55 第7章第6話 再びの襲来
……ドスン、……ドスン、……ドスン、……
「ひぇー、あの石地蔵が歩くたびに、地面が揺れるわ~」
「きっとものすごい重さになってるんだ!」
「さ、早く、みんな出撃じゃ!」
「「「「 ラジャー 」」」」
いやー、燃えてきたでー。石地蔵はんが2階建てビルぐらいになっとる。いい標的じゃあ。やってやるやないのー。
「ラビちゃん、いい?」
『OKだよ、カグちゃん!』
「よし! かぐや、行きまーーーーす!」
ホント、ウチ、操縦が板についてきたんや。みなはん、遅れんといてやー!
「博士! 今度は力の勝負だな!」
「そうだな、頑貝ちゃんの出番だぞ! 力で負けちゃいかんぞ!」
「任せてくれよ! じゃ、みんな合体だ!」
何やて? 合体か! あ、元のジゾウロボットの形になるんやね!
「みんな、操縦桿の中央にある合体マークを押すんじゃ!」
「博士はん、この『合』のボタンやね!」
「そうだ! それじゃ、みんないくぞーーー!」
「「「「「 レッツ! 合体 ジゾウ・ファアーイブ・合掌! 」」」」」
チン!
何や? 何や? どこからかテンポのいいBGMが聞こえるわ!
「どうじゃ、自前のBGMじゃ、小刻みなビートにリズムあるドラム、低音から這い上がるバイオリンのメロディ、次第にトランペットが響き渡る……最高じゃろ!」
「ところで、最後の『合掌』って、何なん?」
「伽供夜ちゃん、これはジゾウロボットだよ。ありがたく、乗らなきゃダメなの!」
「そうか、ウチ、ちゃーんと合掌するで~……右手の掌の皺と左手の掌の皺を合わせて、シワアワセ……ナンチャッテ!」
よーし、何か調子いいやん!
おお、まず記誌瑠はんの機体が半分になって地面に着地やね。足やね。……次に博士はんの腰の機体が突っ込んだわ! ぶつかるーーーー! わ! セーフ。……何とかうまく繋がったんや。……次に腰の上に頑貝はんの胴体が上から降りて来たわ。これは逆噴射しながらゆっくりやね。 よし! 接続完了や。……あ、頑貝はんの機体が半分に分かれて胴体にくっ付いた。これ、腕やね。……最後は、ウチ機体や、頭やね。うっわわわ、すっごいスピードや、早く減速、減速っと!……
『カグちゃん! 180度回転よ! 逆噴射!』
「了解ラビちゃん、逆噴射マッーーークス! ゴーーーー!」
ガッキーーーン! 異次元戦隊ジゾウロボ・ファーーイブ!
やったー、合体したで! 後、右手を高らかに付き上げて、決めのポーズも決まったやん。ちゃんとBGMも終わってるし……
「よし、行くぞ! 石地蔵!」
「頑貝君、最初は安い武器で試してよね! 高いミサイルとかは、後だからね! いい!」
「はいはい、分かってますよ、記誌瑠……じゃあ5本指ショットガンだ!」
ババババババババババ……
「ダメだわ! 全部弾き返されてるわ」
「見なはれ、石地蔵はんは、なんかチョッキみたいなのを着てはるよ!」
「あ、あれは防弾ベストだ! ワシらの打つショット弾は、全て跳ね返されるぞ!」
「くっそー……じゃあ、今度は、熱光線だ! 食らえ! 頭ツルピカビーム!」
ビビビビビッビビビビビッビビビビビビーーー
「さすが博士、ジゾウの特徴である坊主頭を巧みに利用した素晴らしい武器……って、言いたいけど、ちょっとダサくない?」
「香子の言う通りなんだ……俺もあんまりこの武器は使いたくないんだけど……」
「あ、このビームもあかんわ……全部、石の体に吸収されとるわ!」
「くっそー……今度は、力の勝負だ! 行くぞーー!」
頑貝はん、頑張るわ。 全力でダッシュして、石地蔵に体当たりや。行けえええええーー!
ガッシッ!
お互いの両手が組み合ったやん。石地蔵とジゾウロボの力比べやね。
ミシミシミシ……ギギギギギギ……ギョギョギョ……ギギギギ……
ダメや、ロボの方が……変な音出してるやん! 体が軋んでるんやわ。
「くっそ、このままじゃこっちがモタナイ……一回離れるか!」
ジゾウロボの片足が上がって、相手のお腹を思いっきり蹴った。これで、少し距離が開いたんや。
「よし、イッケー……ロケット・グー・パーーーーーンチ!」
「え? 何? 徹!ってば、何やってんの? 腕を飛ばしたわね!!」
「あれ、変だな~……真っすぐ飛べば、奴にグーパンチが当たるはずなんだけど、するっと避けてしまったなあ~」
「徹のバカーーーー! あたしが乗ってる腕を飛ばしてどうするのよ! あたしが、ぶつかってやられるじゃないのーー!」
「へ? 香子が乗ったまま?……博士、ホントなのか?」
「いやーー、すまんすまん。リモコンで飛ばすつもりだったんだけど、経費削減でな~操縦したまま飛ぶことにしたんじゃ」
「もー、博士! 危ないじゃない! 徹、もうダメよ、グーパンチなんか使っちゃ! いい!」
「はいはい、もー……しゃーない、記誌瑠許せ! 最後の頼みだ、メガトンミサイル発射――!」
よっしゃー、とうとう頑貝はん、ミサイル使うんやーー。
ドッカーーーーン モワモワモワワワワーーーーーーワッワワーーーーー
「やりはったね、頑貝はん。ミサイル命中や! でも、何だか白い煙がワンサカ湧いてきよったなあ、何やろね、ラビちゃん」
『うーん、あれは爆発の煙とは、違うようね~』
「だんだん煙が晴れて来よりましたなあーー」
(つづく)
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