召喚前の霆
「あー、マジつまんねぇー!」
高校二年の始業式の帰り道に葛城 霆が心のそこからつぶやいた言葉だった。
霆は勉強や運動の成績はいたって普通、平凡な容姿で、どこにでもいるような高校生の17歳になる。
高校からいつも一緒に帰っている小倉は楽しそうに笑っている。
「お前はいつもそればっかりだよな。
自分がつまんないって思うと、何もしなかったり、怠けたりしている。
春休みの宿題をまったくやってこなくて先生が物凄く怒っているにもかかわらず、全部聞き流しているお前の姿は見てて笑ってしまったよ。マジ傑作だった」
「うるせーな。
俺は自分にとって必要のないと判断したものは、やらない主義なの。
むしろ必要のないものに時間をかけて頑張るなんて、時間の無駄使い」
「ははは、お前はいつもそう言うけど、俺は先生に怒られる時間の方が無駄だと思うがね」
「ああ、無駄だ。
俺は先生が怒るのを早くやめるように努力をしている。にもかかわらず、ずっと起こり続ける先生が怒るという無駄な時間を使うのが悪い。
俺は悪くない」
「俺はお前が悪いって言ってるのに、先生が悪いって事にしてしまうとは……、まあ、いい。お前が言いたい事はわかった。
だが、今度の二週間後のクラス対抗球技大会は期待しているぞ」
「ああ、任せておけ!
俺はやる気になったもんは全力で頑張るからな」
「よろしく!
じゃあ、気合いも入った所で、これからカラオケにでも行くか?」
「はははっ、なんだそれっ? 話の流れがつながってねぇーぞ。
まあ、いい。俺も丁度行きたかった所だ。
けど、さっきまで物凄く晴れていたにもかかわらず、空に黒い雲が集まってきてないか?」
「おかしいな……、さっきネットで天気予報を確認したら一日中晴れだったはずなのに……」
「その天気予報はハズレだな。すでにポツポツと雨が降り出してきているぞ。
とりあえず、あそこにある本屋で雨宿りだ!」
「わかった」
霆と小倉が本屋に行くと決めている間に天候は急激に変化し、雨が土砂降りになり、雷鳴が轟く。
霆はあと一歩で本屋の中に入れるという時だった。
霆は、雷に撃たれたのだった。