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(第2章完結!)女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで異世界を成り上がる  作者: エルティ
第1章 女神ガチャに外れて捨てられた俺が、運だけで最高の仲間たちと出会う
14/43

第14話 2人目の仲間、パワー加入! こいつ、思ったより使えるんじゃね? 

 ページを開いていただきありがとうございます。

 もし待っていただいていた方がいたのなら、大変お待たせしました。

 「女神ガチャに外れた俺が、運だけで異世界を成り上がる」第14話です。

 タイトルの通り、2人目の仲間、パワーがラックパーティーに加入します。

 どんな化学反応が起こるのか、お楽しみに!

 俺はマジョに言われるまま、自分の席を離れパワーに近づいてみた。


 「グスッ。おおぅぅ~」


 おいおい、まだ泣いてんのかよ。てか鼻水流しすぎだって。


 「なあ、もう泣くなよ。俺はラックって言うんだ。俺たちと一緒に飲まないか? シュワーおごるからさ」


 そう言うと、パワーは泣きはらした顔を上げ立ち上がり、俺の方を向いた。


 しかし本当に大男だな。2メートル近くあるんじゃないか。


 しかも筋肉がやばいな。よく見ると顔はごついが人相は悪くないな。


  「ほんとかぁぁ! ありがとうぉぉ!」


 次の瞬間、パワーは俺の両肩をつかんできた。


 ガシッ。ズン。


 うお、重てえ! てかめちゃくちゃ痛いって。なんつー力だよ。


 「わ、分かったから、早く向こう行くぞ。な、な!」


 ほっとくと肩の骨が折れそうだったので、さっさとパワーを連れてくることにした。


 「紹介するわ。こっちからマジョ、ミッキー、ハイ、ユウだ。俺の友達だ」


 「俺はお前の友達じゃないがな……」


 おいハイ、分かってるからこういう時ぐらい話を合わせろよ。


 「じゃあパワーに元気出してもらうってことで、カンパーイ!」


 「カンパーイ!!」


  パワーは最初は楽しそうに飲んでたんだけど、酔ったからかだんだん落ち込んできた。


 「うう~。おら、これからどうしたらいいだ……」


 飲んでるときぐらい忘れりゃいいのに、パワーはさっきのことをいつまでも引きずっている。


 「まあ生きてりゃいろんなことあるって。なあマジョ」


 俺はとりあえず、話をつなぐことを考えた。


 しかし、マジョが空気なんて読むはずがなかった。


 「パワー君。君、私たちのパーティーに入らないかい? 君は上級職だろう?」


 その瞬間、落ち込んでいたパワーの表情がぱっと変わった。目にはうれし涙が浮かんでいる。


 「ほんとにぃぃ! いいのおぉぉ! ありがとうぉぉ!」


 俺は心底慌てた。いやいきなりすぎだろ。


 「おいちょっとまてマジョ、俺が判断するんじゃなかったのかよ」


 思わずマジョに抗議する。事前の話と全く違うじゃねーか。


 おかしくなったのかコイツ? いや元からか。


 しかし、マジョは全く悪びれていない。むしろ、正しいことをしたという顔だ。


 「マウスちゃん、とりあえずパワー君のステータスを見せもらおうじゃないか。その代わり、私たちのステータスも開示する。その上で君が判断すればいいさ」


 マジョがそこまで言うなら、まあしょうがないな。


 「わかった。じゃあパワー、ステータスを見せてくれよ」


 「わかったぁぁ。これがおらのステータスだぁ」


 


 パワー(パワード・パワーオーガ) パワーブレイカー レベル10


 HP100 MP20 力1100 速さ1 器用さ3 魔力1 信仰1 運2


 レアスキル 『超剛力』




 なんなんだこいつは。


 なんか、どこかで見たことあるような、めちゃくちゃなステータスじゃねーか。


 職業は上位職、それも戦士どころかバーサーカーの上のランクの職だ。


 レベル10でどうやってなったんだ?


