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(第2章完結!)女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで異世界を成り上がる  作者: エルティ
第2章 女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで英雄になる
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第24話 強敵コンブーメ! ヌルヌル大合戦 

 ページを開いていただきありがとうございます。


 「女神ガチャに外れた俺が、運だけで異世界を成り上がる」第24話です。


 今回は、ヴェネッツについたラックパーティーとマーコ親衛隊が、今回の敵と遭遇します。


 一見簡単なようですが、多くの冒険者がやられた相手です。


 ラック達はどのように攻略するのでしょうか? そして、恋の行方は?


 よろしくお願いします。

 振り向くと、やっぱりマーコちゃんがいた。


 「お嬢様、お待ちください。旦那様から、スタードの外に出るなと言われておりますので」


 「大丈夫よ、ジーヤ。お父様とお母様には今夜私が話をつけるわ」


 そう言うと、マーコちゃんはこっちを向いて挑戦的な目つきをした。


 マーコちゃんは16歳。茶色いつやつやとした髪の毛を三つ編みのお下げにしている。


 背は決して高くないけど、好奇心旺盛そうな瞳と勝ち気な言動から、存在感だけはあるんだよな。


 かわいいんだけど、何というか、幼い感じを強く受ける。まさに、世間知らずのお嬢様、って感じだ。


 「ラック、これは私たちからの挑戦状よ。 特にマジョ、あなたには負けないから! 私がスタード最強の魔法使いってことを証明してみせるわ」


 「はい? えっと、うん」


 王立大学魔法科の天才なマジョ相手にすごいこと言ってんな。


 マーコちゃんは前から、うちのパーティー、特にマジョをなぜかライバル視していたな。なんでなんだろ。


 でも、一緒に行くのはさすがに危険じゃないか? 色んなパーティーが諦めてきたクエストだし、俺らだって危ないってのに。


 すかさず、大人な巨乳受付嬢アンがなだめに入る。


 「マーコさん、これはラックさん達に指名できたクエストですよ。マーコさん達が行くには危険すぎますから、一緒に行くのはやめておいたほうがいいと思いますけど」


 「あなたには聞いてないわ、アン。ラック、マジョ、あなたたちはどう思っているの? それとも、私に負けるのが怖いのかしら?」


 かわいいけど、やっすい挑発だな~。


 どうしようか、とマジョのほうを見ると、すごく面白そうな顔をしている。


 「おいマ……」


 マジョに相談しようとしたら、マジョが俺の唇に指を縦に重ねてきた。


 ちょ、みんなの前で何やってんの? 何かエロくてぞくぞくしてくるんだけど。


 「少し黙っておくんだよ、マウスちゃん」


 その直後だった。


 「おら、歓迎するだぁ~! マーコちゃんと一緒なら、おらの力は百倍だぁ~!」


 突然、パワーが両拳を突き挙げながら叫びだした。


 「ほんとに~。パワーありがと! ほ~ら、やっぱり私についてきてほしいんじゃない。それなら、早く素直に言えばいいのに」


 「マーコちゃんについてきてほしいだぁ~」


 これは、もうしゃーないのか?


 マジョとプリンを見ると、頷いている。何なら、嬉しそうでもある。


 「……わかった。ついてくるならついてきなよ、マーコちゃん。俺たちは逃げも隠れもしないぜ?」


 アンははぁー、と大きなため息をついた。


 「ラックさんたちがそう言うならこれ以上は止めません。ですけど、これはあくまでラックさんたちのクエストですからね。マーコさんたちが一緒に行っても、あくまで補佐しかできませんし、無茶は絶対にやめてくださいね。ラックさんも、責任取ってくださいね」


