いきなりの出来事
ー突然の異常ー
僕は陣之内 優多、友梨第ニ中学校二年生。
9月8日 まだ、新学期も始まり間もない頃。自分にある異変が起きたのだった。
その日の朝。朝5:48。朝起きた直後のことだった。
突然、僕の身体が光りだしたのだ。
ーが、
その光は一瞬の事で、だんだんと元の肌の色を取り戻していった
「なんだったんだ?…今の光」
結構眩しかったが、おかげで目が覚めた。
驚く事に、体に痛みや傷はなかったからあまり考えなかった
部屋を出て長い廊下を歩き、洗面所に向かって歯磨き、洗顔などを終え今度はキッチンに向かった。
「あれ?優多じゃないいつもより早いのね」
母は何か信じられない物でも見たのだろうか、顔が普通じゃない。
「母様おはよーって!兄ちゃんどんだけ早いんだよ!いつも起きてくるのがスッゲー早いくせに」
早く起きてきて悪かったな。それに僕はいつも早起きだ。まだみんなが寝ている朝の4時ぐらいに起きて走り込みやランニングなどのトレーニングを軽くして、勉強をしているんだよ。今日は寝坊したから普通に
『その後』
の行動をしているだけ。
「やっぱり、最近おかしいよ?大丈夫?」
10個あれば10個疑う何にでも疑い深い疑心暗鬼なあんたにも言ってやりたいよ。
「まあそれは一旦置いといてご飯何にする?」
一旦置いとくな馬鹿
「…ごは」
「やっぱり朝はパンだよね」
地味にひでえ母親だなまったく…
そして陣之内家長男 優多はごはんが食べたかったがパンを食べ、学校の準備を済まして家を出た。
ー宿った能力ー
それは、家の目の前にあった町内看板のポスターに書かれていた文字だった。
「能力か…」
決して中二病とかじゃないが、能力とかそんな特別な力というのは憧れる。
学校に着いた途端、背後に何かを感じ振り返ってみる
すると、明らかにやばい雰囲気をかもし出している男子2人が立っていた。この学校一番の怪力男と言われている石田と町田が立っていた
石田と町田。
親は、ヤクザとかそんな類のものらしい。学ランがボロボロである。
「あ…おはようございます。お二人共どうなされたんですか?」
「聞いたぞ?お前俺らのことを侮辱したようだな?それに、いつも敬語とかキモいからやめてくんないかな?」
しょうがないじゃないか、いつもこの14年間。他人には敬語を使ってきた身だ。家族や、おばあちゃんおじいちゃんなどの身内にも敬語だ。もちろん友達にも。それに、怒り方がちょっと幼稚じゃないか?
そしてある言葉に驚いた。いや、驚いたも何も僕侮辱なんて一切してないけど!なんで自分がこんな人物にそんなことを言わなキャなんないの!?
「違います!僕はそのような言葉は…」
「はあ?てめぇどこが違うって言うんだ?証拠はたくさんあるんだぞ?」
「そんな…」
ってか明らかにおかしいよ人違いだよ証拠ってなんだよ!
「さあ!殴られる準備はいいかな?」
石田の拳は構えられていた
この現実で無力な少年が、
『爆発的な力や、強力な能力を身に宿らせる』
などという内容のアニメや漫画、ライトノベルはこの世にたくさん存在する。だが、そんなのは、所詮2次元。非現実の世界。ピンチの時には、絶対に成功に導き出し、強力な一撃を受けても奇跡、いや、当たり前のように生きている。そして、ありえないような力で反撃する。
今、もし、僕が強かったら…あの拳を止められたら…もしも…
「ちょっと我慢すれば平気だからね♪」
「うおリャァァァア!」
石田の動きが止まった。明らかにその姿は異常だった。背中は、極端にえぐれ、下に下にと、動きが制限されていた。まるで…
『石田が何かに押しつぶされている』
そんな感じだった。
「おい!どうしたんだ!」
「体が重い…」
「ウグッ…ダメだ。体がもたねぇ…」
ドゴォォ!
