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初*
それは、昔々の話。
まだ戦国時代くらいだろうか。
日本全国から多くの戦国武将が集まり、花見合戦…という合戦が毎年卯月に行われる。
そう、腕のある武将が桜と共に舞う美しいような、哀しいような合戦である。
その中に、ある女武将がいた。
綺翁桜花二つ名を、狂う桜と呼ばれる女武将だ。
何故、そんな名前が付いたのか、何故女武将になったのか…まずはそれを話しておこうと思う。
狂い桜という二つ名は、武将になってからつけられたものではなかった。
まだ七つの時から、桜花は暗殺者として育てたられた。
幼くして血のにじむ努力をし、暗殺の技術はプロ並になる。
桜花の性格は口が悪く、大雑把。そして何よりも頑固で短気。
それがそのまま戦闘体制に現れる。
自分の愛刀、華刀・桃四季
(かとう・とうしき)
を振り回しながら殺戮を笑顔でする事から、狂い桜と呼ばれるようになった。
その少女が何故武将なのかは、これから話して行こう。