 アンに責任取って、とまで言われると、これ実は結構大変だよな。


 俺やアンの心配をよそに、マーコちゃんは相変わらず声高らかだ。


 「そうと決まったなら、明日の朝、マコモアゼル家専用の豪華馬車でヴェネッツへ向かうわよ。安心して。ヴェネッツではマコモアゼル家御用達の豪華ホテルに泊まるから」


 「そ、そう。ありがとうね、マーコちゃん」


 うわー、金持ちってすごいな。いったん主導権握ると金の力で強引に自分の方に引っぱるのね。ある意味すげーわ。


 でも、ホテルは俺たち御用達に泊まるけどな。


 「マーコ様、お待ちください。そんなことを旦那様に相談もなしに……」


 「ジーヤ、これは私が決めたことよ。お父様は必ずOK出してくれるわ」


 ほんと、自信に満ちあふれているな。


 「ふむ。話は決まったようだねぇ。では、今から準備をして、明日朝ギルド前で合流しようか。いいかな、マウスちゃん」 


 「ああ、分かった。マーコちゃん、馬車ありがとうね。でも、クエストは、俺たちの指示に従ってもらうから」


 「分かったわ。でも、私の力を見せてあげるわ」


 マーコちゃんは誇らしげだ。でも、マーコちゃんてまだレベル15にもなってないんじゃなかったっけ?


 マーコちゃんの後ろに常にいる大柄な男は、ガードっていうマコモアゼル家の護衛らしい。さっきから一言もしゃべっていないし、ちょっと不気味なんだよな。


 「ぼ、僕も負けないからね、パワー。マーコ様推し歴はは僕の方が長いんだから」


 そう熱弁していたのは、マーコちゃんのガチファンことファンだ。「マーコ親衛隊」の戦士だけど、そんまんまの名前じゃん。


 その後、俺たちはマーコちゃん達と別れ、商店を巡って必要な準備を済ませた。

 


 次の朝、ギルド前に向かうと、ド派手な馬車が駐まっていた。


 なんなんだよこれ。


 まず、装飾がすごい。金色銀色の様々な形をした装飾が、まるで馬車から生えているみたいに伸びている。これだけで人1人分ぐらいの重さがあるんじゃないか?


 馬車は大きくて、10人ぐらいは乗れそうだった。そもそも馬2頭だし。その馬にも金銀の豪華な装備がされている。馬たちこれ重くて邪魔なんじゃね?


 なんか、日本にあった、ド派手なデコトラなんかを見てる気分だわ。


 すると、馬車の横から人の良さそうなニコニコしたおじさんおばさんが出てきた。


 ただし、ただのおじさんおばさんじゃない。


 腕や指にキラキラした装飾をいくつもつけている。馬車と言い、これ一体いくらすんだよ。


 「どうも~。マーコの父です」


 「どうも~。マーコの母です」


 そう言って、マーコちゃんのお父さんとお母さん、つまりマコモアゼル家の主人と奥さんが挨拶した。


 「どうも。ラックパーティーリーダーのラックです」


 「今回は、うちの娘がわがままを聞いてくださり、ありがとうございます。娘に万一でも危険がないよう、ジーヤやガードには強く言っていますが、先輩冒険者のラックさん達にもお願いいたします」


 「いやいや、俺たちはあくまでマーコちゃんのライバル、という感じでいきますんで。でも、無事は保証しますよ」


 まあ、無理をしなきゃ大丈夫だろ、きっと。


 マコモアゼル家の主人はニッコリと笑った。これまた、特上の営業スマイルだ。


 「ありがとうございます。これはほんの気持ちです。お受け取りください。ヴェネッツでの生活も何も気にする必要はありませんので。それでは、よろしくお願いします」


 そう言って、去って行った。


 自分の手を見ると、100万イェンが握らされている。え!


