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ダンジョン①ー③

「ゔわぁあぁぉぁぁぁぉぉぉぉーーー!!!」


 ダクトを滑り落ちて行くと、エリアルはダクトのフタにぶつかる。

 その衝撃で、フタが外れたエリアルは投げ出されて宙を舞う……


(終わった……ゎ。私、間違いなく死んだ……)


 べちゃ……エリアルは、地面に落下した。


 しかし、飛び出たダクトが低い位置に設置されていた為に死ぬ事は無かった。


「びっくりしたぁ〜! 死んだかと思った……」


 すると、何処からか……キコ……キコ……と、変な音が聞こえて来た。

 エリアルが周りを確認すると、大きな揺れる椅子に座っているお婆さん巨人が寝ている事を確認すると、咄嗟に口を押さえた。


 そして、この部屋から急いで逃げる事を選択した。


(…………起きないでよね……)


 そう思いながら、エリアルは——そぉ〜と、そぉ……っと、お婆さん巨人の前を静かに通過すると……

 お婆さん巨人が持っていた本が、ガタンッ! と、大きな音を立てて落っこちた。


 エリアルは、一時停止——! ピッタッと動きを止めて、お婆さんに目線だけを向けると……巨人のお婆さんは、薄らと目を開いた。


 しかし、エリアルは……まだ動かない。


 すると、巨人のお婆さんは——また、ゆっくりと目を閉じると眠りについた。

 エリアルは、さっきより速くなっている鼓動を落ち着かせる為に胸に手を置くと……また、ゆっくりと動き出した。

 そして、お婆さん巨人の部屋を出たエリアルは廊下で力が抜けた様に座り込むと、深いため息を吐いた。


「…………はぁ〜〜〜…………。

 これから、どうしよう? フロックと合流するには、何処に向かえば良いのかしら……」


 すると、ドカドカドカッ!!! と、走って近づいて来る足音が聞こえたのでエリアルは、近くに合ったボロ雑巾の塊に体を突っ込んだ。


 それと入れ替わる様に、巨人の母親が現れると巨人のお婆さんの部屋へと入って行く……

 その後、二人の何やら話す声が聞こえて来ると、母親の巨人が部屋から出て来た。

 そして、ゆっくりとエリアルが隠れているボロ雑巾の方へと向かって来た。


 ドクンッ……ドクンッ……ドクンッドクンッドクドクドクドクッ……………鼓動が早くなる。


 すると、母親巨人はボロ雑巾に手をかけるとボロ雑巾の山が動き出した。

 エリアルは、悲鳴を上げそうになる口を押さえて……


(これは、ボロ雑巾じゃなくて……生き物!? 巨人達のペット!?)


 そして、母親巨人はボロ雑巾ペットにテーブルにあったお皿の匂いを嗅がせると、ボロ雑巾ペットは、周りの匂いをクンクンと嗅ぎ出すとクルクル回って吠え出した。


(……ちょっと、やめて——ッ……この雑巾、私が近くに居る事に気づいてる……)


 しかし、母親巨人は……その行動の意味を理解できなかった。


(よかった〜。とりあえず、ここにいれば安全ね……。

 それならば、巨人が居なくなるまで少し待てば良いだけ……早くどっかに行ってくれないかしら)


 しかし、母親巨人がそこから立ち去ろうとすると……ボロ雑巾ペットは、母親巨人の後をついて行った。


(ちょっと……この雑巾、何してんのよ!

