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人族の盗賊

更新遅くなりました。

すみません

エレルドと別れた後、華晶はこの後どこに行くのかを考えていた。正直何も計画していない。


(近くに人族の国があればまずはそこへ行く。人族は種族の中でも特に昔と変わっているそうだから見ておきたいな。それに…他種族は戦争後どうなったのかももっと知りたいしな)


「この森を出たところに何があるかによって行き先が決まる、か」


(冒険家ギルド……着いたら行ってみるか…)


華晶はエレルドが言っていた冒険家ギルドとは何なのか、少し気になっていた。


何やかんや今後のことを考えていると……


「止まれ!」


という声が聞こえてきた。


「なんだ」


(なんだこいつら?人族か?)


「死にたくなければ荷物を全部置いていけ!」


10人ほどの男達はナイフやら剣やらを突きつけて舐めた態度で華晶に言い放った。


(なんだ、賊か…これは今も昔も変わらねーんだな。それどころか昔よりも活発になってねーか?好き放題やりやがって)


「何をもたもたしている!怯えているのか?ははは!大人しく荷物をこちらに渡したら何もしないさ。」


馬鹿デカい声で笑われて小馬鹿にされた華晶は、その言葉に少しイラッとして口には出さなかったが、内心ではこう思っていた。


(は?怯える?俺が人族にか?笑えない冗談だ。つっても状況的にはかなりやばいな。力が使えない上に武器も持ってない。慣れてねーこの体の身体能力もまだ分かってねーし。今試すには危険が多過ぎるか?……とりあえず……)


「はぁ〜、見ての通り文無しだよ。何を渡せって?」


と、両手を低く上げて自分が何も持っていないことを示した。だが……


「あ?あるだろ!その巾着袋の中によ!透過魔法(ヴレポ)で分かるんだよ!」


「なかなかのいい値がつきそうなものだ」


男は華晶が腰に付けていた巾着袋を指差した。


巾着袋の中には竜人族の宝精霊玉が入っていた。

これは、竜人族と精霊が親しい証である。

決して誰にも取られてはいけないもの。

この精霊玉は、昔から竜人族の中でも力の強い華晶が守っていた。今でもそれは変わらない。


華晶はこれだけは絶対に守らなければと巾着袋に手を置き、後ずさった。


(こいつら、魔法が使えるのかよ。やばいな。これだけは絶対に渡すわけにはいかない。せめて武器があれば…)


「ほら、さっさとこっちに渡せ!死にたくないだろ?」


男達の声はどんどんと荒くなっていく。


(仕方ねーな。このままじゃ取られちまうし、一か八かでこの体の身体能力を試してみるか)


華晶は戦闘態勢に入った。戦闘は4000年以上していないが、森にいる時に鈍らないよう、体慣らしのために修行はしっかりやっていたので、戦闘のイメージが消えることはなかった。


「あ?なんだ?渡せねってか?なら殺ってからゆっくり奪うとするか!」


男達は一気に斬りかかってきた。

しかし、それにも関わらず華晶は全ての剣を避けた。


(?!思ってたよりも動きやすいし、剣の動きがよく見える。…へぇー、副作用がある割には身体能力はまあまあだな。これなら何とかなりそうだ!……)


華晶は男達の剣を全て避け、剣を振り下ろした男1人の手首を捻り、剣を奪った。


「う、があああぁぁ!」


「な、なんだこいつ…は、はえー」


剣を奪われた男は右手首を左手で押えて痛みの声を上げる。他の男達は華晶の動きと早さに驚き、後ずさった。


「これをお前らに渡すわけにはいかねーんだよ!さっさと失せろ!」


華晶は大声でそう怒鳴って、殺気を盗賊の男達に向けた。そう、その少年のような体からは想像も出来ぬような獣の殺気。


「ば、化け物ー!」


と言いながら男達は一目散に逃げていった。

華晶は日頃の戦闘スタイルのおかげでその場をしのぐことができた。


「あんなんでよく盗賊とかできるな。…武器、貰ってくか」


(驚いたな、人族の姿になっても一様戦えるくらいの身体能力は持ってたか。元は変わらないということなのか…?)


そう思いながらも、盗賊が持っていた武器を手に取って腰に付けた。今後のことも考えて武器は必須アイテムだった。


そして何事もなかったようにまた歩き出した。


「今日は野宿になりそうだな。ま、いつも野宿みたいな生活だったからあまり変わらないか……」

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