 「おいおい、こんなのもらっていいのかよ。俺ら、別に金には困ってないけど」


 「いいんじゃないかい。その金でマーコちゃんをしっかり守れということだろうよ」


 マジョは当然という顔をしている。コイツは大貴族だから、こんな金額じゃ驚かないんだろうけど。


 「じゃあ、出発するわよ!」


 というマーコちゃんの合図で全員が馬車に乗り込んだ。いや、このクエスト俺らがメインなんだけど。



 ヴェネッツへは馬車で1週間ほどだ。


 その旅の最中、マーコちゃんは飽きずにずっと自分の武勇伝を語っている。


 いや飽きるって! もう何回目だよその話。


 俺は両脇にいるマジョとプリンに愚痴をいうしかない。


 「なあ、お前たちあれずっと聞いてて何も思わないわけ? 俺ちょっとしんどいんだけど、さすがに」


 「私も、ちょっともういいかな、って感じ。だって私たち、夜魔法テントの中でも聞いてるんだよ」


 「フフッ。私は別に構わないがねぇ。かわいいじゃあないかい。それに、マーコちゃんの周りを見ているだけで面白いというものだよ」


 「周り?」


  周りに居るのは、ジーヤとガードだ。どちらもマーコちゃんの話に頷きながらも、不測の事態に常に備えている。


 この2人は俺よりもレベルが高くて強いからな。でも、どっちかっていうと「仕事」って感じだろ。


 その周りでマーコちゃんの話を熱心に聞いているのが、ファンとパワーだ。どっちもガチ恋勢だからか、マーコちゃんのどんな話にも反応しているな。


 「さすがですマーコ様。一生ついて行きますので!」


 「おらも負けないだぁ~。マーコちゃんを守るだぁ~」


 お前らほんと飽きないな。ある意味すげーわ。


 「フフッ。恋というものは人を変えるのだよ。あのお子様なパワーがああなるとは、思いもしなかったろう? マウスちゃん」


 「そうだな。ああなるとはな」


 俺がそう言うと、マジョはニコリとした。


 「私だって、そうなのだよ?」


 おいそれどういう意味? いきなりぶっ込まれても対応できないんですけど! 未経験ゾーンなんで。


 「まあ、ラックは昔から鈍感だからね。分かんないよ、きっと」


 プリンもそんなことを言って。どういう意味なの? って、昔から? 


 「何か、よくわかんないけどすみません」



 そんな、どうでもいいことを話しているうちにヴェネッツに着いた。


 2度目だけど、やっぱド派手な街だな。


 「さあ、それじゃあ早速、ギルドへ向かうわよ」


 思いっきりマーコちゃんが仕切ってるんだけど。まあいいか。


 俺たちはマーコちゃん達に続いて、ギルドに入っていった。


 「どうも、ラックパーティーですけど、クエストの指定が来たって聞いたんですが」


 すると、それまで無愛想だった例の受付嬢が、満面の笑みを浮かべた。


 「ああ~スタードのラックさんですね。今回のクエスト、受けてくれてほんまありがとうございます」


 両手で握手してくる。愛想だと分かっていてもうれしいわ。


 ……なんか、両側の視線が冷たい気がするんだけど。


 「ま、まあ俺たちに任せてくれよ」


 「ヴェネッツの有力な冒険者達がみんな失敗して、ほんま困ってるんですよ」


 そこで、マジョが出てきて俺と美人受付嬢の間に入った。何だよコイツ。


 「それで、クエスト内容は? 海藻型の魔物と聞いているがねぇ」


 受付嬢は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに愛想笑いを浮かべた。


 「はい。コンブーメいう魔物でして。普段は害がなくて、私たちもよく食べてるんですけど、今年の暑さで大繁殖してしもうて。いくつかのコンブーメが連結して、河口の合流部分に根を張って取れなくなってしもたんですよ。それに、コンブーメが凶暴化して攻撃するようになってしもて。しかも、複数の触手で攻撃するもんですから、交易船が出られずにほとほと困ってまして…」


 すると、ギルドに恰幅のいい男とジェリーが一緒に入ってきた。


 「よ、ジェリー久しぶり」


 「ラックさん、お久しぶりです。こちらがヴェネッツの商業ギルドマスターのリッチーです」


 ヴェネッツの商業ギルドマスター? それって、この街の元締めなんじゃ。


 リッチーは、身なりは質素だが凄腕商人のオーラが漂っていた。


 「どうも、リッチーです。今回はクエストを受けていただき、ほんまありがとうございます。いやー、あのメタルンを倒したラックさんが来てくれれば百人力ですわ~」


 と言って、握手を求めてきた。


 握手した瞬間、ビリッと来るものがあった。何だこれ?


