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(第2章完結!)女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで異世界を成り上がる  作者: エルティ
第2章 女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで英雄になる
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第26話 コンブーメ対策会議! 鍵は、恋愛感情?

 ヴェネッツ ラック達



 俺たちはマーコちゃんとジーヤ達に連れられてホテルの前までやってきた。


 「へぇ~ここがマコモアゼル家御用達のホテルか」


 「どう? すごいでしょう? これがマコモアゼル家の力よ」


 目の前には、5階建てくらいの、ヴェネッツでは中の上ぐらいのホテルがあった。


 商人が使うには相当な高級ホテルだろう。


 「じゃあ、入るわよ」


 そう言って、マーコちゃん達が入ろうとする。


 「あの~、俺たちはいつもの宿があるから、そっちに泊まるね」


 「どういうこと? 私たちの宿じゃ不足ってことかしら。そう言うなら、あなたちの宿を見せてもらうわ」


 しばらく歩いて、俺たちの常宿についた。いつもの、10階建ての最高級ホテルだ。


 「じゃあ、俺らはここで」


 「ちょっと、どういうこと? ここに泊まるの? ここって、大貴族か王族ぐらいしか泊まれないはずなのに。そもそも、あなたたちここに泊まれるお金なんてないでしょ?」


 半分驚き、半分あきれの様子でマーコちゃんが聞いてくる。


 「ああ、俺たちヴェネッツ商人のジェリーがVIP扱いしてくれてて、このホテルいつでもタダで泊まれるんだよ。しかも、最上階ね。じゃあね、マーコちゃん」


 「……おら、マーコちゃんと同じホテルがいいだぁ~」


 「フフッ。パワー君の気持ちも分からないでもないが、彼らは既にホテルがあるからねぇ」


 マジョのその言葉を聞いて、それもそうだと思ってホテルに入ろうとした時だった。


 「マーコちゃん達も、このホテルに泊まったら? 大丈夫でしょ、ラック」


 そう言ったのはプリンだった。


 「いや、俺が一言言えば大丈夫だと思うけど」


 「じゃあ、こっちに来ない、マーコちゃん。同じ攻略メンバーなんだし、同じホテルで作戦会議試ようよ。ジーヤさん達もいいでしょう?」


 戸惑うジーヤとガード。


 「いいわ。その挑発、乗ってあげる。ジーヤ、荷物をまとめてこのホテルに泊まってあげるわよ。作戦会議もあることだし、いいわね」


 「ふむ。ジーヤどの、後はよろしく頼むよ」


 「わ、わかりました。ガード、急ぐぞ。ファンもついてくるのじゃ」


 大急ぎで出て行った。



 こうして、俺たちのヴェネッツにおける常宿である「グランメソッドホテルヴェネッツ」(言ってなかった、よな?)に全員集合することになった。


 マーコちゃんの部屋から叫び声がする。


 「キャー! 広い! 高い! 超豪華! あの運だけのラックがなぜこんな超豪華なホテルに無料で泊まれるわけ? ジェリーってヴェネッツの大商人よね? なんで? でもサイコー!」


 うーん、普段のお嬢様っぽい話し方と違うな。無邪気にはしゃいでる。


 これがマーコちゃんの本当の姿なんだろう。


 てか、運だけのラックってとこも含めて、廊下まで丸聞こえだぞ、おい。


 その後、俺たちは各自過ごした。


 マジョとプリン、そしてマーコちゃんは買い物に行くと言ってたな。


 まあ、女子の趣味みたいなもんだよな、買い物って。


 ふわふわのベッドに寝転びながらそう考えていると、ゴンゴンとドアがなった。


 誰だ?


 「お、おらだぁ~。開けてくれぇ~」


 パワー? パワーが俺の部屋に来るなんて今までなかったのに。何でだ。


 「入れよ」


 そう言うと、パワーは中に入った。


 何だか、思い詰めたような顔をしてるな。恋の悩みか? 


 それを経験値ほぼゼロの俺に聞いてどうするんだよ。せいぜい、無理矢理キスされたぐらいしかないんだぞ。


 「どうしたんだ」


 「あ、あのおぅ~、明日、コンブーメと戦うんだよねぇ~」


 「そうだけど。それで?」


 「お、おら、大活躍してコンブーメ倒したいだぁ~。そのためにどうすればいいか、教えてほしいだぁ~」


 ん? 何言ってんだ?


