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決戦

 決戦日——。


 コルバチョフ軍一万に対して、ギルド軍は三千弱……。

 数的には、圧倒的にギルド軍人間側が不利な事には変わらないが——それでもリサは、当日までにきちんと最低限の数を揃えて来た。


 国に掛け合い二千ほどの国の兵士と民間の兵、合わせて二千五百——。

 それと、冒険者を合わせて三千の兵士がリサの元に集まった。

 そして、各部隊が整列すると——リサが決戦前の士気を上げる為——兵士達に言葉を投げかける。


「今日、この日、この場所に居る。諸君を私は、誇りに思う——ッ。

 皆も見て分かる通り敵の数は、こちらより遥かに圧倒的に多い。

 しかし、我々に負けは無い——ッ! 何故ならば、それは君達が強いからだ。

 君達と私が、力を合わせれば魔王軍すら敵では無い——ッ! 我らの力を奴らに見せつけてやれ——ッ奴らを後悔させてやれーーーッ!

 全員、配置につけーーー!!!」


「「「「「「「「「「「おおぉぉーー!!!」」」」」」」」」」


 第一陣、中央前方! キバの一番隊! 数(500)その後方、エリアル弓兵(200)

 右翼左翼、二番隊! 三番隊! (350)づつ……その後方、4・5番隊(200)づつに弓兵150づつ……八番隊は、補給、回復、伝達部隊。

 そして、リサの居る本陣……兵士(500)弓兵(250)


【総勢3000】

 

  二番隊    ギバ    三番隊

  (350) (500) (350)




四番隊   エリアル   五番隊

(兵200弓150) (弓200) (兵200弓150)


 魔法部隊          魔法部隊

(20) 魔法部隊 (20)

         (10)


リサ

  (兵500弓200伝達補給100回復50)



 その後、初日の作戦がリサから伝令で伝えられると……


「初日の開戦は、ギバ! お前の部隊に任せる。

 右翼左翼は、ギバの部隊が囲まれない様に敵の監視——攻めて来るのであれば即時対処! エリアルの隊は、ギバ部隊の後方支援……あとは、追って連絡する。

 じゃー……さっそくかまして来い! キバ率いる一番隊!!!」


「「「「「おおおおおぉぉぉぉーーー!!!」」」」」


 そして、戦が始まった。


 初めにギバの部隊が攻に行くと、魔王軍は中央の部隊千だけを動かした。

 しかし、何故か他は動かない……そのままギバ部隊と中央の部隊だけが、ぶつかり合う形となり。



「部隊を千しか動かさないとは、俺達を舐めてるすッね! 目にもの見せてやるす——ッ。

 ゔぉりぃやぁーーー!!!」


「俺達も隊長に続けーーー!!!」



 そして、その日は——他は動かず……互いに中央だけが消耗して一日が終えた。


 初日を終えたギバ部隊は、怪我人は出たが死者はです……回復部隊により——速やかに治療が行われ。

 次の日には、全員——完全復活をしていた。


 そして、次の日も……また次の日も、右翼左翼での小競り合いは、少しはあるが……大きな動きが無いまま数日が経過すると

 雨が降り、辺りにカエルの声がこだまする日……ゲコー……ゲコー……ゲッ……コー……………。

 ギルド軍は、一気に交戦に出た!!!


