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16 第3章第2話 変身のプロ?

「どうじゃ、これが『キジウィング』だぞ!」


「博士、よく考えるよな。どうせ異次元に行くだけなんだからいっつも同じでいいじゃないかって思うんだけど、毎回物語に合わせて凝るんだから。すげーよ!」

頑貝(かたがい)ちゃん、そんなに褒めても、今回は大型の武器は搭載してないからね」


「チェッ、なーんだ。つまんねーの! 俺、一度博士の作った、攻撃砲打ってみたいんだよな~」

「ま、そのうちな……」



「博士はん、これがキジっていう鳥なんか?」

「ま、ちょっと首が短いけど、羽も開閉自由なんだぞ!」

「凄いですなぁ~、ちょうど前に飛び出た頭が操縦席になっとって、みんなの席もあるんやね」


「今回は、胴体部分がちょっとした個室になっていて、ベッドもあるんだぞ」

「それはいいですね。ちょっと桃太郎さんを鍛えなければならないかもしれないので、宿泊も覚悟なの。やっぱり、夜はベッドで寝たいわよね」



 あれ? お部屋を覗いたんやけど、ベッドは3つしかあらへんわ。まあ、ウチと香子(かおるこ)はんと記誌瑠(きしる)はんが寝られればいいんやけどね。


 さ、いよいよシャトルの出発や。運転は、頑貝はんやね。全員座席に着いたわ。




「よし、みんな出発するぞ!……それじゃ、社長、行ってきます!」


『おお、ほどほどにな!』


「異次元シャトル キジウィング 発進!」


 びょよよ~んんんんん……ウィンウィンウィン……ピコーンピコーン……









「よし、着いたぞ! ここは、桃太郎君の家の裏にある小さな草原だ。ちょっと歩けばすぐ家の前に出られるし、キジウィングを隠しておくのにもちょうどいい。さ、みんな降りてくれ!」


「いえ、みんなちょっと待って! シャトルを下りるのは変身してからね」

「おい香子、ここは人間の世界だから、別に変身しなくてもいいんじゃないか?」


「ダメよ徹。相手は桃太郎よ。勇者は、他の人間の言う事なんか聞かないわ。あたしがね、ちょうどいい物を準備してきたから着て頂戴」


 やっぱり、変身するんやね。昔話の世界だから、いっつも変身してるけど、今回は何だろうな? ん? 香子はんが、なんか着ぐるみみたいな衣装を配ってるわ。




「え? 俺、犬なの?」

「ウチは、これ、お猿さんなんやね」


「そうよ。そして、あたしがキジなの! これが、桃太郎に登場するメインキャストよ!」


「なあ香子? これだと俺たちのご主人様が桃太郎ってことにならないか? 俺達、ご主人様の言うことを聞くしかできないんじゃないのか?」


「ん? え? ああ、……だ、大丈夫よ! あたしが、上手くやるから、あんた達あたしの言う通りにやればいいのよ!」

「へいへい、分かりましたよ」



「ウッキー、分かったやん!」

「かぐやちゃん、いいわよ、その調子キジ!」

「なんだワン、お前らそのしゃべり方は?」


「なーんだ、徹ったら、上手いじゃないのキジ」

「フンだワン! 俺だって、やればできるだワン!」


「ウッキー、さすがですなみなはん。もう完璧ですやん!」






「あのー…………」

「あ、記誌瑠ちゃんは、いいのよ。これで、お願いねキジ」

「これ、単なる村人Aの衣装じゃないですか?」


「だって、桃太郎の家来はこの3匹しか居ないから……記誌瑠ちゃんは、ま、自由にしていいわよ。よろしくねキジ」



 あ、記誌瑠はん、なんか詰んなそうな顔してはるんやないかな? きっともっと変装して活躍したいんとちゃうか? 

 ウチらばっかり楽しんだらあかんかな~? でも、何だかウキウキするわ、この衣装!



「ウッキー! それじゃあキジウィングを下りて、桃太郎はんのところへ行くぞー!」




(つづく)


 最後までお読みいただけて、とても嬉しいです。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


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