 こいつは力しか脳がない、攻撃してれば楽しいって奴だ。


 なのに、大活躍したい? どうやったら倒せるか?


 どうしたんだこいつ。あ、そういうことか。


 「要は、活躍してコンブーメ倒して、マーコちゃんにいいとこ見せたいってことか」


 「そ、そんなんじゃねぇだぁ~。ただ、おらは自分でコンブーメ倒したいだけだぁ~」

 めっちゃ焦ってんな、こいつ。


 「まあ、うちのパーティーの攻撃は正直言ってお前が頼りだ。そして、『ためる』を使った後の攻撃力ならお前は誰にも負けない。そうだろ?」


 「そ、そうだぁ~。おらのパワーは、誰にも負けねぇだぁ~」


 「なら、そいつをコンブーメにお見舞いするんだよ。そうすりゃ、どんな敵でも粉砕できるだろ、お前なら。だから安心しろ。あとは俺たちがお膳立てしてやるよ」

 

 パワーの目にいつもの自信が戻ってきた。


 「ラックの言う通りだぁ~。おら、ラックに会って、パーティー誘ってもらって良かっただぁ~」


 そう言って、走って俺の部屋出ていった。


 ふう。


 あいつも、恋してんだな。かっこいいとこ見せたいとか、今までのパワーにはマジでなかったからな。



 