 そして何よりステータス。こいつ俺より終わってんじゃん。


 力は確かにものすごい。パワーって名前なだけあるな。 HPもまあまあか。


 でも、それ以外が終わっている。


  特に、速さ1に器用さ3、運2って、これじゃ攻撃が当たるわけないわ。


 「おら、強えぇぞぉぉ~。力なら誰にも負けねぇぇ~」


 パワーは嬉しそうだ。 コイツもう酔ってんな。


 てかこのステータス、やっぱどっかで見たことるような……。


 そうか、俺か! 一つのステータスだけ爆上がりしては、他が低すぎる。俺と似たような感じじゃないか。


 ということは、レアスキルに問題アリと見た。


 「パワー、お前の力がすごいのはまあわかった。わかったから、レアスキルを見せてくれ」


 「いいぞぉ。どんどん見ろ~」


 こいつおだてられてすぐ上機嫌になったな。さっき泣いてたのは何だったんだよ。


 俺は空中に現れたレアスキル『超剛力』をタップした。


 「超剛力 レアスキル 所有者の力上昇率を大幅に上げ、力依存の判定率を大幅に高めるスキル。その代償として、固有スキルは ためる のみ、力とHP以外のステータス上昇率及び判定率を大幅に下げる」


 やっぱこれ、俺のスキルの力バージョンじゃね-かよ。


 それに、使えるスキルが「ためる」だけだって? 


 「ためる」なんて戦士なら誰でも持ってる初期スキルじゃねーか。


 更に、パワーはこんなことを言った。


 「おらはオーガの父さんと人間の母さんの間に生まれたハーフオーガだぁ。生まれつき力には自信があったけど、どんくさくていつもいじめられてたぁ」


 「ハーフオーガ?」


 魔族と人間の混血ってことかよ。そんなのいるんかい。


 確か、オークってかなりでかい種族だったよな、ゲームとかじゃ。どおりで体がでかいはずだわ。


 「パワーブレイカーって上級職は、パワーが高い人しかなれねぇんだぁ。おらは余裕でなれたぁ。ただ、職業の制限で服は薄着しか着れないし、武器はこん棒だけだぁ~」


 「おいおい、飲み過ぎだろ」


 そう言いながら、俺は驚いていた。


 こいつの能力にはいろいろと制約がある。人間的にも、能力的にも、スキル的にもだ。


 しかも、さっき言ってたみたいに、こん棒と腰みのしか装備できない戦士だ。


 いわば、攻撃に全降りしてる、ガイ達とはまた違った極端な脳筋ってことだな。


 けど、話を聞いていくうちに、こいつは俺のパーティーに必要なんじゃないかと思いだした。


 俺とマジョに足りない圧倒的な攻撃力。


「ためる」を使えば威力は倍増するだろう。


 あとは、俺とマジョで攻撃が当たるようにお膳立てをしてやればいい、はずだ。


 俺はマジョの顔を見た。マジョは俺の様子を見て、自分の意図を理解したと判断したようだ。


 「やっと分かったかい、マウスちゃん。パワー君は私たちに必要な人材なんだよ。君と私が力を合わせれば、彼の本来の能力を発揮することができる。私たちは更にステップアップできるはずさ」


 俺は何か感動していた。実験が代償なのは確かにアレだけど、この世界でマジョに会ってほんと良かったなって。


 「なんかマジョって先生みたいだな。お前のお陰でよくわかったわ」


 そう言うと、パワーに向き直った。


 「なあパワー、試しに俺のパーティーに入ってみないか。上級職の戦士を探してたんだけど、俺はお前を見てみたいと思った。どうだ?」


 そう言うと、パワーは笑顔が一転、また泣き出した。


 「ほんとかぁ、ラックぅ~。ありがとおぉぉ~!」


 てか抱きついてくんな!


 「痛いし重いって!」


 その様子を見ていたミッキーが、横で嬉しそうに笑う。


 「ラック良かったね。早くも2人目の仲間だよ。しかも超上級職。ラックはやっぱりすごいよ。ラックの運がマジョさんとパワーを連れてきたんだよ、きっと」


 「ミッキー……。何ていいこと言ってくれるんだ……。でもコイツどうにかしてくれ~!」


 せっかくミッキーが俺を褒めてくれたのに、なんで酔った大男に抱きつかれなきゃならないんだよ。


 「ラックぅ~。ありがとぉ~」


 「おいいい加減にしろ、パワー!」


 「パラライズ」


 そうマジョが言った瞬間、パワーはおとなしくなった。


 「フン。お前らはお似合いのポンコツパーティーってとこだな」


 何だと、ハイ。


 「ハイ君とやら。私たちを挑発するのもそれぐらいにしないかい。それとも、君も私のパラライズを食らいたいのかい?」


 おいおい、マジョが怒ってるし酔ってるじゃん。マジョの怒った姿なんて見たことがない。


 「す、すみませんでした」


 ハイが謝っている。そんなにマジョが怖いのかよコイツ。


 「ちょっと待てマジョ。お前酔ってんな。それぐらいにしといてやれよ」


 ユウが慌てて立ち上がる。


 「ラックさん、マジョごめんなさい~。せっかく新しい仲間が入ったのにうちのハイが余計なこと言って~。お家でよ~く言い聞かせておきますので、許してくださいね~。ハイ、あとでお仕置きよ~」


