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7話 生徒会

委員会決めで、蓮と光里が学級委員になってから、数日が経ち、

学級委員と生徒会の顔合わせとして、生徒会室に行くことが必要になった。


放課後に蓮と光里が生徒会室に向かうと、生徒会長以下生徒会員一同が集まっていた。

蓮は生徒会メンバの中に陸上部の白がいることに気がつき、会釈した。

顔合わせはすぐに終わり、蓮と光里は教室に戻ろうとする。


「蓮さん、」

蓮が振り返ると、白が声を掛けてきた。

「白先輩、先輩も生徒会員だったんですね。」

「昨年に入れさせられてね。陸上部と掛け持ちで、大変。」

白は優しく笑いながら言った。


「ところで、何かごようですか?」

「ううん、蓮さんと光里さんに個別に挨拶しに来ただけ。

体験入部のときに膝を怪我した光里さんと一緒に学級委員なんて驚いた。」

白は話ながら光里を優しく見る。

蓮は笑ったが、光里は照れ笑いをした。


白は真剣な眼差しで蓮を見た。

「ところで、蓮さん、生徒会に興味とかないかな。」

「えっ、生徒会ですか?」

「そう。蓮さんは生徒会に向いていると思う。」

「えっとでも私は学級委員ですし。」

蓮は遠慮がちに答える。

「学級委員から生徒会に入る人って多いよ。まぁ一度は見学に来てよ。」

「……わかりました。」

白は優しく微笑みながら言われ、蓮はうなづくしかなった。


生徒会室を出ると光里がにっこりと蓮に振り向く。

「蓮ちゃん、生徒会に行くの?」

「うーん、あんまりだけど誘われたから一度は見学に行くかも。」

「やっぱり、蓮ちゃんはすごいよ。」

「?」

光里は感心するようにうなづくことを蓮は不思議に思った。


「そのときは光里ちゃんも一緒に来てね。」

「私も!?」

「うん。それにほら、学級委員同士なんだから。」

光里は驚いて答えるのに合わせて、蓮は茶化したように答える。


「それはそうだけど……。私と一緒でいいの?」

「ふふ、もちろん。」

光里は嬉しそうな表情になった。

光里もどうやら、生徒会に興味があるようだった。


その日から数日後に、時間ができたので、蓮と光里は放課後に生徒会室に向かった。

白に勧められたらように見学に行くことにしたのだった。


生徒会室に入ると、白がにこやかに駆け寄って、椅子をすすめてくれる。

蓮と光里は着席する。


「ふふ、蓮さんは光里さんも連れてきてくれたんだ。」

「はい、一人だと恐れ多くて。」

「蓮さんもそういうの感じるんだ。」

白は感心したようにうなづく。

私はどういう風に思われていたんだ、と蓮は思った。


白は生徒会の活動を説明してくれた。

そして、生徒会に入るためには生徒会員からの推薦や、生徒からの投票が必要ということを教えてくれた。


「私は、今の副会長から生徒会を推薦されて立候補することになった。」

「それまでも生徒会に入るつもりだったんですか?」

「まさか。陸上部入ってたし、生徒会なんて入るつもりなかった。

でも、副会長がどうしてもって。」


「へぇー。生徒会長は誰か推薦したんですか?」

光里が素朴な疑問を口にしたところ、白は一瞬戸惑った表情をした。

「生徒会長は……。バレー部の翼咲を推薦した。知ってる?」

「バレー部も見学に行ったんで知ってます。翼咲先輩なら確かに生徒会にぴったりな気がします。」

蓮がそう言うと、白は微笑む。


「うん、そうかも。でもあの子は断った。部活頑張りたいからって。

私も断りたかったんだけど、翼咲が入らない以上、私だけでもって思って。」

寂しそうに白が言った。

もしかしたら白は翼咲と一緒に生徒会に入りたかったのかもと蓮は思った。


「ここまで、私の話を聞いてくれたら私が何を言いたいかわかってくれるよね。」

白は蓮をじっと見つめる。

「……。私を生徒会にってことですか?」

「そう、蓮さんは生徒会に入るべきだと思う。

気づいていないかもしれないけど、あなたには人を引きつける魅力がある。」

「私にですか?」

蓮は驚く。中学時代から告白されることが増え、もしかしたらと思ったときはあったが、

直接他者からそうと言われたことがなかったからだ。


「並んでいても凛として目立っているよ。」

「そんなことないです。でも白先輩にそう言ってもらえると嬉しいです。」

「蓮ちゃんは、入学式の日にあったときにも目立ってたよ。クラスでも一番美人だし。」

光里も白と同調して、蓮を褒めてくれる。

蓮は頬を赤く染めて照れる。


その後も、三人は生徒会のことや学校のことを話し合った。

白は大人しく、優しく話を聞いてくれるので、話やすかった。

表情も柔らかく、時折可愛らしい表情をするときがあり、翼咲とは違った魅力があると蓮は思った。

そして、気づけば、三人は帰宅時間まで話し続けていた。


蓮と光里が生徒会室から出て、帰途につこうとすると、最後に白に声をかけられた。

「蓮さん、生徒会に興味持ってもらえた?」

「興味は持ってきました。」

「それは良かった。またね。」

白は優しくそう言った。


蓮と光は下駄箱から靴を取り出し、下校する。

校門までの道を歩いていると、光里は怪しい笑を浮かべて、蓮を見る。

「ふふっ、蓮ちゃんはやっぱりモテモテだよ。」

「え?そんなことないと思うけど。」

蓮は澄まし顔で返す。

「白先輩からも高評価なんてすごいよ。」

光里にそう言われ、悪い気がしない蓮だった。

頬が上がりニヤけてしまう。

光里も合わせて笑って、二人して笑って帰宅する。


光里と別れてから、蓮は一人で歩きながら、生徒会での白のことを思い出す。

そして、ふと三角関係イベントきたかのかしら、と蓮は思った。

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