239 第21章第11話 寝太郎探しの旅?
「あ! 社長はん、あそこに第1村人発見や!」
「そしたら、伽供夜、お前聞いて見ろよ、寝太郎の事。俺達は少し後ろで見ててやるよ。あんまりいっぱいで押しかけて、怖がられたらダメだろ?」
「うん、そうやね、分かった! 村人にインタビューやね!」
なんやろ、ウチ、ドキドキしてきたわ。あそこ、畑なんかな。第1村人……うーん、おばちゃんかな? 1人で、草取りしてはるわ。
「……えっと、こ、こんにちは~」
「はい、こんいちは。あら、メンコイ女の子だっぺ」
「えへへへ……、そ、それほどでも。あ、えっと、何してはんのや?」
そう、インタビューはいきなり核心を突くんやなくて、まず、さりげない話題から攻めんといかんのや。そ、それに、笑顔やな……。
「何って? あんた見て分からんのけ?」
「あの~……えっと、畑の草取りとか?」
「お、そうだっぺ~、このジャガイモ畑の草取りなんだっぺ。この草はな~うんたら、かんたら……」
「かぐやちゃん、かぐやちゃん、ちょっといい?」
「ん? なんや香子はん?」
「あのさ~やっぱり、おばちゃんって、話が長いからさ~。いい加減にしないと、ここに生えてる草、全部説明されちゃうよ」
「え! ホンマけ?」
「うん、早く聞きたいこと聞いた方がいいと思うよ」
「はいな、分かった……」
「なあ、おばちゃん、寝太郎はんはどこや?」
「かぐやちゃん、かぐやちゃん! 何、いきなり聞いてんの?」
「え? せやかて、回りくどいよりええかなって、思って……」
「あ~寝っちゃんけ? 寝っちゃんなら、家で寝てるよ。あんた、寝っちゃんの友達け?」
あ! すぐに教えてくれたわ。
「う、うん……そうや。友達なんや」
「かぐやちゃん、かぐやちゃん、……早く、家の場所を聞いて!」
「あ、ああ……」
そうや、早く家に行ってみいへんとなあ~。
「なあ、寝太郎はんの家は、どこなんや? 教えてくれへんか?」
「ああ、ええけど、もう少ししたら私らも行くだっぺ……ほれ、あそこの家だっぺ」
「ありがとうなあ。ほんじゃ、ウチ、行って見るさかいに」
あのおばちゃんも後で来るってゆうてたな。もう、寝太郎はん、起きてるんやろか?
「みんな~寝太郎はんの家が分かったんよ~。みんなで、行ってみようや!」
ウチが先頭になって、目指すは寝太郎はんの家や。すぐ目に着くところにある、本当に小さな家やったわ。1階建てで、屋根は藁ぶき、壁は板1枚かな? 煙突も見えへんから、どうやって生活しとるんやろか?
ここやね。「どうも……こんにちは~…………」
あ! 寝太郎はん、おるわ。でも、やっぱり寝てはるんやね~。
(つづく)
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