石田が何かに押しつぶされるように倒れた。ありえない音だった。人間がどんなに上手く体重をかけてこけても、そんな地面がひび割れるほど、力は出ないはずだ…それに形も“なんか違った”べったりと身体が、地面についているのである。
僕はその場にいるのが怖くて、恐ろしくてその場から逃げた。いや、関わりたくなくて逃げ出したのかもしれない。それに、何かを感じた、そう…これは自分にとんでもないことが絡んでくると…
僕は別校舎に行き、考え込んだ
なんだったんだ…あの時なんで…石田が倒れたんだ…
だが、考えれば、考えるほど状況が把握できなくなっていた。そもそもなぜ僕の目の前で“あのような”事が、起こったのだろうか……だが心当り。いや、自分の根っからの願望が一つあった、それは
『相手を倒したい』
…とはちょっと違うが、そんな風に思っていたら相手の調子が悪くなっていた
以前狙われた時、このようなことを強く思ったって、なんの変化もなかったが今回は違う…何かが僕を守ってくれたような感じだったのだ…
あの出来事から1時間が過ぎた。今教室に戻っても今朝のことで多分不審に思われるだろう。実際見ていた人も多かったし。
優多は、別校舎の多目的教室(今は、倉庫のように物がぎゅうぎゅにしまわれている)
そこらへんにあった大きな収納棚の裏側に隠れていた。いやでも本当ここは、中入っても全然目立ってないから、多分ここに来ても、僕がいることはわからないはずだ。
「ねぇ君」
突然誰かに声をかけられたが、返事はしない。当たり前だ。
誰だよ『多分ここに来ても、僕がいることはわからないはずだ。』だなんて思ったやつ!全然気づかれているじゃねーか!
「いるんでしょ?」
黙っているんだ!黙っていなきゃダメだ!当たり前だけど。
「返事して」
返事したら間違いなくあの二人のところに連れて行かれる…いや、そもそもこんな時に『返事して』と言われて返事するやつは、何の恐れもないやつだ!
残念だが、僕は弱虫だ。人ともまともに話すこともできないチキンだ!それに敬語だし
「大丈夫怖がらなくていいよ絶対にあの二人のところに連れて行かないから」
どうしてだ!?どうして僕の思っていることがわかるんだ?エスパーなのか?
「どうしても出てきたくなかったら話だけでも聞いてくれないかな?」
「…….…話だけなら」
この選択自体間違っていたのかもしれない。そう思いながらも謎の声に対して、自分の姿を現した。
というのも、さっきまで無かった安心感が突然生まれたから出てしまった
「ありがとう。じゃあまずさっき起こったことを説明するよ」
見ると謎の声の正体は男の子だった。
僕はどうしていいかわからなかったが、選択肢は二つある。この多目的教室からダッシュで出ていくべきかここで話を聞くべきか…
一応、50m走は5.46と言う駿足だ。だが、そんな度胸もない。
「今、君が一番戸惑っていることを最初に話そうか」
「あ、あの!」
優多は、聞きたい事が色々ありすぎて、聞く順番を間違えそうだった。
「あなたは何者なんですか?」
すると、男の子が微笑んで
「僕は古山 結城 15歳 そうだね〜今は人の心が読める能力とでも言っておこうかな?」
僕は半信半疑だった。いや、半信半が抜けた、
ただの『疑』が残っただけだった。男の子いや、結城は全く嘘はついていなそうだったが、それでも未だに『疑』に『半信半』は戻りそうもなかった
「やっとこの世界にも能力を持つ人が出てきたなんて嬉しいよ」
「あの…能力って何ですか?」
「あの時、石田だっけ?そいつが原因不明で倒れたのは知ってるよな?」
「なんでそのことを知っているんですか?」
「見ていたから」
この時、なぜか結城に不審が持てなかった。
と言うよりは、堂々と言っていたので、まるで不審が持てるはずもなかった。その心に脱帽したいものだ
「そして、君の能力。それは…『重力を操る能力』だ」
それを聞いて当然僕は信じられなかった。
当たり前だ。そのようなことは、アニメやゲームの世界でしか起こらない。現実では不可なことでありえない話だった。だが、彼の目は本物を見ているような目。本当にウソを言ってるようには見えなかった。
「そして次に話はこの世界とは違った世界の話」
「違った世界?何ですかそれ」
違った世界など聞いたことがない。まあ『異世界』や『パラレルワールド』などたまに耳にするが、一体どのような世界なのか興味を持った。
「あーやっぱりこの世界の人は多世界を知らないのか〜この世界の人は能力を持たないからだんだんと違う世界のことを忘れてしまっているんだ」
「あの…その異世界はどんなの何ですか?」
「えーとねぇ…たくさんあるよ!幻想世界、魔法の世、死後の世界、炎界、緑島、想像世界、自界、白界、黒界…まあこれ以上あるけど言ったらきりがないしこのくらいにしとくよ」
何分か間が空き、急に雰囲気が暗くなり
「覚えといて貰いたい。これが本題だけど…」
急に結城の顔が深刻になった。
「この世界で能力を持ったものは、この世界から存在が消える」
そう暗く、小さな声で申し訳なく僕に告げた。
はい、どうもyutaです。今回は想像×創造シリーズを読んでくださり本当にありがとうございます。
はい、みなさん楽しみにしててくださいね!これから優多は心も身体も強くなっていきますから!
では次回もお楽しみに!