 ぬかるんで足場が悪いなか、右翼左翼の中央の部隊が魔王軍と激しくぶつかり合い。

 互いの軍に死傷者が次々と出て行く……エリアルの部隊も後方から応援に駆けつけるが、伝令からの指示があり急いで右翼の増援に向かった。


 エリアルが到着すると、右翼では、獣に乗った大勢のゴブリン達が右翼の兵にぶつかる。

 その攻撃で、ギルド軍には被害が出ていた為にエリアルは、ゴブリン達の——その横ぱらに弓を撃ち込む。

 そして、横からの攻撃に対処出来ないゴブリン達は、次々に倒れて行く……


 それから、エリアルはゴブリンの数を減らすと——すぐさま中央の部隊の増援を命令される。 

 後は、右翼の兵に任せて良いとの事だった。

 それから、エリアルが中央へ向かい。到着する頃には、中央兵は半数にまで数を減らしていた。


「このままでは、まずい……」


 エリアルは、一番隊の退路を確保する為に必死で弓兵で応戦する。

 しかし、エリアルの奮闘むなしく。前線を押し込まれそうになるが……リサの指示により。後方より新たな部隊の導入があると、何とか難を凌いだ。

 そして、その日の戦さが終わると全兵士が本陣へと集められた。


(きっと、初日から激しくぶつかっている。中央のギバの部隊への人員の補充の為ね。

 あそこは、死者もかなり出ているはず……)


 そう思って本陣に到着すると、キバの部隊は、おろか……他の部隊にも死者は出ていなかった。

 そして、あの時エリアル達を助けた部隊が前線から一度離脱した後、回復をへて復活したギバの部隊の兵士だと分かった。

 この時、エリアルはリサの作戦を理解した。

 この部隊、ギルド側は——魔王軍より。

 数的不利はあるが、圧倒的な回復により敵の数を減らして行くと言う作戦である事に気づいた。

 しかも、それを可能にしているのは——間違いなくフロックである事も……途中、雨が降ってから増えたカエルは、フロックの眷属達……その子達が何やら動いているのだろう。

 事実、今日の戦闘で数千と言う兵を失ったのは魔王軍だけである。

 そんな事は普通なら、あり得ない……

 そして、そんなあり得ない事を可能にするのは、私の知る限りフロックしか知らない。


 そして、その日の夜——全兵士にリサからの新たな作戦が伝えられた。



「敵は、今日——かなりの兵士を失った。

 しかし、我々には被害はない! これが、どう言う事か分かるかな。諸君……

 簡単な話だ! ただただ君達の方が強い! それだけの事——!

 そして、明日——我々ギルド軍は、一気に勝負をかける。

 今より、作戦を伝える。

 初めに、魔法部隊で敵前線を最大火力を持って殲滅する。

 その後、魔法部隊は直ちに離脱——続いて混乱した敵を弓兵の一斉射撃で、叩く!

 続いて兵士による一斉攻撃で、敵戦力を半分まで削れば——我々の勝利だ!」


「「「「「「「おおーーー!!!」」」」」」」」


 その一言で、士気がより一層上がった。


 そして、エリアルはリサの元に向かうと……


「リサさん……少し良いですか?