 夕方になって、俺たちは冒険者の酒場に集合した。


 飯を食べながら、作戦会議、のはずだったんだけど……。


 「私はコンブーメを見て分かったわ。あなたたちがうまく連携すれば勝てるってね。まず、……」


 やはりというか、マーコちゃんの独演会が始まってしまった。


 パワーは既に、マーコちゃんに心を奪われて他のことが見えなくなっている。


 この状態じゃ、まともな攻略の話し合いができるとは思えない。


 「なあ、いいのか? これじゃまともな対策なんて話し合える状況じゃないぞ」


 しかし、マジョは余裕そのものだ。


 「フフッ。君もなかなか心配性だねぇ。大丈夫だよ。後で君の部屋で対策会議といこうじゃないか。パワー君は無理だろうから、プリンを連れていくことにしよう」


 すると、プリンがこちらに顔を寄せてくる。うーん、いい匂いがする。


 「私も、後で話した方がいいと思ってたんだよね。だから、マジョの意見に賛成だよ」


 「うむ。じゃあ今は食事とマーコちゃんの話をせいぜい楽しもうじゃないか」


 「そうね。しっかり食べないと明日頑張れないしね」


 2人とも、たくましいな。


 「分かったよ。それで頼むわ」


 その後、30分くらいで食事は終わったけど、マーコちゃんの独演会は終わる気配がなかった。 仕方ないから、マジョ達と目配せして去ろうとするが、そううまくはいかない。


 「ちょっと! なに帰ろうとしてるのよ。コンブーメの対策について考えるんじゃなかったの? 今せっかく私が自分の考えを話してるんだから」


 ええー、そこは見逃してくれよー。


 いやー、君の話じゃ対策にならないんだけど、って言うのも何だしな。


 結局、そのまま1時間ぐらいマーコちゃんの独演会を聞かされた。


 最後はコンブーメとか関係なくなったじゃん。ただの自慢やん、って心の中でツッコんどいた。


 ジーヤとガードがあとでめっちゃ謝ってたな。


 「本当に、お嬢様の話に付き合わせてすみません」


 「いや、いいって。一緒に来ていいって言ったのは俺らだし」


 マーコちゃんはまだ話したりないみたいで、英雄譚を話し続けている。


 パワーとファンはものすごくうれしそうに聞き続けている。うーん、頭の中お花畑かよ。




 その後、ホテルの自室に戻ったら、しばらくしてマジョとプリンが入ってきた。


 「お邪魔するよ」


 「お邪魔します」


 2人は部屋にあった椅子に座る。俺はベッドに座ったままだ。


 何か、マジョが俺の部屋に入ってくると、やっぱりあの日のキスを思い出すんだよな。


 いやいや、真面目な攻略会議だろ、と切り替える。


 「マジョとプリンの意見が聞きたい。コンブーメの攻略方法と敗北条件について、だな」


 「攻略方法は分かるけど、敗北条件って?」


 プリンが不思議そうに聞いてくる。


 「ああ、このクエストは多くの冒険者が諦めてきたものだからね。何らかの諦める条件があると私も考えていたのだよ。で、酒場でいろいろ聞いてきたんだがねぇ」


 マーコちゃんの冒険譚の中で、いつ聞いたんだよコイツ。


 「やはりというか、コンブーメの触手にネバネバされ続けて、戦意を喪失してしまうようだよ。もうこりごりだ、あれだけは無理と多くの冒険者が言っていたねぇ」


 「やっぱりかー。あれだけは無理だよね、ラックを除いて」


 プリンがさらっととんでもないことを言う。


 「ちょっと待て! 俺だってあんなの無理だぞ。なんで俺を除いて、なんだよふざけるな」


 すると、マジョとプリンは顔を見合わせ、いたずらっぽく笑った。


 「だって、ラックは運が高いでしょう? なんとかなるかなーって。それに、誰かが犠牲にならないと多分攻略できないよ」


 「フフッ。君は私の妨害魔法で毎日鍛えているじゃあないかい。そのドMっぷりと持ち前の運で、おとり役をやってもらう必要があるのだよ」


 こいつら俺のことなんだと思ってやがるんだ。


 「言いたい放題いいやがって。ちゃんとした戦略はあるんだろうな? 俺の中じゃ、パワーが水面殴ってる間に俺が根っこを狩りに行く、ぐらいしかないと思ってるんだけど」


 マジョとプリンが目を少し見開いた。


 「すごいねぇ。さすがはマウスちゃん、我々のリーダーだ。基本的にはその通りだよ。私たちにはパワー君しかほぼ攻撃手段がないからねぇ。パワー君が『ためる」を使って水面ごとコンブーメを殴れば、コンブーメは危機を感じてパワー君を攻撃するだろう。そこで、出てきたコンブーメに私の妨害魔法をかけるのだよ。水の中じゃあ効果が半減するからねぇ」


 プリンは頷いている。


 「コンブーメの動きが鈍ったところで、私がラックに支援魔法をかけるから、ラックは水に入ってコンブーメの本体、根っこを狙ってね」


 「まあ、そうするしかないわな。でも、コンブーメってHPかなりあるんじゃないのか。たくさん連結してるし」


 「本体は一本のコンブーメだからねぇ。マウスちゃんのクリティカルを何度も与えれば、いずれは倒せるさ」


 おいおい。いずれは、って、一体何回かかるんだよ。その前に俺が犠牲になるだろ。


 「おい、何度もって、その間に妨害魔法が切れて俺が犠牲になる前提だよな? 俺が戦意なくしたらどうすんだよ。ヌルヌルにされたらやる気なくなっちゃうよ、俺」


 「そこは、運でどうにかしてよね。ラックは昔から悪運だけは強かったから大丈夫だって」


 プリン、一切慰めになってないぞ、おい。


 「つまり、君の運が今回も鍵になるのだよ、マウスちゃん。このパーティーはお互いを補い合ってこそ成立している。今回はプリンがいることだし、より補完関係の完成度が上がるというものだよ」


 「何回いいように言ってるけど、俺が何度も犠牲になるのは変わらないんだな。わーったよ。ところで、マーコちゃん達はどうすんだ? ジーヤ達はともかく、マーコちゃんは一緒にいると危ないレベルだろ」


 「マーコちゃんの行動を縛るのは、クエストを難しくするだけだろう。ジーヤとガードに守ってもらって、好きに魔法を打ってもらうのがいいさ。ファンは、パワーに対抗心があるだろうから、一緒に攻撃してもらって、万が一の時はマーコちゃんの盾になってもらおうかねぇ。まあ、いずれにせよ、邪魔になったら優しく寝かしつけるだけさ」


 えげつねぇこと言ってんな、コイツ。


 「もしかして不安なの、ラック。自信がないとか? それとも、そんなにヌルヌルが嫌?」


 プリンが優しく声をかけてくる。でも、自分がヌルヌルは嫌って顔だ。


 「自信もないし、ヌルヌルも嫌だわ。でも、これをクリアして、ヴェネッツ商人の信頼を高めとけば、後々動きやすくなるし、バカチンにも潜入しやすくなるだろうからな。しゃーないわ」


 「フフッ。自信がないのかい? この間みたいに、体で元気づけてあげようか?」


 「え!!」

 