 ハイが本気で青ざめている。これって実は、ユウがめっちゃ怖いってことだよな。


 「君はものわかりがいいねぇ、ユウ君とやら。ハイ君の教育をよろしく頼むよ」


 気まずくなったらすかさずミッキーが声を上げた。


 「じゃあ、今日はもうお開きにしようか。みんな飲み過ぎだよ。ラック達も明日から冒険だろうから、早く寝てね。じゃあね」


 そう言って、ミッキーは帰っていた。ハイとユウもその後を追った。


 「私たちも帰るとするか。パワー君、君も私たちと同じ宿に泊まるだろう?」


 俺たちの宿は結構いい宿で、そこそこの値段がする。コイツ金あんのかね?


 「ラック、お願いがあるんだけどぉ……」


 ん? お願い?


 「何だ? 何でも言ってみろよパワー」


 「おら、無一文で一週間路上で寝てたんだぁ。だから、宿代貸してくんないかぁ」


 マジか……。どおりでさっき抱きつかれた時臭かったわけだわ。


 「分かったよ。これから働いてもらうからな。それで返せよ」


 俺たちのやりとりを、マジョは嬉しそうに見守っている。


 星がきれいだ。明日はもっといい日になりそうだな。 




 次の朝、3人でギルドに向かうと、既にミッキー達はギルドに着いていた。


 「今回は依頼があるから一緒に冒険に行けないけど、頑張ってね。これ、激励の意味のプレゼントだよ」


 そう言って、ミッキーは俺にきれいな刺繍の入ったタオルをくれた。やっぱ本物の天使だわ。


 「ありがとうミッキー。ミッキーが天使に見えるわ」


 「ふふ、そんなこと言っても何も出ないけどね。でもありがと」


 何なんだ、このいい雰囲気は。もしかし……


 ガスッ。


「……おい、何勘違いしてんだ運だけ野郎。ミッキーに近づくなと言ったはずだろう」


 気がつくと俺とミッキーの間にナイフが突き刺さっていた。


 「何すんだてめぇ! せっかくいい雰囲気だったのを邪魔すんな!」


 すぐに対立する俺たちをなだめたのは、やっぱりリアル天使、ミッキーだった。


 「もう。ハイ、本当に大丈夫だから。ラック、これで後は僧侶だけだね。いつでもウチのハイを格安で派遣するから使ってね」


 「いや、遠慮するわ」「断る」


 ハイとハモっちまった。きもちわりぃ。


 「まあまあ。3人になったから今すぐは助けはいらないだろうさ。いざというときは頼むよ、ミッキーにハイ君」


 「うん、任せて」


 そう言って、ミッキー達は去って行った。


 マジョが場をおさめるって、柄じゃないだろ。どうしたんだよ


 「ふっふっふ、パワー君の加入によってパーティーが強くなるということは、マウスちゃんのレベルが上がり、私の実験がよりはかどるということだよ。今後もよろしく頼むよ、マウスちゃん」


 俺は身震いした。やっぱこいつ、実験のことしか考えてねぇじゃねえか。


 そんなことは知らないパワーは、元気に声を上げた。


 「おら、やるぞぉ! 攻撃は、おらにまかせてくれぇ!」


 ほんと、俺もこいつぐらい脳天気だったら楽なんだろうけどなぁ。


 俺たちは受付に行き、パーティー登録をした。


 「ラックさん、パワーさんをパーティーに迎えるんですね。昨日あれだけのことがあったのに、すごいですねラックさんて」


 巨乳の受付嬢アンは素直に感心している。


 てか昨日の件どこで聞いたんだよ。酒場にはいなかったよな、確か。男か? やっぱ男なのか?


