293 第23章第20話 最後の?……ミッション
「よっしゃー! これで全部片付いたわ!」
香子はんは、すべてのクルクルロボットをレーザー光線で起動不能にしてから、抱えてるロボットにも正拳突きをお見舞いして動かんようにしてしもうたわ。
なんか、ほとんどのロボットは香子はんがやっつけたみたいな感じやね。せやけど、まったく疲れてるようにも見えんわ。ひょっとして、まだ物足りないんかもしれんな。
「みんな! こっちよ!」
ウチらは、香子はんの指示で廊下の突き当りまで走ったんや。
「あ、確かここは初めにウチらが誘導されて来たとこやね」
「ちょっと待てよ……確か、この辺に……あ! あったぞ! この切れ込みだ!」
頑貝はんが廊下の壁にある切り込みを見つけたんや。でも、あん時は勝手に入り口が開いてくれたんやけど…………やっぱり今は無理やね。
「どうするよ、香子。中には入れないぜ!」
「何、情けない事言ってんの徹は。……こんなもんは……こうやって…………んんんんんんんん、うううううううーーーーんんん…………」
「え? え? 香子君? それ、手で開けちゃうの?」
「あははは……だ、大丈夫じゃよ……たぶん。……香子ちゃんの力なら……」
「うううううんんんんーーーーーんん! やあー!!」
メキメキメキ、バキバキバキ……グシャアーーーーン!
「ふー、よし! 開いたわ!」
「「「「「 おーーー! 」」」」」
香子はん、力ずくで開けてしもうたわ! さっすがやね。
中は、あのままやったわ。部屋の壁にはたくさんの機械が埋め込まれ、真ん中には、あのゲーム専用の椅子が並べてあったわ。
椅子の数は6脚と…………それに小さいのが1つ。
そうや、ラビちゃんはもう居ないんや。…………いや、居ないんじゃなくて、ウチとドウキしたんや。ここに、ラビちゃんはいるねん。
「博士はん! 早速、この異次元転送マシンを修理、……んや、元に戻して欲しいねん。タイムマシンにな!」
「おう! 分かったぞ、伽供夜ちゃん。……記誌瑠ちゃん、手伝いを頼むな。この部品を組み込んで回路が正常に動くように、いくつか切り替えをする必要があるんだ」
「大丈夫よ、博君! ここに、テスターと精密ドライバー、それに各種コンデンサにハンダゴテも用意してるわ」
「さすがじゃ! ワシが見込んだだけはあるのう」
ホンマ、記誌瑠はんはいい助手になったんやな。
「なあ、社長はん? 記誌瑠はんも人類委員会からスカウトがあったんか?」
「あ、ああ……。いや、記誌瑠君は、博士が探し出したんだよ。どうして彼女をスカウトするのかって聞いたことがあったんだけど、博士はただ“感”だとしか言ってなかったんだけどね」
「へー、そうなんや。せやけど、人工知能0099と博士はんは同じようなとこがあるから、間違いなく未来のことが分かってたんと違うかな?」
「そうだね、だから“感”だって言ってたのかもしれないなあ~」
「すまん! 機械の調整に10分、ワシにくれんか? その間に、目的の時代を決めておくれ?」
「博士はん、そんなのはもう決まってるんや! 行き先は、あの人工知能に博士はんのデータが取り込まれた時や! その研究リーダーのジョンはんと勝手に組み込まれた博士はんの他に、もう1人0099の中に放り込んでやるんや!」
「え? かぐやちゃん、それは誰なの?」
「おいおい、俺が放り込まれんじゃないだろうな?」
「ひょっとして……まさか……」
ウチの言葉を聞いて、みんなはびっくりしたような顔してる。せやけど、もう決めたんや。これしかすべてを上手くいかせる方法はないんや!
「それは、行けば分かるんや! さあ、みんな大人しく椅子に座って、博士はん達の作業を待つんや!」
(つづく)
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