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81 第9章第12話 中堅戦

【鬼平さん、先鋒戦(せんぽうせん)はあっけなく終わってしまいましたね】

【そうですね。あのトランクスお姉ちゃんのジャンプ力は脅威ですよ。あのジャンプ力に対抗するためには空を飛ばなきゃだめですね】


【おっと、今、ベテラン鬼チームからクレームが入りましたよ……なになに、……えっと、鬼は空を飛べないんだから空中戦は禁止にしてほしいということです……この件について解説の鬼平(おにへい)さんどうですか?】

【まあね、本当は空を飛べる鬼はいるんですよ……でもまあ、今回の場合、飛べそうなのは相手チームですからね。特に、次の中堅戦の相手は、あのビキニ姉ちゃんでしょ】


【そうそう、中堅戦は、金太郎と戦った鬼助 対 とっても可愛いビキニお姉ちゃんです】

【ん? 実況のキーさん? なんか私情が入ってませんか?】


【いえいえ、そ、そんなことはありませんよ。あのピチピチトラジマビキニギャルは、とっても強そうなんですよね。なんか空も飛べそうですし、電撃攻撃(でんげきこうげき)とかもしそうな勢いを感じますよ】



 何、言うてんの? ウチなんか空飛べへんし、電撃だって出せへんもん。博士に借りた奴は相手に接触せんと電撃にならへんのよ。離れてても電撃飛ばせたら、便利やけどね。



「ふんっ、俺は金太郎と戦ってたんだ。最後は、金太郎には負けたけど、金太郎の相撲の技術はぜーんぶ俺のものにしたんだ。お前なんかにゃ、ぜーったい負けねえぜ!」



【おや? どうも鬼助(おにすけ)は、相撲の技を仕掛けるようですね】




「別に、ウチはかまへんよ! どんな戦い方だって出来るんやから!……あ、ラビちゃんはここで待っとってね」

『きゅるるる……(あせったわ、ワタチも一緒に連れて行かれるかと思っちゃった。こんな戦いカグちゃんだけで、頑張ってよね!)』

「はいはい、すぐ終わらせて戻ってくるさかいね」




【相撲ですか?……これは、まずいですね!】

【え? どうして相撲がまずいんですか?】


【キーさん考えてご覧なさい。相撲の基本は、がっぷり四つに組むんですよ! 胸を合わせるんです!】

【おおおお! そりゃあ大変ですね鬼平さん!】

【何と羨ましい!……あ、いや……恐ろしい!】



【さあ、いよいよ時間です。審判の青さんが、2人を土俵の中央に集めて……】



 カン!



【今、戦いのゴングが鳴りました!】




「さあ、思いっきりぶつかってこいよ!」

「何さ、ウチの当たりを受けようっていうん?」

「さあ、さあ、さあ……パチン、パチン!」



【おーっと、鬼助は自分の胸を力一杯叩いて威嚇しています】



「じゃあ、行くわよ~ やああああーー」


 ぷよ~ん……ぺちょ!


「何や、あんた体がベタベタやないか!」

「あははは……直前までぶつかり稽古してたからなあ~あははは……どうだ、もう逃がさないぞ!」



 もー、汗臭いし、体くっつけるし、きもいわ~!



【おおっと、ビキニお姉ちゃんが鬼助に捕まった!】

【間違いなく、がっぷり四つですね。お互い右手が上手になってます。ん? ああ! あああ!】


【どうしました? 解説の鬼平さん】

【こ、こ、これはいけませんね。2人ともマワシを付けて無いんですよ】

【ええ、これは相撲じゃありませんからね。無差別級とでもいいますか、戦い方は自由なんです】

【だ、からですよ! 鬼助はマワシの代わりにビキニボトムを掴んでるんです】



「は、博士! 伽供夜(かぐや)君、あんなとこ引っ張られたら、水着が脱げてしまうんじゃないか?」

「社長、大丈夫ですって。素材は、超弾力性のある特殊ゴム繊維ですから、幾ら引っ張られても平気ですじゃ。しかも、通気性抜群だから、着心地満点!」

「ほっ、なら、安心だけど……やっぱり、相撲は不利なんじゃないかなあ……」



「へへへ、どうだい? このまま思いっきり引っ張って、引き千切っててやろうか? え?」

「まったく、何考えてるんだか。そんなに力があるんなら、もっと別なことに使いなさいよ!」

「うるせえよ、俺は、どうしても勝たなきゃならないんだ! じゃあ、行くぞー ゥゥううんんんー!」



【あ、鬼助が手に力を入れて、ビキニボトムを引き千切ろうとしています。このままだと、相撲ではマワシが取れた方が負けなのですが】

【待ってください、あのビキニボトム、もの凄い伸びてますよ~……全然、引き千切れるようには見えませんね……残念……あ、いや、大丈夫でしょうか?】




「うおおおおおー、なんだ? どうしたというんだ?」

「まったくさー、きちんと相撲の技でも使うんならええのに……ほな、ウチも奥の手を使わせてもらうわ! エイ!」


 ビビビビビビビビビビビビビ


「ぎゃあああああああ!」



【おっと、どうした? 鬼助が、手を離したぞ! 汗で滑ったか? いや違うみたいです。鬼助はしきりに手を摩っています。ビキニお姉ちゃんが鬼助の手に何か攻撃をかけたんでしょうか?】

【どうも、電撃があったようですね……やっぱり、あのコスチュームなら電撃は必須ですからね】



「さあ、鬼助はん、これでお終いやーーやあああああーーーーーー!」



【おっとーー、ビキニ姉ちゃんが、片手で鬼助を持ち上げ、頭の上でぶん回し出したあああーー】

【あーあ、あんなに回されたら、絶対目が回りますよね。それにしても、凄い力です】



「ほいっ!」



 ドン!



 カン! カン! カン!



【勝負あった! 鬼助は、目を回して気絶しています! 勝利は、ビキニお姉ちゃんです!】



 やれやれ、こんなところで香子(かおるこ)はんをいつも担いで家に連れて帰るのが役に立つなんて思わへんかったわ。これも、博士はんの重力調整器のお陰やな!





「ええええー? 伽供夜さんまで勝っちゃうの? あんな人並外れた馬鹿力で? ええ? 私なんかペンより重い物持ったことないのに~」


 なんや、最後は記誌瑠(きしる)はんさけ、頑張ってほしいわ。せやけど、さっきから顔色が優れへんのよね。大丈夫やろか?




(つづく)




 最後までお読みいただけて、とても嬉しいです。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
なんていうかビキニだと、普通に脱がせられそうに思うのですけど、引きちぎろうとするなんて……紳士なのか気付いて無かったのか。 相撲で電撃は反則級ですね〜w
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