 この戦さの本当の目的は、何なのでしょうか?」


「目的……? 目的と言うほどでもないが、しいて言えば、スネーク軍に魔王軍を合流させない事だ」


「でも……スネーク軍は、まだ侵略して来ては居ないのでは?」


「そうだね。

 だからこそ……我々に勝機があったのだよ。

 彼らは、あくまでも魔族と人間だ! それが表だって手を組んだとなるとスネーク国は他国からも睨まれる事になる。

 だからこそ彼らは、手を組んでいる事がバレないように、時間をズラして攻めて来るつもりだったのだろうが、しかし、我々も

 そのお陰で、こちらも兵士を確保する事が出来た。

 と、言う訳で……こちらも魔王軍の敵兵を削るだけ削ったら向こうの救援に向かう。

 すると、如何なると思う?」


「そうなると、スネーク軍は挟み撃ちが出来ないので手が出しにくく撤退すると言う事ですか?」


「そうだね。

 だから……それまで、こちらは——のらりくらりとやらしてもらうよ」


「そんなに、上手く行きますかね……」


「大丈夫だ! あいつが居れば、戦など——どうとでもなる。

 ただし、今回は戦闘には参戦させないけどね」


「参戦させない理由は、分かりませんが……

 それでも、彼を信用しているのは分かります」



 そして、次の日なった。


「魔法部隊は、このカエルを一匹ずつ持っていけ! このカエルには、魔力がなくなり次第——本陣に転送する魔法がかけられている。

 では、作戦開始だ!!!」


 そして、早朝からギルド軍——全軍が動き出した。

 それから、第一陣の魔法攻撃により敵の部隊は混乱すると、続いて弓兵による攻撃が敵兵を襲う。

 すると、魔物達は——背を向けて撤退を見せた。

 そして、そこを見逃すリサではなかった。

 そこに、リサの指示により。兵士達が追い打ちをかけると……敵戦力は、みるみる減らして行った。

 そして、我々ギルド軍はスネーク軍が到着する前に魔王軍を半分以上も削り——この時点でこちらの死者0人ほぼ無傷の状態で勝利が確定した。


「《《我々の大勝利だ》》ーーー!!!」


 それから次の日になり。


「リサさん……私の部隊は前線に出なくても良いのですか?」


「良いよ、休んでおけ。

 後は、中央のギバの部隊だけで問題ないから」


 そう言うと、リサはエリアルに紅茶を入れる。

 エリアルは、席に座ると……それをゆっくりと飲み出した。


「……この紅茶、美味しいですね」


「だろ。私も気に入っているんだ」


 そう喜ぶ。リサとエリアルの前に……げっそりと痩せこけたフロックが現れた。


「ボ……BOSS……俺にも、お水を一杯……」


 そして、お水を一杯飲んだフロックは……肌に潤いが戻り。


ふっかぁ(復活)ーーッ!!!」


 そして、フロックは——おもむろに高い所に登ると、何故か魔法のステッキを取り出し振り始めた。


「…………何やってるの? フロック」


「これは、あれだ——ギバの為に、レクイエムを奏でているんだ……♪」


「何かの影響? ギバは、死んでないわよ」


 そんな事をしながら、いつものようにふざけていると……突然、リサの元に一報が入る。



「BOSS……大変です! 前線の部隊がほぼ壊滅しました——ッ!!!」


「何があった、詳しく説明しろ」


 真剣な表情になるリサ……


「コルバチョフが前線現れて、物凄い攻撃を放ち……一番隊は、ほぼ壊滅——。

 ただいま残った数十名と隊長のキバで、コルバチョフと交戦しているとの報告を受けました!」


 すると、カエルの転送により。次々に前線の兵士達が本陣に転送されて来た!


「まだ息はあるな。伝令、すぐに救護班を呼んべ——ッ。

 フロック、エリアル——お前達は、前線に向かいキバを助けろ!」


「承知しました! 直ちに救護班を呼んでまりいます」


「はい、リサさん——ッ!

 フロック……あんた、これが分かっていたの!? だから、レクイエムを……」


「……冗談のつもりで、やっていただけだ。

 こんな事になるとは……でも、大丈夫だろ! ギバなら。

 BOSS——コイツらの治療は俺がします!」


 すると、フロックは体液を皆んなにぶっかけると……瀕死の者が、たちまち回復していった。



 リサは、フロックにキバを助けに向かう様に指示を出すが……フロックは、それに従わない。


「フロック、本当にキバに任せて大丈夫なんだろうな……」


「ええ、コルバチョフが出て来たと言う事は——大将戦になります。一対一ならキバなら、問題ないかと……

 それに、アイツには——今、強者との経験が必要なんです!

 それを超えた時に、アイツは更なる高みへ昇るはず……」


「しかし、息子のコルバチョフも父ゴルバチョフに引けを取らない大技を持っていると聞くが……本当に大丈夫なのか?」


「オルフェーヴル! と言う技ですね。

 純粋な威力だけならディープインパクトの方が強いですが……仲間の歓声を受けるとオルフェーヴルは、威力が上がる事により。

 ディープインパクトをも超える威力を出すとも言われております!」


「ほぉ〜……それは、興味深い。一度、両技がぶつかる所を見てみたかったモノだな……」


「はい。それは、誰しもが考える事で……

 しかし、今は——それは叶いません」


「そうであったな……」


 そんな深妙な雰囲気をぶち壊すフロックの一言……


「俺、ゴルバチョフ核からディープインパクト取り出しましたから使えますよ! ディープインパクト!」

 

 しかし、それを聞いた二人は……


「「やめておきましょう(こう)」」

 


 それから、場所は前線に移る。


 前線では、今——キバとコルバチョフがぶつかり合おうとしていた。


「やってくれたな! コルバチョフ——もう、容赦しないすッよ——ッ!!!」


 漆黒の父親とは違い黄金の毛並みを持つ。馬型の魔物のコルバチョフは、片手で大斧を担いでギバの前に立ち塞がる。


「先に仕掛けて来たのは、お前達の方だ!」


「そんな事を言ったって、あんたの父親が——お姫様を攫わなければ良かっただけじゃないすッか!」


「そんな事は、どうでもいい——我は、父を殺した者を見つけるまで、人間どもを殺し続けるだけだ!」


「えっ……あ、そうだったんすッか!?

