世界扉
「ああ、これでお別れかぁ···」
裕は安らかに目を閉じ、芝生の上に倒れた。
「やっぱり俺、だめだった··」
裕はの体はもう動かなかった
「フフッ··これまでの苦労も水の泡か・・」
裕はもうあきらめていた。仁志を助けることも、人生も。
冷たい風が吹き、まわりの芝生が揺らいだ。
裕は自然体となっていた。
「これまでの努力が結果にでることがないのはなにもしてないのと同じこと」
ふと母親の言葉が聞こえた気がした。これは母がいつもいっていた言葉だ。
「そうだ・・今までの努力を無駄にしたくない」
動かない体を無理やり動かそうとする
体中が痛い、あきらめたい、そう思う心を無視して右手、左手とついて体をゆっくりと起こし、
震える右足、左足に力をこめて大丈夫、大丈夫と唱えながらゆっくり立った。
彼の目には今はもう負の面影はなかった。
「行くしかない」
裕は一歩を踏み出した。
~3日前~
中学3年の高森裕はいつもどおり制服を着て、通学用カバンを担ぎ、
大泉中学校へ向かっていた。
腕時計を見ると8:06であった。これぐらいの時刻なら遅刻はしないだろう。
8:15分から授業は始まる。
学校まではあと5分で付く距離だ。まあ、遅刻してもしなくても裕には関係なかった。
ちょっと怒こられるぐらいだろうし、怒られるぐらいがちょうどいいだらろ。
なにがちょうどいいんだろう。などと考えているうちに学校の前まで来ていた
時計を見ると8:25分であった。
「あれ?なんでだ。ぼんやり行き過ぎちまったか・・・まあ、いっか・・」
隣を見てみると友達である岡崎健がこちらに向かって走っていた。
健は遅刻しかしないといわれるほどの遅刻男である。
「おひさ~」
健が裕の横にきて言った。
「すげ~汗・・」
健は異様に汗をかいていて、制服も湿った感じになっていた。
健は学校いち汗かきといっていいぐらいの汗かきである。
「本当、将来が不安だよ」
健がにこやかに言った。裕は微かに笑った。
「そういえばあれ見た?イイトモ」
裕が言った。
「見た見た、すごかったよな」
「地球滅ぶかと思ったよ」
二人はこうういう会話をしながら学校にはいっていった。
その頃がっこう内では女子生徒一がナイフで刺されたところだった。
~3年2組内~
_「キャーーー!」
3~4人の女子生徒がかんだかく叫んだ。
多くの生徒がこわがっていた。
ついさっきまでは普通に授業をしていたのだが突然男子生徒の一人が不気味に笑いだし、
隣の女子生徒をナイフで刺したのだ。
刺された女子生徒が腹部を押さえ、もがきくるしんでいた。
「ハハハッ」
女子生徒を刺した男、松下貞男が笑った
「警察、警察と救急車を呼べ!」
授業をしていた男の先生が叫んだ。
「は・は・はいっ 」
一緒に授業をしていた福担任の女の先生が返事をし、携帯電話をとって連絡をした。
「貞男、お前····何てことをしたんだ!」
男の先生が言った。
「」