297 第23章第24話 地球を救う最大の武器?
「うん…………。大丈夫や! ウチ、何か分からんけど、自信あんねん。きっとうまいことやってみせるから」
「そうよね、かぐやちゃんなら、きっと大丈夫よ! ねっ〔パッチン〕!」
あ! それや、また、香子はんの片目だけ瞑るやつ……。記誌瑠はんもやっとったけど、いったいなんや?
「なあ、香子はん? うち、聞いてええか?」
「え? 何よ、こんな時に」
「なあ、香子はん、時々片目瞑るやろ? 目でも痛いんか?」
「????」
「時々、記誌瑠はんもやるんや。ウチ、目薬を持ってきたんやけど、使うか?」
「ぷっ……うふふふふ、ふぁふぁふぁあああああああーーーー」
「なんや、そないに大笑いして香子はん? 何がそないにおかしいんや?」
「だってえ~かぐやちゃんったら~…………ねえ、きしるちゃん」
「ふふふふ、もう、冗談はいい加減にしてね伽供夜さん」
「え? 冗談やないよ。ウチ、ホントに目薬持ってきたんよ……ほらっ!」
ウチは、月を出発する前に慌てて探した目薬をポケットから出して見せたんや。そしたら、社長はんや頑貝はん、博士はんまで、大笑いをはじめてしもうたんや。
なんだか、ウチが笑われてるみたいで、少し腹が立ってきたんやけど……。
「あははは…………ごめんね、伽供夜君。なんて、君はいい子なんだろうね」
「そうじゃな、……ウィンクを病気と思ったんじゃな」
「あーあー、だから、お前は俺の気持ちも分からねえんだよ、まったく!」
え? どういうことや? ウィンクって何? それに、なんか今、頑貝はんが、“俺の気持ち”とかゆうてるけど、なんやそれ?
「なあ、そないに笑ってばかりやなくて、博士はんなら科学的に説明してえな!」
「あははは……え、え? 科学的にか?……まあ、ウィンクっていうものは、目の周りにある眼輪筋の収縮で起こるんじゃが、この筋肉は人が意識して動かすことができるんじゃ。だから、やろうと思えば片目だけを瞑れるんじゃ。ま、大抵人間は瞬きをする時は両目同時なんじゃが、あえて片目だけ瞑る時は、特別な意識があるっていうことだな」
「じゃあ、片目だけ瞑るんは、病気じゃないちゅうことなんか?」
「ダメよ、博士。そんな難しいことを言っても伽供夜さんには分からないわよ。…………あのね、伽供夜さん、片目をつぶるウィンクは特別な気持ちがあるからなの。女の子がね、片目だけ瞑って笑顔を見せると、普通の何十倍も可愛く見えるのよ! だからね、そんな可愛い顔を見せたくなる相手って、どんな人だか分かるでしょ?」
「そりゃあ、可愛く見せたいのは、好きな人やないかな?…………え? ホンマか? そういえば香子はんは社長はんに向かって、記誌瑠はんは水野博士はんに向かってだけ片目を瞑っとったわ! ええ? ほんなら、あれは、……そういうことなんか!」
「もう、かぐやちゃんったら、やっと分かったの、まったく、もー……☆⌒(*^-゜)v」
「それに、今みたいに香子さんがウィンクしても、大好きな伽供夜さんなら嫌な気持ちにはならないでしょ? ね、こんなふうに! ☆⌒(*^-゜)v」
「ホンマや! なんか、ウチも嬉しくなってきたわ!」
じゃあ、……ウチも真似してみようかな……☆⌒(*^-゜)v 「どうや?」
「うん、可愛いよ!」
「ええんじゃないかの!」
「そう、その調子よ、かぐやちゃんもできるんじゃない!」
「上手い、上手い、笑顔も大事だからね!」
「ちぇっ……可愛いじゃねえか、くっそ、俺だけに見せてくんないかなあ~」
なんか、頑貝はんの感想だけ、声が小さくて上手く聞こえんかったわ。
「え? 頑貝はん、なんやて?」
「あ、ああ、……ううーーっ、…………か、可愛いじゃ・な・い・か!」
あれ、頑貝はんやけに大きな声で叫んだと思ったら、顔が真っ赤になっとるわ!
(つづく)
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