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否定文[過去の奥]
気付いた頃には狂ってしまっていた
曖昧に魅かれて僕は萌える。
†
いつだったのだろう。整えられた指先に言葉を乗せて、誰かへ愛を語ったのは。
僕はいつでも透明なんだ。
透き通る君は素敵だね、なんて言ったのは夢の中の誰だったのだろう。
どうして?
――僕はあんなにも泣いたのに。
どうして?
――僕はあんなにも笑ったのに。
認めるのが怖かった。過去から心が離れていくのが、離れると僕がどうなるのか。
過去の僕は。
君じゃない誰か、恋みたいななにかに魅了されていた。