 珍しく、プリンが素っ頓狂な声を上げた。そりゃそうだわ。


 おい、マジョお前プリンの前でなんつーこと言ってんだよ。完全に誤解されただろうが。


 「え、マジョとラックってそういう……。そうなんだ……」


 「ちょっと待って。プリン、それは大きな勘違いだ。マジョは体でって言ったけど、それはそういう意味じゃなくて、えっと」


 「そういう意味じゃなくて、ってどういう意味なの?」


 くーっ。キスをされたことをどう説明していいか分からん。


 俺はドーテーなんだよ! こういう経験ないんだけど。てかこういう経験できるクエストどっかにないのかよ。


 「プリン、心配させたみたいだねぇ。私はただ、マウスちゃんにキスをしただけだよ」


 すると、プリンは一瞬目を見開いて、それから困惑の表情をみせた。


 そらそーなるわな。


 「……つまり、2人はパーティー内で恋愛感情を持っている、ということなの?」


 俺は何て答えていいか分からない。


 だって誰が好きとか、自分でもまだ分からないからだ。


 マジョは確かにめっちゃ美人だ。プリンも確かにめっちゃかわいい。ミッキーなんか天使だ。ついでに、アンの巨乳にいつも吸い込まれそうだ。


 でも、分かんないだろ恋愛感情なんて。相手が俺のこと好きかも分かんないし。


 「私がマウスちゃんに持っているのは、強い興味、好奇心さ。それが、恋愛感情と近しいと本で学んだのでねぇ。試しにキスをしてみたんだが、実に興味深い反応が自分の中に生じたよ」


 え、それ聞いてねえぞ。 


 「あ、そういうことなんだ。マジョ、それは恋かも」


 え。


 マジョが、俺に恋? 


 妨害魔法しか頭にないような奴が?


 「それを、今確かめているところだよ。ああ、自分の心も実験対象になるとは、実に面白いねぇ」 


 なんか、うれしいよりも寒気がするんだけど。


  「えっと、俺何て言っていいかよくわかんねぇわ」


 「ところで、プリン、君はどうなんだい? 気になる異性はいるのかい? もしかして、マウスちゃんん、なんてこともあるのかい?」


 おい、なに直球ぶっ込んでんだよお前!


 俺はプリンの方を見る。


 プリンも俺を見ている。少し恥ずかしそうに見える。


 俺は何をとち狂ったのか、とんでもないことを言ってしまった。


 「プリン。と、とりあえず、手でも握ってみるか? そしたら、俺が好きなんてあり得ないって分かるだろ?」


 「そ、そうね。手を握るぐらい、普通だからね」


 そう言って、互いの手を握った。


 明らかに、プリンの顔は赤くなっている。


 俺も、明らかに赤くなってるはずだ。顔が熱い。


 でも、異世界で出会った俺に、吊り橋効果? って言うんだっけ。そういうので勘違いしてるんじゃないか?


 俺も、初恋の人に久しぶりに会って、舞い上がってただけじゃないのか?


 分からない。


 分からないけど、プリンが気になるのは確かだ。


 俺とプリンは、恥ずかしさで同時に手を離した。


 恥ずかしいけど、お互いを見つめ合っている。


 「……ラック。明日、最高の支援魔法をかけるから、お願いね」


 「あ、ああ。俺もみんなのために犠牲になる覚悟できたわ」


 すると、それまで俺たちをじっと見ていたマジョが急に笑い始めた。


 それも、高らかにだ。


 「はーっはっはっは! 実に興味深いねぇ。君たちの間に芽生えた感情、そしてそれを見ていた私の中に芽生えた新たな感情。これまで思ってもみなかった、『マウスちゃんを独占したい』という感情がね。私も、最高の妨害魔法でマウスちゃんをアシストしようじゃないか」


 「マジョ、お前……」


 またまた、とんでもないことを言ったな。


 あのマジョが、「嫉妬」だって?


 「マジョ、明日のクエスト絶対成功させようね。あと、私も負けないから」


 プリンはそう言うと、俺の頬にいきなりキスをした。


 え? 何が起こってんのこれ?



 

 結局、その後2人は同時に帰っていった。


 てかプリンがキス? え、俺のこと好きってこと? 嘘だよね?


 おい意味分かんないって。明日どんな顔で会えばいいんだよ。クエストどころじゃねーよ。


 当然、ドーテーの俺には刺激が強すぎて、全く夜は眠れなかった。 

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