直接来るから、流される危険性が高い。気をつけないとな。


 って思ってたら、いきなりものすごい衝撃を受けた。パワーの攻撃だ。 


 溺れそうになったけど、触手が上に向かうのを見て俺は潜っていった。


 よーし、コンブーメぶっ倒して、今日の夜はヴェネッツ中をコンブーメ祭りにしてやるぜ!

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