2話 中学時代
蓮は裕福な家に生まれ、小さい頃から不自由なく暮らしていた。
そのため欲しいものが手に入ることが多く、性格的にもこれといって強く欲しいというものがなかった。
他の同級生達と比べ発育が遅かったため、小学校まではちんまりとした体、幼い表情で周りから愚鈍とした扱いを受けることが多かった。
しかし、その扱いに気づかないくらいに幼かった。
ところが中学に入り、背丈が伸び、顔つきも大人びてからは、周りからの扱いが変わっていった。
小学校時代に蓮を馬鹿にしていたり、悪戯していた子供達は、蓮に見惚れるようになり、
優しく接したり、何かとアピール含めたちょっかいをするようになっていった。
しかし、蓮も最初の頃はよくわかっておらず、気にかけもしなかった。
ところが、告白を週に何回もされるようになり、周りの少女達から疎まれるようになり、陰湿な悪戯を受けることがあった。
そこで、段々と蓮は自身の美しさと、周りの好意や悪意を知ったのだった。
しかし、知ったころには中学も終わりに近くなり、近隣の名門校に進むことに決まったときで、
知ったからと言って何も変えることはできなかった。
そして、卒業間際に告白してきた大量の生徒を振った後に、蓮は恋一つ知らず、卒業したことを知ったのだ。
中学校の卒業式の後に、中学時代を振り返り、その一点が蓮の後悔だった。
高校の入学式を終えて、蓮は誓った。
明日から素敵な人を探そう、と。
空は暗くなっていたが、心には赤い炎が点っていた。