 あんたの父親を殺したのは、先輩ですよ! 俺の知り合いなんで、呼びますか?」


「嘘つくな——!!! 父を殺した者は三人居たと聞いておる。

 父が、だった一人の人間などに負けるはずがない」


「実際は人間ではないすッけど……間違いなく。あんたの父親を殺したのは先輩すッよ! 俺もその場に居ましたから間違いないすッ!」


「お前も、その場に居たのか……ならば——殺す」


「やべ〜口が滑った……まぁ、いいすッよ!

 チャチャと先輩に、やっつけて貰おうと思ったんですッけど……こうなったら俺がやってやりますよ!!!」


 こうして、キバとコルバチョフの一騎討ちが始まった。

 コルバチョフは大きな斧を振り回しキバを襲う!

 それをキバは、剣でさばき……かわしながら交戦の隙を伺う。


「その図体で、なかなか速いっすッね!  

 でも、先輩に比べたらスピードも力も——まだまだすッよ! まぁ、だからと言って俺が勝てるかは分かりませんが……」


「減らず口は良いから死ぬ気で来い!!!」


「あんたも、ディープインパクト! 使わないんですッか!?」


「ディープインパクトでは無い! オルフェーヴルだ!!!

 望みとあらば——見せてやろう! 我、最大最高出力のオルフェーヴルを……」


 そして、コルバチョフはエネルギーを溜め! 飛び上がると、斧に——その全火力を乗せたオルフェーブルをキバに放った!


 キバは、そのオルフェーヴルを剣で受け止めるが……


ドッッッツゴォォーーー!!!


 物凄い衝撃と共に、辺り一帯は砂煙に包まれた。

 そして、砂煙が収まると……血を流し——膝をつくキバの姿が……


「どうした!? 小僧——何故、避けんかった……」


「へッ……避けるわけないじゃないですかッ!

 魔族の中でも最強クラスの威力を誇るディープインパクトと並ぶ威力のオルフェーヴルを味わうチャンスなんて、二度とないすッからね……」


「バカな奴だ! だが、生きていた事だけは褒めてやろう」


「何言ってんすッか!? こんな大技、そんなにポンポンと打てる訳がない。

 こっからが、俺が反撃する番すッよ!!!」


 すると、キバはボロボロの体で立ち上がるとコルバチョフに斬りかかった。


 キバの攻撃を受けるコルバチョフの反応速度は、明らかに下がっている事は分かるが……それでも、致命しようを与える事は出来ない。


 すると、コルバチョフが……


「もう、いい小僧——お前の実力は、分かった。あと一撃オルフェーヴルを放てば、直撃をしなくともお前は倒れる。

 ならば——この勝負、我の勝ちだ! 後の始末は手下達に任せるとする」


「まだ、勝負はついてないっすッよ! コルバチョフにげるんすッか!?」


 しかし、コルバチョフはキバの話には耳を傾けず……残った五千の手下達でキバの部隊を包囲する。


「くそッ……コルバチョフ一人なら、いけると思ったのに——この人数で来られたら、正直——お手上げすッよ……

 お前達、よく聞け! 今から俺が魔法で退路を開く——その隙に逃げろ!」


 キバは、自分一人に敵を引きつけて仲間達に撤退の指示を出す。


「でも、隊長……」


「大丈夫すッよ! 俺一人なら、必ず逃げられる。

 それに、こんな所で負ける様では——あの人達の隣に立つ資格がなくなるんすッよ!」

 


 そして、キバは覚悟を決めると……ありったけの魔力を使い火炎魔法を放つと、退路を切り開いた。


「行け! お前達……」


 部下達はキバの指示通りに撤退すると、残ったキバは——魔王軍五千に一人で挑んだ!



