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想像×創造 A different world in the reality  作者: 蜜柑 猫
想像×創造 2章 不穏の夜編
16/27

矛盾な二方

人という生き物は、2つに分けせられる。

『善』であるかか、『悪』であるかだ。

この世には、善が5割悪が5割で半分半分だ。

何を言いたいのかと言うと、


2人いればどちらかが、4人いればその中の2人が、10人いればその中の5人が、100人いればその中の50人が…


『悪』か『善』である。


by 古山 結城






いきなりだがこれは例え話だ。


とある旅人がもういかにも餓死しそうな状況で歩いていた。すると、

1つのりんごが道に転がっている。


旅人はお腹が死ぬほど減ってるわけだ。

そのリンゴに食いつきたいところだがそうはいかない。

リンゴが落っこっていた道の状況としては最悪だ。物凄く汚くて、ゴミなどが落っこっている。

だが、リンゴは綺麗だ。黄金のリンゴの如く輝いている。

でも、いくら綺麗でも汚い道に転がっているリンゴを食べるには、衛生面でも見た目でも色々な意味で規制がかかりそうだ。

そして、旅人は他にはないかと周りを見渡す。

すると近くに木が生えており、ちょうど一個だけ物凄い熟されて、形が片寄っているリンゴが実っていた。

今にもその実は落ちそうだった。

これに旅人はがっかりした。



普通の人ならばこの2つのリンゴを食べないだろう。

だが、飢えで死寸前の人というのはなんでも食べるのだ。何か少しでも栄養を摂取しろと、体が命令しているからだ。虫でも、死体・死骸、ゴミでも、土でも、布でも、死寸前の人は栄養を摂るためには、なんでも食べる。


当然のように旅人はその2つを手に取り、何のためらいもなく、普通の新鮮なリンゴのように思い切りリンゴをかじった。



勿論、

そのリンゴを口にした旅人は食べてから数秒後に死亡した。死因は当然栄養失調。

リンゴを食べたことで、『食べ物にありつけた』と言う安心感に満たされ死んだのだろう。




さて、さてさて

ここで問うが、これと似たような状況に自分が遭った時、この旅人と同じ行動を取るか、取らないか。

勿論身体の限界が来れば死んでしまう。

その為、限界付近に達すれば嫌でも、それを満たそうとする。

その為、死亡してしまう。

だが問う。何故なら、

その行為が“正しい”というわけではないから。


『正しい答えこの世に存在しない』


1+1=2が本当の答えじゃないのと同じ。いや、

1+1の本当の答えが“2だけ”じゃないのと同じ。こちらの方がより、この論に合うだろう。











ヒュゴォォォ…

擬音で言えばそんな感じの風が砂煙を立てて吹いていた。砂煙が分厚すぎて、前が全然見えない。

というか自分の位置からの360度全方向に対して、この砂煙に囲まれている…

足下も、頭上も、右も左も真後ろも…




陣之内 優多は、とある道路。本当にそのまんまだが、まるで…


地平線まで広がる広大な砂漠のど真ん中に位置する道路のようなところにいた。


いや、『ような』は要らなかったな。



風も強く、砂埃も酷い。

優多は、まるで砂埃の壁の向こう側を見通すように呆れた、又は邪魔だというような鋭い目を向けた。

その瞬間、バッと砂煙が弾かれ険しく鋭い表情のまま、優多は出てきて


「あなた達だったんですね…


砂の三神 地導来じどうらい 佐久夜さくや

そして、

風神の後継者 風神継人ふうじんけいと しん


ここらで

砂の三神とも呼ばれる地導じみちびきの関係、風神の後継者 風神継人 真の事について話しておこう。

まず『地導』だが神々の構成については、神進。

左から稚依の低い者順で、


神人類→神人→大神人→後神人→神進→神天進・前→神天進→神天


と、いうことで神々に関係性で言えば結構高い方になる。

そして風神の後継者の方だが、後神人。

神進の一歩後ろということなのだが、それは真だけに限ったことで普通、後継者と言うのは元いた地位に出席できるのだ。

だが、真は元々神人類。なので、今は一応後神人という地位に座っている。当然だがこれから上がるかもしれないし、下がるかもしれない。


「そう言わず遊んでくれよ〜」

「天界は退屈なんだよ〜」

佐久夜達は、そう言いながら優多の前に降り立った。(言い忘れていたがさっきまでずっとふわふわと浮かんでいた)