 話が違うじゃない。あんたは、私とフロックの匂いを嗅いだんだから次は、フロックを探しに行くのよ)


 しかし、ボロ雑巾に乗った。エリアルは、最初の場所に戻って来てしまった。


(…………最悪だわ。

 やっとの思いで、この場所から逃げ出したのに、初めの場所に戻って来てしまうなんて——フロックは、きっと——何処か違う場に行ってしまったと思うし。

 早く合流したいのに……)


 そんな事を思いながら……

 棚の上の水槽に目を向けると、水槽に閉じ込められたフロックの姿が、そこにあった。


「あんた!!! 何してんの……」


 エリアルは、咄嗟に口を押さえる。


 しかし、さっきまで居た母親巨人の姿が無かったので……何とか見つからずにはすんだが、声が聞こえたボロ雑巾が騒ぎ出した。

 エリアルは、必死に捕まりながらフロックを確認する。

 すると、フロックは……ただただ天を仰ぎボーとしていた。


(アイツ……マジで、何やってんのよ。

 あん時、俺は大丈夫だ! とか言ってなかった?)


 水槽を見てみると、脱出しようとした痕跡があり……水槽の壁は、フロックの手垢でビッシリ……しかし、無理だと判断したフロックは、その後、ボーとしている事が分かった。


「あのバカを私が助けなきゃ!!!」


 そして、エリアルはボロ雑巾ペットが棚の方を向いた時に——ボロ雑巾に全力で雷魔法をお見舞いした!


 すると、電撃を受けたペットは——ビックリして棚に激突すると、上の水槽が揺れて地面に落下……粉々に砕け散った。


「……フロック、生きているわよね……」



「ヨッシャーーー!!! 脱出成功!!!」


「あんたは、何もしてないでしょ! 私が助けたのよ!!! 

 って、そんな事は——どうでも良いから早く——ッ。このボロ雑巾に飛び乗りなさい」


「なんだ!? そいつは……犬か?」


「知らないわ。良いから襲われる前に、飛び乗りなさいよ!」

 

 そう言った矢先に、ボロ雑巾はフロックに襲いかかった!!!


「フロックーーー!!!」


 しかし、フロックはボロ雑巾の攻撃をかわすと——お腹に回り込むとペタペタとよじ登ってくるとエリアルの隣へとやって来た。


「これから、どうするんだ!?」


「………………。まぁ、いいわ……

 このボロ雑巾を使って、外に脱出しましょう。フロックは、舌を使って——この子の首を固定して——私は電撃を使って、この子を走らせるから」


 そして、エリアルとフロックはボロ雑巾を使い巨人の家中を走り回った。


「ヴわあーーー!!! 巨人に見つかる、見つかる——ッ!」


「関係ない……このまま、駆け抜ける——」


 途中、巨人達に見つかるも——ボロ雑巾の方が足が速い為に、捕まる事なく。

 二人は、無事に外へと脱出に成功した。

 

 そらから、外に出た二人は——最後にボロ雑巾に、ありったけの雷魔法をお見舞いすると、ボロ雑巾は気絶をした為に——二人は、無事に——その場から逃げる事が出来た。



「屋敷を出たら巨人達は追って来いないけど……ここは、もう五階層に入ったのかな?」


「知らないけど、そんな事よりボロ雑巾、ちゃんとお家に帰れたかな……?」


 ボロ雑巾を心配するエリアル……


「それこそ知らんがな!」


 そして、エリアルとフロックが——今いるこの場所は、巨大な昆虫と獣が生息する森であった。

 その為に、二人が先に進む為に——歩いていると、時たま出現する。虫達は、フロックが瞬殺するとムシャムシャと食べ始めた……。


「お前も食べるか?」


「いらないわよ。昆虫なんて——!

 私は、獣でも捕まえて食べるわ。声も聞こえるし必ず居るはずだから」


 そして、二人の目の前に現れたのは——巨大な野ウサギ……それを見て二人は——。


「こんな愛くるしいウサギを捕まえて食べるのか? お前は……」


「……ぇ、ええ。生きるためよ……」


 睨み合う両者……ウサギも二人を警戒して動かない……

 すると、突然——ウサギの頭に一本の矢が刺さる。


「え……!? フロック、何かした?」


 バタンッ……!!! 頭を射抜かれたウサギが大きな音を立てて倒れる。


「俺は、何もしてない」


 すると、大きな手がウサギの耳を掴むと持ち上げる。

 そして、二人の前に姿を表した。巨人の父親と二人は目がしっかりと合った……。


「「ぎゃぁぁあぁぁぁぁーーー!!!」」


 無我夢中で走り出す二人——。


「ここは、ただの巨人の庭だったのか!!!」


「ど、どどうするの? フロック!?」


「知らねーよ。今は、逃げるだけだ!