 その頃、フロック達は……


「これで、大体の怪我人の治療は終わったな……」


「お疲れ様、フロックよ! でも、本当にキバは大丈夫なんだろうな……」


「大丈夫ですよ! コルバチョフと一対一なら」


「…………ねぇ……フロック! 

 て、事は——一対一じゃなかったら……キバは、どうなるの?」


「それは勿論、死ぬだろうな! だって、魔王軍は——まだ五千もの兵が残っているんだぞ! さすがに、キバが強いって言っても——普通に考えて、五千は厳しいだろ!」


「それって、もしキバがコルバチョフを倒したとして、その後に魔王軍に囲まれたら……」


「…………」


 フロックの顔は険しくなり……


「エリアル……行こう……紅茶なんて飲んでる場合じゃなかった……」


「ええ……行きましょう」


「今からで、間に合うのか?」


「間に合わせます!!! エリアル、俺に掴まってくれ」


 そう言うと、フロックは舌を木に巻きつけ! 限界まで伸ばすと……


「ケロケロのぉ〜〜ロケットーーー!!!」


 フロックとエリアルは、物凄い勢いで飛んでいった。


「頼んだよ。二人とも……」



「ゔわぁあぁぁぁ〜〜あぁぁぁーーー!!!

 落ちるぅ〜落ちるぅ〜……」


「我慢してくれ! キバが危ない……」


「それは、あんたが余裕とか言って——優雅に紅茶なんて飲んでいるからでしょ!!!」


「いや〜……それは、一騎討ちならイケると思って他の要素を考えていなかった。

 こりゃ、参った参った……」


「参った参った! じゃないわよ」


「おっ! 魔王軍が見えて来たぞ!!!」


「あそこで一人で戦ってるのキバじゃない!?」


「えっ!? どこどこ……?」


「あそこよ! ほら、あそこ……」


「えっ……何処だよ!?」


「何で分からないのよ!!!」



 その頃、キバは一人——必死で魔王軍と戦っていた。


「マジで、ヤバいすッね……魔力も、ほとんど残っていないし……体力も限界ぽい。

 でも、あいつらだけでも逃がせたのは良かったすッ……」


「オラオラ! どうしたガキ!!!」

「まだまだ残ってるぞ!!!」

「殺せ! このガキを血祭りに上げろーー!」


「……はぁ……はぁ……俺もここまですッかね。

 きっと、二人が助けに来ないって事は……何かあって二人も頑張ってるって事すから……

 願う事なら、先輩……姉さん……俺は、もっとアンタらと冒険したかったすッ!!!

 ここで死ぬ俺を許して下さい……」


 そして、キバは膝をつく……


「おい! このガキ……もう限界なんじゃねーのか!?」


「カッカッカッ……これだけ暴れただけでも十分過ぎるだろ!!! そろそろ楽してやるよ」


 そして、力が入らないキバに魔物達がゆっくりと近づく……すると、何処からか声が聞こえてくる。

 

「……ォォーぃ………………ぉぉーい……大丈夫かぁーキバ……………」


「……何だ!? この声は……」

「何処から聞こえるんだ?」

「周り一帯は、俺達の軍が包囲している。助けなど、来れるバズがない……」


 徐々に近づいて来る声は……呪文を唱え始める。

 そして、空から降りて来たフロックは……


「ディープインパクト!!!」


 フロックの放つディープインパクトにより。辺り一帯の魔物とキバが一掃される……


「あんた何やってんのよ! キバまで、巻き添いになっているじゃない」


「ヤベっ……」


 二人は、ボロボロのキバに駆け寄ると……


「大丈夫か!? キバ……」


「…………先輩……姉さん……………助けに来てくれたんすッか……

 先輩達が来たから……だからコルバチョフのヤツ……オルフェーヴルを使ったんすッね……」


「そうだ! 俺達が来たからコルバチョフがオルフェーヴルを使ったんだ。

 あのヤロー!!!」


 エリアルは、フロックを一発殴った!