もちろん優多の目は佐久夜と真を見たまま、何も言わなかった。

「無視は酷いよ〜僕はもうこの通り神になったんだよ!風神の後継者の証に、『風を操る能力』を持っているんだから!」

と、真が言った。

「最近、何で遊んでくれないの?暇だからさあ…」

佐久夜の目が赤く染まり、口が裂けまるで悪魔のような顔付きに変わり、次の瞬間

『遊ぼうよ』

両手を思い切り地面に叩きつけた途端大きな揺れと振動が起こったと、同時に


ゴゴゴゴゴゴゴ

と、地響きが聞こえ次の瞬間、僕らが立っている道路一体全体にバキバキバキッと亀裂が入り、優多と佐久夜達の間に、やがて少々大きめの膨らみができた。

たちまちその膨らみは亀裂に沿って膨張していき道路のコンクリートポロポロとは剥が落ち、

膨張で、亀裂の入った道路の破片。

いわばコンクリートの板と板がかさばり、場は物凄かった。

静かなのに、静かすぎるのに胸騒ぎが酷かった。



そして、前の前の前の前の前の前に想定していた嫌な予感が的中した。




その山が、大きな破裂音とともに爆発したのだ



吹き飛ばされそうな爆風とともに、勢いよく砂が直線的に噴出されたのだ。

そして、次の瞬間あらゆる方向から強風以上の強さの風が吹き優多は、安定した格好で立っていられなかった。

この時、風ばかりに気を取られていたせいか、いつの間にか、目の前に迫ってきていた巨大な砂の塊を避けるどころか、斬ることさえ出来なかった。


結果、

優多は半径1.5Mほどの大きさの砂の塊をまともに受け、何も見えないほどの分厚い砂煙の中に向かって約10㎞ほど吹っ飛ばされ、頭。

前頭部、顔面、腹、後頭部、胸、前頭部、後頭部、前頭部、腰、後頭部、背中、前頭部、首、後頭部、肩、顎、前頭部、後頭部…と、計10回頭を打ちながら身体の大回転という大技をした後、身体が静止した。

もちろん骨の脱臼骨折、筋肉の切れや潰れなどがあり、体の形がスライムやアメーバの如く、ぐっちゃぐちゃだった。

だが、便利な能力を持った物だ…

10を数える間に元に戻った。戻るときなんかもっとグロテスクだ。皮が所々切れ始め、そこから重なった骨や筋肉、内臓などを出しながら整え、再生する。



優多は、立ち上がり分厚い砂煙の壁をみた。

また、あの鋭い目で…

「…何か…来る!」

目をグワッと開き、

瞬間的な速さで刀を半抜きのまま受けた。


“何か…手応えのあるものを”


後ろを振り返れば自分が“何を斬った”のか明確だ。


『砂岩』


だった。

スラスラと、その砂の塊は崩れ、単の砂と変わってしまった。



煙の壁に体を向けて…

つまり正面に向き直して、その“砂岩”が秒速の速さで突っ切ったところを見る。


砂煙の壁が、数秒経った今でも砂岩が飛んできた“跡”つまりは、“穴”のようなものが、閉じず。

むしろ開いてっている…

当たり前だが、こちらと、あちら。

即ち優多と

砂岩を僕に向けて秒速の速さで放った彼ら、真と佐久夜の『場』。

分厚い砂煙の中をなお広がり続けている。

砂岩が放たれた跡から見える


“向こう側”


には、2人…

でも見たことのない2人だった。

正確には見たこともあり、わかるのだが“原型をほとんど留めていない形”

即ち


『異形』


だったから。

獣人のような毛。両生類のような鱗。魔獣のような眼を持った、そんな形をしていた。

2人の眼がそれぞれ、真が緑。佐久夜が青に光っている。

もっとも今は、“返信途中”だったらしい

毛が全身、獣のように濃くなっていく…

二人がブワッと、毛が一気に顔まで達し見事に立派な一角を生やし、ちゃんとした1つの神としての完全体になったところで、


2人は同時に閉じていた眼を“開いた”


その静かに光る四つの眼は外見とは異なり、いや、外見とは合ったまさしく相応しい顔つきだった。


『さて、優多…僕たちは本気モードだよ…』

佐久夜の声は、まるで機械音や加工音のように、何重にも重なった声だった。

そして真が指を鳴らした次の瞬間。

未だに広がり続けていた穴を始点とし、

砂煙がブフォッ吹き消され、辺りは太陽の光が眩しく青空が綺麗な、始めに来た状態の砂漠の中心を通るコンクリート道路に戻っていた。


でも、

戻っていたのは景色だけ、

今の状況。道路の破壊や二つの神の変身は、全くもって変わっていない。

さっきまでは、砂煙のせいで見える物が“限られてしまっていた”

が、今となっては、丸裸の状態だ。

何もかもが晒され、隠すことはできない。



「さてと………では、仕方ありませんね。お相手致しましょう…」

優多は、瞳を紅く輝らせ眼を鋭くし、殺気立てた。

優多の本気モードだ。

『…やったー。じゃあ頼むよ…』

棒読みだ。全然力が伝わってこない。でも、表情というのは嘘を吐かない。実際佐久夜の顔を見てみると力が漲っていることがわかる。いうまででもないが、“顔に出ている”のだ。

「手加減しませんからね。言っておきますが、僕は強いですよ?」

呆れ気味に優多は言った。変わらず眼が鋭く、雰囲気も落ちていない、逆に上昇している。

でも、よく考えれば“あの時”なんの力もない無能の塊のような僕がまさかこんなことを言えるなんて驚いた。実際、また別の意味というかまた別の“何か”は、無能の塊なんだろうけど…


『構わない』

真が佐久夜とアイコンタクトを取りながら言った。

楽しい会話だったか楽しくない会話だったかと言えば、もちろん後者の方を選ぶ。

火を見るよりも明らかな“危ない”会話は、そこで途絶え、戦闘に入った。

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