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284 第23章第11話 対決、雪ダルマ?

「……う、……うっ、…………こ、ここは……どこや?…………」




 《気が付いたかね……》




 な、何や? 声が聞こえるわ……ここはいったいどこなんや? それに、みんなは? 社長はんは? 香子(かおるこ)はんは? 頑貝(かたがい)はんに記誌瑠(きしる)はん、それに博士はんの姿も見えへん。


「ラビちゃん!……ラビちゃん!……」




 《呼んでも無駄だよ。他の人達は、別室で休んでもらってるんだ。……私はね、君と話がしたかったんだよ》




 気味が悪いやんか。姿を見せんと、声だけなんて……。ウチかて、声だけの相手なんか、ようせえへんわ。

 段々と頭もハッキリしてきたんや。ここは、多分やけど、この前に居た宇宙ステーションちゅうところやわ。天井や床なんかの作りが同じやもんね。どことなく、殺風景で金属そのままちゅう感じや。ただ、とにかく広いんや。小さな体育館ぐらいはあるんやないやろか。それにど真ん中に大きな雪ダルマみたいな形をした機械があるんや。もちろん雪ダルマやないんやけど、大きな球体の機械が2段重ねになってるんや。

 ウチの背丈の2倍はあるんやないやろか? それに壁にもビッシリ機械が埋まっとるわ。




 《そんなにキョロキョロして、ここが珍しいかね?》




 また、声がしたんや。その真ん中にある(ゆき)ダルマにも、たっくさんの機械が埋め込まれておるんや。小さなモニターみたいなもんもあるし、ランプやボタンなかもぎょうさんあったわ。針が付いたメーターもぎょうさんあって、どれも忙しなく動いてるんや。




「ひょっとして、あんさんは、この雪ダルマの中におるんか?」




 《雪ダルマ?…………ああ、君にはそう見えるのかい? そうだね、まあ、私は、この雪ダルマの中にいるのかな。どうしてそう思うんだい?》




「だって、あんさんがしゃべる度に、雪ダルマの目が、ピカピカ光っとるやんか」




 《…………ふふふ、やっぱり君は、面白いことを言うんだね。…………だから、私は、君をここに呼んだんだよ》




「ラビちゃんは…………他のみんなは、無事なんか? 元気なんやろな?」




 《大丈夫だよ。ほら、…………》




 雪ダルマのモニターの1つに、社長はん達が映ったんや。あの最初の部屋や。あの椅子に座ったまま、みんな寝ておるわ。口元も動いとるし、苦しい顔はしとらんから、無事なことは分かったんやけど…………。



「なあ、あのベルトは何なんや?」




 《ああ、あれは、安全のためだよ》




「そうやない! あの手も動かんようにひじ掛けに付いてるベルトや!」




 《ふふっ……あれも安全のためだよ。……勝手に暴れられて、私が壊されたらたまらないからね……》




「壊す?」




 《そうさ、最初、あの男の子なんか、銃のようなものをあちこちの壁に撃ってたじゃないか? あの時は、威力が無かったから良かったけど、もっと強力なものも持ってるかもしれないじゃないか》




 なんか信用できんわ。ラビちゃんまで、動けんように手足にベルトが巻かさっとるねん。こりゃ、とにかくウチが話を付けんといかんちゅうことやね。


 ウチは、雪ダルマを睨みながら、どうしたもんかと頭を捻ってみたんやけど、何も浮かばんわ。こんな時、ラビちゃんなら「この、ポンコツめ!」って言って、必ずヒントをくれるんやけどな…………。




(つづく)


 最後までお読みいただけて、とても嬉しいです。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
拘束する相手は信用できませんし、かぐやちゃんの責任重大ですね。 徹くんが無駄に警戒させてしまったのかも知れませんが、ここはかぐやちゃんの機転に期待です。 今こそポンコツ卒業を! (*´ω`*)
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