227 第20章第17話 おめでとう!
ウチらは、観覧車から降りて次の目的地に向かうことにしたんや。
「なあ、頑貝はん? もうお昼も過ぎたし、どっかで何か食べていくか?」
「あ、……いや、食べるのは次のところに行ってからだな。とにかく、また、エアーバイクに乗ってくれるか」
それから、ウチらは来た時と同じように月面ドリームランドドームの非常口からドームの外に出たんや。
また、ウチは頑貝はんにへばりついてしばらく走ったんやけど、あのムーンコースターに比べたら頑貝はんの運転はえらい大人しく感じたんや。ウチはもうあれに慣れたんやから、もっとスピード出してもええんやけどな。やっぱり頑貝はんは、疲れたんやろか?
「さあ、着いたぞ!」
え? なんや? ここ、ウチらの会社やないの?
「頑貝はん? どういうことや? 会社で何か仕事でもすんのか?」
「あははは、何を言ってんだよ。今日はまだ休暇のうちだぞ。いいから、早く会社の食堂に行こうぜ!」
ああ、会社でお昼ご飯を食べようっていうんやね。でも、誰が作るんやろ? 今日は、記誌瑠はんもお休みのはずやけど。
ウチの会社、異次元探偵社の社屋の2階にはみんなで食事ができる食堂があるんや。ウチはエレベーターで2階に上がり、食堂のドアを開けたんや。
バン! バン! バン! パパパバンバンバン! ヒュウウウウウーー!
「お誕生日おめでとうーー! かぐや~(かぐやちゃんー)(伽供夜君)(伽供夜さん)(伽供夜ちゃん)(カグちゃん)」
バババババンバンバンバン! ワアアアアアアアアーーー!
え? え? え? みんなが、食堂に集まっとったわ! クラッカーが鳴ったかと思ったら、一斉に声を掛けられたんや!
ええ? なして、ウチの誕生日を知ってるんや?
(つづく)
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