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短編類

勇者は魔王を城ごと消し去る

 私は聖剣を抜くことが出来た戦闘以外がまるで駄目な人間だ。

 国は魔王討伐の為に私の仲間を集めてくれた。



 酒と女好きの盗賊。彼は方向音痴の私の為に、魔王城までの道案内が仕事だ。時々ある宝箱を開けて貰うが、何でも開けられる鍵を私は持っている。


 魔法使いの眼鏡。彼はこのパーティーの頭脳、問題解決の為に考えるのが仕事だ。私が力で解決するまでに考えるのが大変そうだ。


 僧侶の女性。よく女性に殴られた盗賊を回復させている。怪我しないので特に仕事は無い。


 武闘家の女性。3人を守る前衛、料理が上手い。なくした聖剣を見つけるのも上手い。



 この5人で城へと進む。


 道中の魔物は聖剣の一振りで斬り捨てていく。

 戦闘は私の役目だ、野宿の準備は皆に任せている。


 魔王城へと行くには周りを囲む山の洞窟を探す必要があるのだが、謎の仕掛けがあり、眼鏡が解読しようとしている。


 面倒になった私は聖剣を山に向かって振り降ろす。飛ぶ斬撃が山を2つに分ける。


 眼鏡を上げる眼鏡がため息をつくが、道が見つからないなら作るしかないと思う。


 山の先は雰囲気がこれまでと違っていた。巨大で不気味な城と遠くからも感じられるプレッシャー。今までの魔物とは桁が違う。これが魔王か!


 私は聖剣の剣先を城の上空へと向けて力を込める。

 雲が集まりだし雷鳴が轟く。初めての全力での発動により、強烈な閃光と轟音、前は見えないが空気が震えている。


 数秒後、土砂が文字通り辺り一帯に降り注いだ。


「(道中の野宿が)苦しい闘いだった」

「やりやがった」盗賊が呟く。

「さぁ、早く帰ろう。家の鍵を閉め忘れたかもしれない」

「勇者よ、私と結婚して欲しい」突然の武闘家の告白に眼鏡(本体)が落ちる。

「あぁ、不甲斐ない私を支えて欲しい」僧侶は空気である。





 こうして二人は幸せに暮らしましたとさ。


短編2作品の始まりとなります。本作、勝てない、頭が上がらない、の順で時系列となります。

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― 新着の感想 ―
[一言] 勇者・武闘家ともに、いまでは体重が20~30キロは増えてると予想…… 幸せ太り的な?
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