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目的地到着!!フローベル王国

「あーお腹いっぱい!野菜でもお腹いっぱいになるもんなんだね。満足〜!」


さっきまでのげっそりとしていた顔が嘘のように清々しいほどのハッピーに変わっていた。


「メア、お前ってかなり表情ころころと変わるよな。表情の種類、無限なんじゃねーのか?」


(分かりやすすぎるだろ…)


メアの喜怒哀楽がはっきりしすぎていて、何を考えているのかすぐに分かる。逆にそれを通り越して分からないという者もいるが、メアの場合はいわゆる天然なのだ。華晶は呆れて苦笑いをした。だが、苦笑いなのにどこか楽しげである。


「あと2キロだし、そろそろ行かない?」


ディーが聞いてきた。


「だな。行くぞ。昼の間には着いていたいしな」


(念のために取った山菜は持っていくか。いざとなったら食べれるし、薬草だから金にもなるだろ)


「もうすぐだって思うとなんかドキドキするね。私、人族の国に行ったことないから少し楽しみ。ディーは昔行ったことあるよね」


笑顔でワクワクしているご様子のメア。

脳天気だなと思いながらも、「あるよ」とディーは答えた。


ディーは昔、興味本意で色々なところを旅していたことがある。妖精族の国と竜人族の村以外では人族の国、エルフの町、ゴブリンの村、小人族,巨人族の村、他にも5種類の獣人の町に行ったことがある。


流石と言うべきか…

華晶がそれを知ったときは、"そんなに行ってたのかよ"とつっこんだ。


「でも、僕も楽しみではあるかな。人族の国に行ったのはかなり前だったし、あの戦争があった日以来は行ってないからね。どう変わってるのか…楽しみだよ」


戦争が終わったということは世の中的には良かったのだが、戦場になった場所の大地は荒れ果てていた。何とか4000年という時の経過によって自然に回復はしたが、それまでがとても忙しく、旅をする余裕なんてなかった。


「…遊びに行くわけじゃねーぞ。………なー、人族の職業で冒険家ギルドって知ってるか?」


色んなところに行ったことがあるメアとディーなら、何か知っているかもしれないと華晶は思った。


「知らないよ。でも、最近森で人族をよく見かけるんだ。しばらく様子を見てたけど、何かを探している様子だったり魔物を倒したり。その様子を見て僕が思うには、依頼か何かで頼まれたことをこなすのがその職業なんじゃないのかな?」


"いや、知ってるじゃねーか。ディー"と思いながらも


(依頼か…まだそうだと決まったわけじゃねーが、単独個人で自由行動ができるというところはいいな)


華晶は瀧愁達の情報を集めるには丁度いいと思った。依頼が達成されればお金が入り、同時に情報や知識も入ってくる。一石二鳥の職業である。


「もしかしてその職業に入るの?」


とメアがまさかという顔をして聞いてきた。


「ディーが言った通りだったらな。まぁ、登録ぐらいはしておきたい。その方が色々と動きやすい。登録したら図書館に行くぞ」


図書館には沢山の知識や情報が載った本がある。古代から本というものは存在する。代々の歴史や環境が書かれたものもある。華晶はそれに興味があるのだ。


「図書館?…………分かった」


一瞬何故?と思ったメアだったが、瞬時に知識や情報を得るためだと分かった。

雑談しながらも歩いて、ようやく目的地である国に到着した。


「やっと着いたよ〜!疲れたよー」


「疲れたよってお前何もしてねーだろ」


メアは華晶のポケットに入っていただけである。ほとんど何もしていない。どこに疲れる要素があるのだろうか。


「精神的な疲れだよ!」


「っていうかここ、なんていう名の国なんだ?」


名前だけでも知っておいた方がいいと華晶は思った。


「多分…フローベル王国だよ。昔来たことがある。4000年以上前にも存在していたかなり長い歴史のある国だよ。古代からの文明が根強く残ってる数少ない国の1つなんだ」


フローベル王国は世界4大国の一国であり、最も自然環境に恵まれた国だという。約4000年前の戦争の大本であるラストラ王国と商業同盟を結んでいる国でもある。特別仲がいい訳ではない。


ラストラ王国と、このフローベル王国の関係はまだ華晶は知らない。


「よく分かったな。門だけで」


「分かるよ。人族の世界4大国の一国だからね。それに、ここは自然に恵まれた国だ。僕達にとってこの国は唯一居心地のいい国だから。まぁ、そう呼ばれるようになったのは戦争の後だから、どう居心地がいいのかは僕には分からないけど…」


この国には妖精族も沢山いる。本来であれば妖精族は人族が苦手なのだが、この国では共存して生きており、自然にも恵まれているので妖精族も居心地がいいのだ。元々、妖精族が森の外の種族を嫌うのは、珍しいという目的で狙われるからだ。だが、この国では法律上で禁止されているため、そんな心配もいらない。他の種族も観光などで来てはいるが、ここにいれば安心なのである。

だからといって裏がないわけではない。


「へぇー。そんな国、あったんだな」


(昔はそこまで目立ってねー国だったと思うが…。本当に大きく変わってるんだな)


「それより早く行こ!!ディーの話を聞いてたら余計に行きたくなってきた!」


メアはまるで初めて遊園地に来た時の子供のようにテンションが高かった。


「だから遊びじゃねーって。つーか待て。まだ正門で審査がある。入るのはそれからだ」


指名手配人物や危険指定種族が簡単に入国できないよう、正門で色々と審査があるのだ。因みに、冒険家ならばギルド証を提示すればそれはスルーできる。


華晶は少し不安だった。その審査で引っかからないかと。人族の姿で能力も使えないと言えど、元は竜人族だ。当然バレれば後戻りはできず、騒ぎになってアウト。

楽しげでウキウキワクワクのメアとは対照に、華晶は不安ダラダラだった。


《少年達は無事王都に入れるのでしょうか?》

フローベル王国

人口:約7000万人(増加中)(王都に限らない)

面積:不明

別名:自然に恵まれた国。精霊に愛された国(明白ではない。)。世界4大国

建歴:約5000年

名産:果物、花(品種改良有)

雰囲気:賑やか。豊か。

ラストラ王国と同盟関係

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