 このまま五階層を目指す! そこまで行けば追って来れないはず……多分……」


 しかし、地響きの様な巨人の足音は——どんどん近づいて来る。


「このままじゃ、追いつかれる!!!」


「来い! エリアル……」


 そう言うと、フロックはエリアルを抱き抱えて舌を伸ばし——立体機動の様に、飛んで逃げた。



 そして、二人が必死の思いで逃げ込んだ。


 その場所は、五階層——。


「エリアル、巨人が追って来る気配は消えたが……」


「よかった〜……。これで、一安心ね」


「いや……この先から複数の気配がする。

 一応、これを飲んでおけ」


 フロックは、そう言ってMPポーションを手渡した。


「嫌よ——ッ! これ、あんたの体内で作ったやつでしょ。そんなもん飲むわけないでしょうが——」


「好きにしろ。敵が、来るぞ! エリアル——注意しろ!!!」


「えっ——!? もう少しは、休ませてよ……」


 そんな事を言っている間に、二人は——数百……数千……数万の昆虫のモンスターに囲まれていた。


「気持ち悪い……どれだけ居るのよコイツら……」


「知らん! が、四方を囲まれた。

 このままでは、なぶり殺しにされる。とりあえず、突破口を見つけ出す!」


 そう言ってフロックは、虫の群れに飛び込んで行った。


「分かったわよ。やれば良いんでしょ、やれば!!!」


 エリアルも戦闘に参戦!!! 

 二人は、次々と虫を葬って行く……しかし、一向に虫の数——勢いは衰えない。


「どれだけ居るのよ。コイツら……」


「違うぞ! コイツらは、倒す度に増えてやがる。このままじゃジリ貧だ……。

 エリアル少しの間、時間を稼いでくれ!」


「いや、MPもカラだし。一人は、無理無理——!!!」


「なら、MPポーションを飲んで魔法を使え——死の後の言っている場合じゃないだろ!

 奥の手を使う為には、時間が必要なんだ……だから、頼む。時間を……オラに時間を分けてくれ——ッ……」


「そんな事、私だって——分かってるわよッ!

 ポーションは、もうとっくに飲んでるの……それでも、無理なの。

 一匹一匹が速いから対処するので、やっとよ」


「えっ……そうなの? なら、どうしよう……

 俺もおくの手を使いたいけど、溜める必要があるし……」


「溜めがいらない。奥の手は無いの!?」


「そんな都合の良いもの、あるかーーー!!!

 この数を相手にするには、あの魔法が一番効率がいいが……仕方ない。

 こうなったら。まだ、試作品だが——試してみるか、あの薬を…………」


「何かあるなら、早く試しなさいよ!!!」


「お前が、そう言うなら。問題ない! エリアル、これを飲め——ッ!

 これは、俺の自然エネルギーを凝縮して抽出したものだ!

