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異世界でヒーロー?

作者: 銀猫

暗い路地で悲鳴が上がる


「先に逃げて!」

「一緒に…」

「逃げる時間を稼ぐだけだから、早く逃げて!」


言葉を話す二人の影


その二人に近づく人型の獣の影


今にも飛び掛かりそうな獣の影に向かって声をかける


「犬?」


人型の獣が警戒したのか一歩下がる


襲われそうになっていた二人は驚いたのか口を半開きで固まっている


そりゃ、そうか…襲われてる所に自分たちの後ろから声が聞こえたら驚くよな


断じて俺の恰好に驚いた訳じゃない…と信じたい。


偶々バイト中に召喚されて、サンタクロースの恰好してる正義の味方

それが今現在の俺だ!


暫く間があったが人型の獣、犬獣人?がやっと我に返ったのか飛び掛かって来ると

俺の華麗な右フックの餌食となり、気絶した


左手に持ってたサンタ袋に気絶した犬獣人を速やかに収納する


助けたハズの二人は口を開けて無言のまま。


とりあえず立ち去る時に「メリークリスマス?」と一声かけると即退散した。


次はもう少し格好よく登場したいものである。





異世界への冒険・ファンタジー世界!大活躍!

異世界行きの切符が手に入れば皆チートな何か持って活躍したいとか思うんじゃないかな?

もちろん俺も例外じゃなかった。


「望みはありますか」


「誰かのピンチに駆けつけて何者からも助けられる力とか欲しいッス!」


もちろん俺の答えに相手はドン引きだったけどな!


そんな訳で俺は「何が相手でも力ずくで解決」と「誰かのピンチに強制的に召喚される」

って、謎の能力を持った怪人となり果てたのだった。



ある日、とある神社の心霊スポットを探索する為に鳥居をくぐると突如謎の空間へと踏み込んでいた。


夜の神社探索をしていたハズが夕暮れのような景色に変わって神社そのものは変わらず

境内は誰も居なかったハズが神主のような格好の男が立ってこちらを見ている


その男が突然頭を抱えて「またか…」と呟くと話かけてきた。


簡単に言うと異世界への一方通行の道に迷い込んだらしい。

よくわからない理由で異世界で活躍出来るようにしてくれるらしい。

一応こちらの希望に極力沿った能力をくれるらしい。


…胡散臭いのでとりあえず適当な願いを言ってさっさと帰ってアイスでも食おうと思ってたら


「ま、まあ、頑張ってみてよ」


神主男は引き攣った笑顔でそう言うと片手を大きく振る。

突然視界が真っ暗になり、目の前には異世界の街並みが…あれ?


俺、金もツテも無いんだけど?

どうしよう?


何とか職探しつつ短期バイトを見つけ、現在に至る


冒険者ギルド?在るにはあったが、登録に金が要るんだってさ…無一文には厳しい世界だよ


とりあえず定食屋みたいな所でサンタ服きて表に立ってたら突如召喚されました

異世界にもサンタさん居るのな…チェーン展開してるのかね?


何故か言葉は通じるし(書いてある字は読めないけど)バイトしながら聞いた話では

この世界は一応魔物とか魔王とか勇者とか魔法も有るそうな


そんな世界に来てまでフリーターやってる俺って…


次に召喚された先にはピンチの魔王と絶賛活躍中の勇者一行が

俺の恰好はもちろんサンタクロースさ。

ヤケクソ気味に魔王のピンチを華麗に救い勇者一行には


「勇者ともあろう者が他人の家で乱暴狼藉とはいかがなものか」


と説教し追い払い、魔王さんにはこれからも守って欲しいと懇願されたが

どうせ何処かで誰かがピンチの時は強制転移されるので断った。


この能力の一番の難点は転移された先からは自分で歩いて帰る事


元居た町は魔王城からどっちの方角にあるのだろうか?

俺は途方に暮れつつ適当に歩いてみる事にした


まあ、道沿いに歩けば何処かに辿り着くだろう。


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