274 第23章第1話 重なる試練
====異次元探偵社社員====
■小野宮 伽供夜(女)……永遠の20歳・異次元「かぐや姫」の世界の住人
・かぐや姫なのに家出して異次元探偵社に雇ってもらう
■新畑 懐(男)……42歳・異次元探偵社社長・香子と結婚
■風見 香子(女)……30歳・情報課長・料理は苦手だが武闘家・社長と結婚
■頑貝 徹(男)……27歳・営業課長・戦闘好き・元月面私立探偵
■後藤 記誌瑠(女)……21歳・総務&経理課長・料理得意・博士と結婚
■水野 博(男)……60歳・研究開発課長(博士)・記誌瑠と結婚・タイムスリッパ―
■ラビちゃん(雌)……ウサギ・かぐやのペット・専用のイヤフォン着用で言葉が通じる
=====おおよその歴史=====
・1970年 第1次大阪万博 博士もタイムマシンを展示予定・しかし失敗し、時間を飛び越えて5年前の月に着地
・2025年 第2次大阪万博が終了後、人類は地球脱出
・人類は、太陽系の惑星におおよそ国ごとに散らばる
・日本人は月に移住
・現在は、人類が地球を脱出して、約200年が経過
・地球脱出の指揮をとったのは、謎の人類委員会
=====人類委員会の強制力=====
・テクノロジーの発展は抑制(許可されたもの以外使用不能)
・宇宙航行は禁止(ロケット関係の使用不能)
・インターネット、無線通信は禁止
・生活に必要な資源やエネルギーは、人類委員会が供給
=====月から見える地球=====
・赤いベールに包まれていて、到底生命が存在するようには見えない
=====異次元探偵社=====
・唯一異次元世界(昔話の世界)への進入を許可されている
=====現状について=====
・赤い地球を見て悲しくなった伽供夜は、異次元探偵社のみんなと相談して、青い地球を復活させるべく、調査を開始した。そんな中、水野博士の発明で、地球に迫るべく宇宙に出ることができ、なんとか地球の衛星軌道にまで辿り着く。
・そこで、伽供夜達が見たものは、なんと設計に博士が携わったと思われる宇宙ステーションだった。今、伽供夜達は、その宇宙ステーションに乗り込むべく、ドッキングを開始した。
・ところが、そんな折、人類委員会からいつものように異次元に関わるミッション依頼の連絡が来てしまったのだ。
==============
ブッブー…… ブッブー…… ブッブー…… ブッブー…………
なんや? こないな時に、これ、人類委員会らのメール着信ブザーやないか? この忙しい時に異次元での仕事依頼か? 社長、どうすんのや?
「アナタ、どうするの? こんな大事な時に、異次元ミッションを受けるの?」
おや? 香子はん、また、呼び方変わったんやね。“アナタ”やって! もうー、さっきから、社長はんの腕にしがみ付いとるし。
「うん、大丈夫だよ。……博士、宇宙ステーションとのドッキングはそのまま進めてね。記誌瑠君もよろしく。……僕は、人類委員会からのメールを確かめるよ。キミも手伝ってくれるかい?」
「もちろんよ、アナタ。うふっ」
なんか、社長はんも“キミ”やって! せやけど、香子はんも目薬が必要なんやろか?
「おい、伽供夜。俺達は、非常時に備えるぞ! ベルトを外して、いつでも飛び出せるようにしておけ!」
「了解や、頑貝はん。やっぱり、宇宙人と闘うんやね!」
『カグちゃん、まだ宇宙人との遭遇を諦めてないのね。……まったく、もー』
「別に、ええやん。宇宙人との遭遇は、ウチの夢なんよ!」
「何、グズグズ言ってんだよ。早くラビも準備しろよ!」
『ええ、ワタチも戦うの?』
「アッタリまえだろ? お前たち、アーカイブテレビで昔の映画とか見ないのか?」
『そりゃあ、カグちゃんが好きだから、ワタチも付き合って見てるけどね……』
「じゃあ、分かるよな! こういう施設にはな、セキュリティーロボットが配置されてるんだよ。許可なく進入したものは、容赦なく攻撃するんだ。俺達の役割は、そういう攻撃からみんなを守ることなんだ! 分かったな!」
「ラジャー! ウチ、頑張るさかいに!」
『まったく、この可愛いウサギに、何をさせようっていうのよ……』
キュウウイイイーーーーン…………ドン……。
あ、今、このセーラーアースが、宇宙ステーションにドッキングしたんや。ちょっと音はしたけど、そんなに揺れもなかったな。
社長はんは、形態端末を引っ張り出して、香子はんと一緒にメールを見てるわ。会社を出る時、万が一を考えて人類委員会からのメールを受けることができる端末を持って来たんや。こんなところで、ミッションを受けなあかんのかな? どうすんのやろ?
(つづく)
最後までお読みいただけて、とても嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。




