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休日は異世界の食堂で  作者: 氷神 一月
5/21

第5話 最初の味

魚が好きな二人にとって俺が出す一品目は何にしようか?でもまず三枚おろしにしようかな。

ルスマスの下ごしらえをしよう。

アルとシュウにもやれて俺もできるやり方と言えば『つぼぬき』だな。あれは包丁をほとんど使わないから包丁が不慣れなあいつらでも大丈夫かもな。

異界のつぼぬきのやり方

魚体の処理・・・①

魚体全体に塩をかけてかるくこすっておく。

PT:刃先部分で魚の皮を尾から頭に向けてこすっていく。※親父にこれはお前にはまだ無理だと言われていたもんな。

魚体の処理・・・②

刃先に細かなルスマスのウロコがとれていく

つぼぬき・・・①

2本の割りばしを口にいれ、一度エラブタから外に差し戻す。

つぼやき・・・②

差し入れた割りばしを少し戻し、その割りばしの先端をエラの外側から内臓へと深く刺していく。

つぼやき・・・③

内臓まで割りばしを刺し入れたらエラをはさむように握って、手首を2・3度左右ひねるようにする。

つぼやき・・・④※これを抜くと結構グロいけど気持ちがいいよな。

(違う、そっちの気持ちいいじゃなくて・・・俺何を思ったんだ!?)

魚体をつかんで固定させたまま、割りばしを回転させながら引き抜いてくると内臓とエラがはしにからまってぬけてくる。と紙に書いてお店の後ろの領域に貼った。

魚のそのまんまを食べてもらいたいと思い、『ルスマスの塩焼き』を作った。

二人は大満足だった。

「こんな味加減がいい焼き魚なんて食べたことが無い!美味しいよイツキ!」

俺達だって、奴隷になる前はこんな焼き魚は食べれなかった。いつも、真っ黒こげになって食べる味は苦かった。俺達は母もいなかった、父親もいなかっただから街の人達に売られた。だから俺達二人を産んだ親の味を知らない。でも今日イツキが俺達に美味しい味を教えてくれた。

次に出したのが、『マール肉の石焼ハンバーグ』。ナイフで肉を割ったらその肉から肉汁が出る出る。それを秘伝ソースを垂らして、口に頬張れば至福の時。

(ハァ、腹減った。こいつらの美味しそうな顔見ていると俺も食べたい。)

「どうだ、美味しいか?」

美味しいだろ?美味しいよな。俺の料理は最高だもんな。

「・・しい。美味しい。」

「美味いよ。イツキ!このハンバーグっていうやつ!」

兄さん、イツキの味をもっと知ろう!この人なら僕達の命を預けてもいいと思う。

嗚呼、俺も同じことを考えていた。初めて、こんなにも美味しい料理職人に会った。この人に俺達はついていくと決めた。

「イツキ、お願いだ。俺達のマスターになってくれ!」

土下座か?そんなことでお願いされても。マスターってことは主か。

「じゃあ、こうしよう。お前ら二人の兄ってことでどうだ。」

其れならこちらも納得がいく。あいつらもそれを期待していたようだ。

「イツキ、よろしく。」

「イツキ、よろしくお願いします。」

だから、敬語無しって先ほど言いましたよね。約束が守れない奴は尻尾を触る。

「ひゃっ。イツキ、何を!」

連帯責任だ。もう一回!


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