目的地
そして、三人は——その後も……
そんな事を、いくつも重ねた。
(人助けや迷惑を……)
*
そう、ある時は——攫われた娘を救ったり……
ある時は、飢餓で苦しむ村を救ったり。
ある時は、居なくなったペットを探したり……
そんな事をしながらエリアルの元へ向かっていた。そんな時……
「ねぇ。カエルさん……こんな寄り道ばかりしていたら。
いつになっても、お姉ちゃんのところにつかないわよ」
「心配するな。シロよ……実は、隠していたんだが、もうすぐ着くのだ。
じぃ〜ツゥ〜わぁ〜……この森の先がエリアルの故郷となっている。
長い旅だったが……今、行くぞ! エリアル——ッ」
「俺達が来るのが、遅過ぎて——姉さん。
街に戻ってないといいすッね……」
「あんた、ヤバッ!!! 今、フラグ立てたわよ! ヤバ……」
「まだ、いる事を祈ろう……」
「あんたも思ってたんかーーーいッ!!!」
*
*
*
時は戻り。エリアルがエルフの村に着いた頃……
「女王様……報告の為に、只今戻りました!」
「おお、エリアル——よく戻ったわね。
それで、人間側に着いた魔物が居ると言う調査はどうなったの?
ケロッグ王国は、魔物と手を組んでいたのかしら?」
「いえ、それは違いました。
ケロッグ王国に居た魔物のフロックは、元は人間で……まぁ、なんと言うか呪いでカエルの魔物の姿に変えられているだけでした」
「そうでしたか……。
では、我々エルフ族は魔物側につく事にします」
「それでは、人間を裏切ると言う事ですか!?
女王様——ッ」
「裏切るも何も……
人間達は、私達エルフ族を同族とは思って居ませんし。
彼らは、人間族でない者を亜人と呼ぶでしょ?
ですから、私達エルフが裏切るとか——そう言うと問題では無いのです」
「ですが、女王様……我々エルフと人族は、今まで手を組み魔族と戦って来たではありませんか!?」
「それも確かに、そうだけど…………
勇者が魔王に敗れて居なくなった今は、種族を守る為に魔族につくほか無いのです。
これは、女王の決定です!
分かってくれますね。エリアル……」
「女王様が勇者と共に魔王と戦った事は存じております!
しかし、たかだか一人の人間が魔王に敗れたくらいで、魔族に着くなど——浅はかな考えでは無いのですか?
もう少し考えてからでも遅くは無いと思います。
それに、人族の中にも強い者は沢山います。
げんに、私は強い者を知っております」
「あなたの言っている事は、分かっております。しかし、私は——あの勇者ほど強い者を私は知りません! それも、また事実……
あの時だって、力を合わせていれば必ずや魔王を……そんな事を言っても、もう仕方ないのは分かっていますが……
私は、あの勇者を倒した魔王が怖いのです! だからこそ貴方に魔族の動向を調べさせたのですから……」
「しかし、それでは私は仲間と敵対する事になるやもしれません……」
「それが、どうしたのですか!? 種族を守る為には、仕方がない事。
それに貴方は、もう里でゆっくりと休みなさい。
情報収集、あなたの仕事は終わりです!」
「待って下さい! シャールロッテ様……仲間に必ず戻ると伝えてしまいました。ですから……」
「話は以上です! 貴方は、今後は里の警備につきなさい。
里の外に出る事を禁じます!」
「女王様——ッ。話を聞いて下さい」
「私は、以上と言いました。もうお行きなさい」
「…………」
エリアルは、その言葉に従うしが無かった。
*
そして、只今フロック達は森に入るとエルフの襲撃を受けていた。
「速攻で、見つかってるじゃないですッか!? 先輩……」
「ヤバいぞ! キバ……捕まって見つからたら確実にエリアルに怒られる。
絶対に、捕まる訳にはいかない……」
「ちょっと、あんた達……私を置いて行かないでよ!!!」
「お前は、顔バレしてないからどうとでもなる。だから、知らん! 勝手に逃げろ!」
そして、シロがエルフに捕獲されると……電光石火で飛んで来た! 何者かにキバが捕まった。
「……キバ、何であんたがいるの?」
「あ……姉さん……」
「って、事はフロックも居るのよね!?
フロック出て来なさい!!!」
その場から逃げようとしていたフロックの足が止まる。
「…………」
フロックは、渋々出て来た。
そして、エリアルは仲間に下がる様に伝えるとフロック達、四人だけとなった。
二人と一匹は、エリアルに怒られるのを覚悟していたが……エリアルは、怒る事なく 普通に話して来た。
「あれだけ付いて来るな! と言ったのに——やっぱり来ちゃうのね。
貴方達は、まぁ……ちょうど良かったけど……それより、この子は?」
「エリアルの代わりにツッコミに入ってもらったんだけど……ダメだ! 使えん。
エリアル——早く戻って来てくれ!!!」
「姉さん! 本当すッよ……コイツのせいでトラブル続きで、もう限界すッ!!!」
「いや、私のせいだけにしないでよ。アンタ達もかなりやらかしていたわよ……」
「だから、頼む! エリアル、早く戻って来てくれ。もう、呪いは解けたんだろ!?」
「呪いは解けたけど……
私、実は——戻れなくなったの。
だから……良いじゃない。この子、可愛くて——白髪の美少女なんてヒロインに持って来いよ」
「えっ……嬉しい!」
「ダメすッ!!! コイツ性格悪いんで!」
「へぇ〜そうなの? こんなに可愛い顔してるのに……てか、この子……ダンジョンの——あのお爺さん?」
「…………」
「はぁ!? そんな訳ないだろ」
「いや、魔力って人それぞれ特徴があるんだけど……この子の魔力は、あのお爺さんと全く一緒なのよね……
私の勘違いで無ければ——」
そして、フロックが……
「シロ……『ひぃ〜〜〜』」
シロは、逃げ出した。
「エリアル、やっぱり! お前じゃないとダメだ。
俺は、アイツを殺さなきゃいけなくなった……」
「フロック、やめなさい——ッ!」
そして、フロックはシロを捕まえると罰として四つん這いにして、椅子として使った。
「話を戻そう。エリアル、コイツは抜きにしても、本当に戻って来てくれ!」
「ダメよ……」
「何で!?『何ですッか!?』『たすけて……』」
「エルフの女王様に、里の警護を任されたの。
だから、貴方達とは戻れない……」
「そう言う事なら、女王を説得出来れば良いだけだな……俺に任せろ!!!『助けて!』
俺は、昔——エルフと旅をしていこともあるから。そいつ確か、なかなか偉い立場とか言ってたし。名前を出せば何とかなるかも知れない。『助けて!』」
「多分、無理だと思うけど——どうせ引き下がらないだろうし。
仕方ないから、女王様のもとに案内するわ……『助けて……』」
そうして、フロック達はエリアルの案内のもとエルフの女王の元へと向かった。