 これを飲めば、カエルに変身する事が出来る」


「なに……これ……?」


 フロックは、エリアルにビンに入った白い液体を手渡した。

 これは、フロックが巨人に捕まっている時に、暇でやる事が無かったので……ボーとして自然エネルギーを集めながら体内で生成していたもの。


「こ……これを飲むの……!? 私が……

 でも、これを飲めば……カエルに変身できるのよ……ね……。でも、これは……抵抗が……」


 エリアルは、すっごく悩んでいた……ポーションとMPポーションは、粘度は違えど色は同じの為に——見覚えがある。

 気分的に、ある物。似ている物なら、何とか行けるが……

この液体は、乳白色……なんか、ものすごく抵抗があった。


「何してる! 早くしろ! エリアル——もう、持たない……」


 エリアルの頭の中には、今の状況とフロックの言葉がグルグルと回り出した。


「うるさい——ッ! 分かってる。分かってるから……焦らせないでよ——!」


 そう言うと、エリアルは……覚悟を決めて——ッ! その液体を一気に飲み干した。


「…………なんか……喉ごしも……味も……気持ちが悪い…………最悪の気分…………」


「吐くな! 吐くなよ! エリアル……」


「…………ワガッデル………………」


 そして、エリアルの姿はカエルへと変化した。


「ヨッシャーーー! 成功だ!!!」


 しかし、カエルに変化したエリアルは——グロッキー状態だった。


「エリアル、がんばれ!!! 俺は、魔力を溜めるから……後は頼んだぞ」


 そして、グロッキーエリアルは必死に虫達と戦い続けた。





「待たせたな! エリアル——準備は、整った!!!」


 そう言う。フロックの周りには、大量の紐状の水魔法が浮遊している。


「奥義! 《《水千手観音》》!!!」


「フロック……私、もう戦わなくていい……?

 気持ちが悪い……」


「助かった。後は、俺に任せろ!」


 そう言うとフロックは、一本の水の腕でエリアルを優しく包み込むと、自分の近くへと運んできた。

 それをフロックは、抱き抱えると……


「ありがとう。あとは、ゆっくり休んでてくれ……」


 その言葉を聞いたエリアルは、静かに目を閉じて眠りについた。

 そして、それとほぼ同時くらいにエリアルのカエル化は解けた。


「五分って、とこか——まだまだ改善の余地がありそうだな……」



 それからのフロックは、凄まじかった。


 水千手観音の腕は、水の刃と化し……昆虫達の硬い甲羅も、もろともせず切り刻み——粉々にして——フロックは、残酷にも不条理にも……五階層をゆっくりと進んでいく。

 しかし、一つ……一つだけ! のこ術の難点を言うとするなら。

 魔力の消費量が馬鹿みたいに多い事だったが……

 フロックは、それを解決する策も考えていた。

 それは、エリアルの為に作ったMPポーションを飲みながら倒したモンスター達を次々に食べて行く事により。異常なまでに魔力を消費する魔法だが……継続、維持する事が出来た。

 その為に、フロックは——エリアルをお姫様抱っこをして一歩一歩……ゆっくりと進む。

 エリアルを抱っこして塞がった手の代わりは、水千手観音の腕が……ポーションと倒したモンスターを次々に、フロックの口へと運んで行く。効率的なエネルギー回復……


 しかし、クチャクチャ……ペチャペチャ……と食べるフロックの下では、エリアルが食べこぼし飲みこぼしにりよ。

 顔や体がベタベタになっていたが……疲労でぐっすりと寝てしまっているエリアルは、自分の顔や体に——虫の触覚や手足……羽などがついている事には気づかない。


 そして、二人は——そのまま五階層を抜けた。



 二人は、だだ今——六階層。ダンジョン内にある唯一のセーフティーゾーンいわゆる安全地帯である。


 そこで、フロックは湖の水を使いエリアルを洗い流していた。


「…………冷たいッ…………」


 それにより、エリアルが目を覚ます。


「…………私が、気絶をしている間に五階層を抜けたのね……

 ところで、フロック……湖で何をしているの?」


「洗い流していた……」


「……何を?」


「汚れ……」


「ああ、そう言う事……戦いっぱなしで、汗もかいているからね。

 私、このまま水浴びをしようかしら」


「なら、俺は——その辺で果物でも探して来るよ」


「ありがとう。でも、果物って——フロックだってお腹すいてるいるでしょ? 自分の分は良いの?」


「大丈夫だ! 俺は、お腹いっぱいだから」


「それなら、良いんだけど……

 なら、お願いして良いかしら。戦闘も任せたのに、本当に——ありがとうね。フロック——」


 エリアルがフロックに感謝を伝える。


「ああ、気にするな……」


 そうして、エリアルは水浴びをフロックは果物を探しに行った。


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