 気がつくと、俺はついアンの巨乳を凝視していた。それに気づいたアンは、怒って奥に入ってしまった。


 「マウスちゃんもやはり年頃の男の子だねぇ。興味があるのは仕方ないが、ギルド職員ともめるのは感心しないねぇ。見たいのなら私の胸を見るがいいさ。減るもんじゃないしねぇ」


 マジョは、俺が見る限りアンほどではないが立派なものをお持ちだ。


 こいつ羞恥心とかないのかよ。


 「お、お前、じ、冗談でもそういうこと言うなよ。パーティー内で気まずくなるだろうが。それに、別に俺は、アンの、その、胸なんて見てないからな」


 「見てたくせに! じっと凝視したくせに!」


 奥からアンの声が聞こえる。周りの冒険者が笑っている。


 俺は恥ずかしくて顔が真っ赤になり下を向くしかなかった。


 すると、ギルドにギル達のパーティーが入ってきた。どうやら新しい戦士を迎えたようだ。


 入ってすぐ、ギル達は大笑いし始めた。


 「ギャハハ! ラック! お前いくら仲間が入ってこないからってこの役立たずのパワーを入れたのかよ。ウハハハ! ありがとな、お荷物拾ってくれて。せいぜい頑張れよ、ブハハハ!」


 パワーは下を向いて黙っている。


 こいつら、なに俺ら馬鹿にしてんだ? いい加減に、と言おうとした時だった。


 その瞬間、ギル達のパーティーは地面に這いつくばった。


 「グワッ」「キャッ」「うわっ」「ヒッ」


 これは間違いなく、あいつの仕業だ。


 「自分たちと相手の実力も分からずに相手を馬鹿にすれば、どうなるかわかったかい、子猫ちゃんたち。しばらくそこでいい子にしておくんだねぇ」


 マジョは優しい口調で言ってるけど、完全に怒ってんなこれ。


 「おい、ギルド内でトラブル起こしてどうすんだよ。出禁になるだろうが」


 俺の心配をよそに、マジョは平然としていた。


 「問題ないさ。ただ動けないだけで、体には害がないようにしておいたからねぇ。アン、あとはよろしく頼んだよ」


 いつの間にかアンが出てきていた。


 「ガイさん、さっきの言葉は冒険者への侮辱に当たりますよ。これ以上言うとギルドを出禁になりますけど、どうしますか?」


 「す、すまない。た、頼むからそれはやめて、くれ!」


 ガイ達はまだ地面に這いつくばっていた。


 「マジョさんも、気持ちは分かりますが今後はギルド内でのトラブルはやめてくださいね」


 「ああ。これで彼らもよく分かったことだろう。次はないとね」


 アンとマジョのやりとりこっわ。さすが影のギルマスって呼ばれてるだけあるな、アンは。


 後始末をアンに任せ、俺たちはギルドを出た。


 いよいよ新生ラックパーティーの冒険の始まりだ。ただ、俺には気になることがあった。


 「おい、マジョ。今回ギルドのクエストを受けてないよな。どこ行くつもりだ?」


 マジョは意味深に笑った。


 「ギルドを通すと、君たちのレベル制限で行けるダンジョンが限られるからねぇ。マウスちゃんとパワー君の特性を踏まえて、最も効率よくレベリングできるダンジョンに向かうことにしたよ」


 「ちょっと待て。それって推奨レベルより上のダンジョンに行くってことだろ? 危険じゃないのか?」


 マジョはふふっと笑う。


 「今から向かうところは、命を落とす危険性はないさ。ただし、私の妨害魔法があまり効かない相手だがねぇ」


 マジョの妨害魔法が効かない相手? 


 どんなマゾだよ。俺以上にマゾな魔物がいるってことか? 


 冗談はおいといて、攻撃魔法がないウチのパーティーは、マジョの妨害魔法が生命線だ。気を引き締めないとな。


 それにしても歩くな。あれ、こっちスタードの冒険者がいつも行ってる方向と真逆だぞ。一体どこへ行こうってんだマジョ。

 読んでいただきありがとうございました。

 第14話「2人目の仲間、パワー加入! こいつ、思ったより使えるんじゃね?」でした。

 パワーは構想当初からラック以上に能力が偏りすぎて使えないキャラにしていました。

 ですが、能力とは結局組み合わせで力を発揮するものです。使いよう、という訳ですね。

 今後、マジョやミッキーに導かれ、ラックは更なる成長を見せます。

 あと、あまり明確には書いてませんが、ラックの恋愛事情の発展にも、密かに期待しておいてください。

 次はいよいよ3人で冒険に出かけます。ラックパーティーの新たな戦いはどうなるのか、お楽しみに。

 

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