「いてッ……」


「早く回復しなきゃ……」


 そして、二人はキバを回復させると……


「ありがとうございますッ! 先輩……姉さん——二人が来てくれなかったら、間違いなく死んでいました」


「そうね。トドメを刺さなくて良かったわ……」


 すると、三人の元にコルバチョフが現れた。


「おい! お前ら……今の技は——ディープイン『クッソーこのヤロー! よくもやりやがったな!!!』ト……」


 フロックは、コルバチョフに全ては言わせなかった。


「キバ! コイツの相手は、お前に任せる。

 俺達は、周りの魔物達を相手するから——ちゃんと決着をつけて来い!」


「分かりました! 先輩……

 じゃー、第二ラウンドと行きますかコルバチョフ——次は、逃げらんないすッよ!」


「ふッ……よく分からんが、良かろう。

 お前を倒した後で、あのカエルに聞きたい事がある。さっさと終わらせてやる——かかって来い!!!


「行くすッよ! コルバチョフ——」


 そして、二人は——また、ぶつかり合う。



「エリアル、これを飲め!!!」


「えっ……飲まなくてもイケるんじゃない!?」


「飲んだ方が楽だ! 俺が……」


「何で、あんたが楽する為に飲まなきゃいけないのよ! 嫌よ——絶対に嫌!!!」


「つべこべ言わず飲みやがれ!!!」


 そう言うと、フロックはエリアルの口に無理矢理——液体を押し込んだ……

 エリアルは、むせて口と鼻から大量に液体を吹き出したが……体は、みるみるとカエルに変化して行った。


「げほッ……ゲホッ……フロック!!! 何するのよーーー!!!」


「エリアル、爪ガエルに変身だ! 敵がキバに近づかない様に、片っ端から切り刻んでやれ!!!」


「分かったわよ!」


 そう言うと、二人は爪ガエルに変身すると……次々に魔物達を切り刻んで行った。

 その勢いは、物凄く……それを見た魔物達が逃げ出すほどであったが、二人は——そんな事は、お構いなしに逃げる魔物も後ろから刻んで行った。





「…………何だ!? アイツらは……化け物か」


「あれが、あんたの父親を倒した。俺の尊敬する先輩すッよ!

 そんな事より——こっちも行きますよ!」


 そう言うと、体力の回復したキバは——魔法は使えないが……剣技でコルバチョフを圧倒して行く。


「どうしたんすッか! コルバチョフさん——さっきまでの勢いがないすッよ……オラオラオラオラーーー!!!」


「……くそ……この我が……こんな半端者に押されるとは……くそぉ…………」


 そして、キバは見事にコルバチョフの首を討ち取った。


「やった〜!!! やったすッよ! 先輩、姉さん……」


「「えっ……ああ、終わった!?」」


「じゃー本陣に帰るか……」


 そして、二人はキバがコルバチョフを倒す間に敵戦力をほぼ壊滅させていた。


「…………」


 その後の魔物達は……


「コルバチョフ様が討ち取られた! 撤退だ!

撤退……」


 大将が討ち取られた為に、魔王軍は撤退した。



 それから本陣に戻った三人は……リサに呼び出され! フロックが物凄く怒られた。


「このカエルが!!! 今回は、お前は手を出すなと言っただろうが——!!!

 下の者の経験にならんだろうがーー!!!」


「……申し訳ございません。ボスぅ〜」


「こうなったら、もう良い! 興味が無くなった。

 こんな茶番、さっさと終わらせてやる! お前とエリアルで向かって、スネーク軍に特大魔法を二、三発——ぶっ放して来い!

 それで、この戦は終いだ——ッ!!!」


「承知しました! BOSS——行くぞ。直ちに向かうぞ、エリアル!!!」


「何で、私まで……」


「お前ら二人のせいで、戦略もクソも無くなった。

 責任をとって終わらせて来い!」


「…………分かりました」


 そして、二人はスネーク軍の元に向かった。


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