 「ほう。ラックさんはレアスキル『剛運』の持ち主ですな。私と同じですわ。さすがはメタルン狩りですわ」


 「へえ。あんたも『剛運』持ちなんだ。分かるんだすげーな。それで、報酬はどうなるんだ?」


 リッチーはニッコリ笑った。


 「それは、解決していただいたら、ぎょうさん用意しますわ」


 解決していただいたら、ね。あまり信用はされてなさそうだな。


 「あなたたち、私を忘れていない? 最強の助っ人、マーコよ! 今回のクエストは私がいれば絶対大丈夫よ」


 リッチーが不思議そうな顔をしている。


 「えっと、誰でっしゃろ。クエストを頼んだのはラック……」


 「いや、このパーティーは、今回うちのサブとして協力してもらうんです」


 「さあ、早くコンブーメの所に案内なさい!」


 めちゃやる気だなマーコちゃん。


 「ええ。じゃあ、頼んだで」 


リッチーがそう言うと、後ろから黒服が現れた。



 黒服の案内で俺たちは港についた。


 「ここです。アレがコンブーメです」


 見ると、運河の合流地点になっていて、いかにも交易船が通る重要なポイントって感じだ。


 そこに、昆布みたいな海藻がみっしり茂っている。


 「ふむ。これは中々やっかいだねぇ」


 「やっぱりそう思う?」


 マジョの言う通りだ。コイツには何人もの高レベル冒険者が挑んではやられているんだからな


 「まず、魔物の本体が水中だろう。だから、根本的に討伐するには水中にいくしかないねぇ。それに恐らくだけど、根っこを切らないといけないだろうからなかなか大変だよ。うかつに近づけば、触手の餌食になるだろうねぇ」


 「マジで大変だな」


 「ただ、これまで挑んだ冒険者は怪我人はいないそうなんだよ。ヌルヌルにされて無力化されるだけだそうだ。マウスちゃん、覚悟はいいかい?」


 え、俺?


 「なんで俺なんだよ」


 「当たり前でしょ。私とマジョはそもそもヌルヌルとか無理だし、川の中に入れないし。パワーは泳げないしね。だからラックしかいないの」


 プリンに断言されてしまった。2人のヌルヌルをちょっと想像したけど、色々アウトなんでやめとくわ。


 「とりあえず、近づいてみるわ。マーコちゃん、俺らの後ろにいてくれよ。ジーヤ、ガード頼んだぞ」


 「はい」


 「はっ」


 「ちょっと、私の出番はどうなるの?」


 マーコちゃんは不満そうだ。


 「フフッ。秘密兵器の出番は最後にやってくるものさ。マーコちゃんもその時に備えて準備をしておくんだよ」


 「マジョの言う通りね。最後は私に任せなさい!」


 マジョ、ナイス! マーコちゃんの扱い方よく分かってるな。


 運河に近づくと、突然水の中から昆布の触手みたいなのがいくつも出てきた。


 俺はすかさず両手に短剣を構え、「運パリィ」を発動する。


 「運パリィ!」


 俺は近づいてきた触手を両手のメタル短剣で次々と打ち落とした。その旅にヌルヌルの液が体にかかる。うわー、気持ちわる。


 触手を弾いた後、俺は運河に飛び込んだ。


 泳いでいる間も次から次へと触手が来る。弾くのは簡単だけど、数が多いし水の中で動きづらい。


息も持たないし、到底根っこにはたどり着けなかった。


 すると突然、無数の触手が俺をぐるぐる巻きにしようよした。


うわきっも。冒険者がやられたのはこれかよ。


俺は「運パリィ」を連発して触手を振り切り陸に上がる。全身がヌルヌルまみれで気持ち悪い。


 「はあー」


 「どうだいマウスちゃん」


 「うん、正直強くはないな。でも、あの触手が減ることはないから、いくら触手だけ倒しても無駄だわ。あと、マジでヌルヌル気持ちわりぃ」


 「確かにそうね。本体は水中の根っこよね。あと、やっぱりヌルヌル気持ち悪いね」


 「ふむ。では、今日は一旦ホテルに戻って作戦会議と行こうか。マウスちゃんのヌルヌル姿もなかなかだねぇ」


「おい、なんか言いたい放題言ってないか。俺みんなのために犠牲になったのに。とりあえずシャワーだよ」


 「おらは飯が食いたいだ~。マーコちゃんのためにも食べて元気出すだ~」


 パワーがそう言うと、同じ戦士のガチファンことファンも負けていない。


 「パワーさん、僕がマーコ様を守ります! 負けませんよ」


 何か、かわいい意地の張り合いだな。


 よし、とりあえずは飯食って、対策ゆっくり考えるか。ついでに、マーコちゃん対策も考えないとな。ついでにヌルヌル対策もな!

 最後まで読んでいただきありがとうございました。


 第24話「強敵コンブーメ! ヌルヌル大合戦」でした。いかがだったでしょうか。


 今回の敵は、コンブーメという海藻型魔物です。


 今回はバトルの描写は少なめですが、次からは本格的な戦闘になります。


 次回は、もしかしたら勇者達の話になるかもしれません。

 

 今後も、よろしくお願いします。

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